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どんな奇跡がありふれているんだろう。
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と、思い、
第1、2話を見た。
元々山田太一はそんなに好きではないし、ほとんど興味もなかった。
ここ最近数年分のシナリオを読んでも、正直ピンとくる作品にお目にかかれなかった。
スペシャルドラマだけで十分かな、と。
あの何とも言えない独特のもったりしたスピード感は、なかなか馴染めるものじゃない。
なぜ見ようかと思ったのか?
彼が元旦の新聞のインタビュー記事が載っていてそれを読んだのが
きっかけだった。
第1話。
駅のホームに立ち、飛び出そうとしている男を止める中城加奈(仲間由紀恵)と田崎翔太(加瀬亮)。
男は激しく否定し非難するが、無関係の二人が同時に気づき助けたことが、ある種の特別な予感を与えてくれる。
印象的なシーン。
電車から降りてホームを歩み去る加奈が、ふと勘付き、戻っていく。ホームの男を見て気のせいか、と思い直し階段を下りていく。途中、翔太とすれ違い降りて行った途中で、再度戻って来る。
ここで加奈は確信する(だが走ったりはしない)。
その加奈を、追い抜いて走って男を助けに行く翔太。
この辺がいい。人の動いている感が、いい。
違和感のシーン。
会話がいちいち重なる。
この独特のペースは慣れないと違和感がつらい。
加奈の、家族との会話もずれっぱなし。
会話長回しで一回ごとにカットするから、まるでコントみたいに見える時がある。
父(岸部一徳)との会話シーンなんてまさにそれ。
でも時々、仲間がヤンクミになるとこがあって、気が緩んでる感じがいい。(祖母の八千草薫に「落語かよ!」と突っ込むところ)
でも全体を通すと悪くない雰囲気だった。
第2話。
冒頭少ししてから、早速彼独特の空気感が充満しだす。
喫茶店での仲間と加瀬の会話は、ぎこちなさで溢れている。
彼の書いた脚本通りに進めようと必死で、その場の流れはどうでもいいみたい。
台本通りそのまま読まなきゃダメだよな…
だって一個変えちゃうとどんどん変えなきゃならなくなるし、
そうすると際限なく変え続けていって、全然違うものになってしまいそうだし…。
山田太一先生の本だもん、変えられないよー、なんて。
そんないたたまれない雰囲気を感じます。
主題歌がエンヤもいいなぁ。
「神秘的な田崎翔太様へ」
で始まる第2話が、ますます神秘さを深めていくようで、
でも実は神秘どころか、これから一気に暗闇の中へ引きずり込まれていくんだろうな。
途中で挿入される音楽がまた心地よい。
山田太一の脚本の書き方が昔、雑誌に書いてあった。
彼はとにかく、まず書いてみる。どんどん先を気にせず書いていく。
多くてもいいから書いてみて、終りまで行ったら、それを一旦捨てる。
そしてまた、最初から書き出す。
すると、最初に書いたものよりずっといいものができるそうだ。
流れを重視する書き方だ。
それと、ドラマは予想できないことがおきることが面白いという。
例えば、喫茶店で二人が会話をしているとする。
会話が淡々と進めば当たり前にしか進まない。
でもここで、ウェイトレスが持ってきたコーヒーをこぼしてしまったり、
第三者が予想外なことをしたりすると、一気に物語に幅が広がるという。
こうしてドラマを作っていくのだそうだ。
実は当初、全然期待していなかった、彼の最初で最後の連ドラ。
図らずも目に入ってしまった。
入ってしまったら、気になってしまった。
もう少し追いかけてみようかな、と思う。