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TOYOUKE Clinic のブログ

豊受クリニック(内科・小児科)院長の髙野です。
平成27年1月より世田谷区玉川台で開業しております。
平成24年5月から池尻大橋駅近くの池尻クリニックで
診療しておりましたがビルの売却に伴い移転しました。

長崎の島で最初に赴任した病院は

出生体重が2500gに満たないと

赤ちゃんがどれほど元気であろうと

入院になり、母と離れた保育器内で

点滴して3日間は経過を見る、という

方針でした。

 

子供を診ずに数字を見る典型例

だったなぁと改めて思うのですが

似たような例を聞きました…ガーン

 

38週の満期産だったものの出生体重が

2500gに少々足りなかったお子さんが

1ヵ月健診に行ったら鉄剤のシロップを

飲むように、と処方されたそうです。

「現時点で貧血はありませんが

低体重や早産で生まれた子は

貧血になりやすいので」と。

 

そんなに極端に小さかったわけでもなく

本人元気で貧血の傾向も無い!のに

出生体重や出産時の妊娠週数だけを

見てルーチンで鉄の甘い薬を飲ませる。

 

鉄剤のシロップなんて

とりあえず飲ませとけば

いいようなシロモノでも

ないですよ…ぼけー

 

例によって添加物たっぷりですし

赤枠内には

鉄欠乏状態にない患者には禁忌

って書いてありますよ…滝汗

あくまで治療薬であって

予防薬ではないのですから…真顔

 

体重の増え方を見て太りすぎだのやせ過ぎだの

呪いの言葉をかけるだけ、ならまだマシなレベル。

 

がいくら鉄分豊富なものを

食べても母乳から必要な鉄は

補給されない、とも言われた

そうです…ショボーン

 

どれだけ薬信仰だと

そんな発想になるのか?

 

皆様は、数字だけ見て

体の負担になる薬剤に

手を出すようなことなきよう

くれぐれも御注意ください。

先日9ヵ月健診に行って来られた女の子。

 

「カウプ指数が18を超えているから太りすぎ」

「頭が小さいから精密検査の紹介状かきます」

 

と言われたそうです。

 

太っているようには見えませんし

すこぶる元気で診察にも問題ありません。

その子の成長曲線を描いてみると以下の通り。

 

かなり標準的な増え方で

バランスもばっちりなんですけど!

 

このグラフは

うちのクリニックで

描いたものなので

健診受けたところでは

グラフにプロットすらせず

カウプ指数=体重÷身長÷身長

の計算だけして

数字が基準値を超えている

というだけで太りすぎとか

言っているのです。

成長曲線では身長に比べて

体重の増え方がやや優勢

というくらいなのに。

そして頭の大きさも

体重に比べると少々小さめ

ですけどバランス的には

全く問題ないのに。

 

『おまえ、こども診てるのか』

 

保育所に行っておりミルク

も飲んでいるのですが

母乳がメインで

まだ離乳食それほど

食べていない子をつかまえて

「太りすぎ」って、あんた。

 

少なければ少ないで

ちょっと基準値を下回っているだけで

ミルク足ないだの、もっと食えだの

精密検査しろだの言うわけです。

 

医者の仕事は

親の不安をアオルことではなく

大丈夫って太鼓判を押すこと

でありたいと思うのですが。