戦後。
カエール侯爵は寝ている。私はベッドの隣に座り、ノートを読み返した。予想されていた通り、かなりの血の量を吐いた。これから、また吐くことになる。それと伴って、高い熱も、胸あたりの強い痛みも予想させる。
睡眠薬を飲んだため、明日の午後まで起きることはない。
カエール侯爵様子を見ながら、ファオラン隊長と他の兵の帰りを待つのみ。
部屋の窓から見える空がもう黒く染め始めた頃に、ファオラン隊長が部屋に入ってきた。
まだ鎧を着たままだ。
「勝ちましたか、ファオラン隊長」と私はファオラン隊長を見上げる
「カエール侯爵の思う通りにいかない戦があるか」とファオラン隊長は微笑んだ
「確かに」
「侯爵は寝ているか」と横になっているカエール侯爵を見た
「はい。睡眠薬を飲みましたので、寝ています」
「今日のアレは傷を負ったからなのか」
「いいえ。持病の症状です」
「薬を飲めば、治るものなのか」
私はただ横に頭を振った
「そうか。看病を代わりにやろうか」
「ファオラン隊長は疲れているでしょう。私がやりますから、ファオラン隊長は休んでください」
「でもアリアネは睡眠をとらないと」
「では明日の朝から午後まで代わってもらえますか」
「わかった。屋敷でどうやって睡眠をとっている?」
「いつも看病しているわけではありませんから、毎日4時間位は寝ています」
「たまにもう少し寝た方がいいぞ」
「はい。週一回執事に任せて、8時間寝ています」
「それでいい」と満足げに父上は私を見つめ、部屋から出ようとした
「侯爵が起きるまで、他の兵がここに入らないようにしてください」
「こういう姿を見られるのは良くないからな。わかった」と部屋からファオラン隊長が出た
つづく