泣くよ。そりゃ。
こんなに早く訪れるなんて。
どんなに感動的な試合だって、
泣く事まではなかったのに。
今日は涙が止まらなかった。
休憩時間にも、こみ上げてきて、
メインが始まっても、こみ上げて。
………
11月。スターレーン。
地元凱旋の御祝儀マッチと思っていた。
しかし、
哲学的な冠の付く試合をこなし、
その象徴とも言える技を突然披露!
強い衝撃を発した。
結果は敗北。
負けるのは、いつものこと。
でも、いつもと違う感情が残った。
心の底から悔しいと思えた。
………
あの日から3ヵ月。
表層では勝敗は関係ないと思ってる。
ベルトなんて、まだ早いと思ってる。
でも、そんなのは立て前。
楽しむ為の詭弁でしかない。
勝ってほしい。
ベルトを獲ってほしい。
いつの間にか、隠していた気持ち。
あの技。スリーが入った瞬間、
心の奥底から溢れ出てきた。
勝つところが見たかったんだ。
ベルトを獲る姿が見たかったんだ。
抱きしめる両腕の中に
濃緑色のベルトがある。
ありがとう。
こんなにも早く、喜びをくれて。