今日は最近読んだ小説「クレオパトラ」について書こうと思います≧(´▽`)≦
この小説の作者は「天璋院篤姫」で今話題の宮尾登美子さんです。クレオパトラの一生を史実に沿って描いています。
世界三大美女の一人として有名なクレオパトラ7世はプトレマイオス朝最後の王位継承者でもあり、彼女の死とともにエジプト王朝は滅び、その後はローマに支配されることとなります。クレオパトラはただ単に容姿に優れていたというだけではなく、むしろ彼女の魅力を引き立てていたものはその知性であったといわれます。
クレオパトラはその知性から溢れ出る美しさで、二人のローマの権力者を虜にしてしまいます。その二人とは、第一回三頭政治の政治家シーザーと、シーザーの副官であったアントニーです。
クレオパトラとシーザーの出会いは、ポンペイウスを追ってシーザーがエジプトにやってきたときでした。(ポンペイウスは、シーザー、クラッススとともに三頭政治を行っていましたが、三人は次第に敵対するようになりました。クラッススが死ぬと、シーザーとポンペイウスは戦い、劣勢となったポンペイウスはエジプトに逃げ込みますが、エジプトの宰相テオドトスによって殺されてしまいました。)そのころエジプト内部でも分裂がおこっており、クレオパトラの身は危険にさらされていました。そんなときに、クレオパトラはその魅力をもってしてローマの最高権力者シーザーの後ろだてを得ることに成功したのです。
しかし、シーザーが独裁官となりその権力が強まっていくにつれ、それに不満を持つものがでてきて、シーザーは暗殺されてしまいます。(その頃、クレオパトラとシーザーは結婚をしており、シーザリオンという子供がいたのにもかかわらずシーザーの残した遺書に、クレオパトラやシーザリオンへの配慮がなかったことにクレオパトラはひどくショックを受けています。)
そんな時に、クレオパトラを支え、クレオパトラが無事にエジプトへ帰れるようにはからってくれたのがアントニーでした。アントニーは、その頃ひそかにクレオパトラに思いを寄せていました。
ところで、シーザーが遺書で指名した後継者はオクタヴィアヌスであり、アントニーとオクタヴィアヌスがシーザーの死後権力を持つようになりました。オクタヴィアヌスはアントニーより20歳近くも若年者で、しかも体が弱かったので、アントニーはオクタヴィアヌスをひどくなめており、お互いに敵対心を持っていました。
初めのころはアントニーが優勢であり、アントニーは大きな権力を手に入れました。権力と自信をてにいれたアントニーは、憧れの存在であったクレオパトラをその手にいれたいと思うようになります。クレオパトラにとっても、ローマの権力者の後ろだてを手にすることは願ってやまないことです。アントニーからの誘いに、クレオパトラは自分の魅力を最大限に引き出す美しい衣装と豪華な装いで応じ、アントニーの心をわしづかみにしてしまいます。
アントニーは結局クレオパトラと過ごすためにエジプトへ行きます。アントニーがエジプトでクレオパトラとの甘い時間を過ごしてるうちに、ローマではオクタヴィアヌスが力をつけていきました。そして、ついにアントニーとオクタヴィアヌスの間で戦いが起こります。これがアクティウムの海戦です。この海戦には、クレオパトラ自身も出てきていたのですが、劣勢になるとクレオパトラは自分の船をエジプトへ引き上げてしまいます。それを知ったアントニーはクレオパトラを追って自身も戦場を離れてしまいます。指揮官を失った軍隊はもちろん総崩れ。
結局この後、アントニーとクレオパトラはオクタヴィアヌスに負けた形となり、クレオパトラの死とともにエジプト王朝は滅び、ローマの支配下になったのです。
なんだか長くなってしまいましたが……σ(^_^;)
当時の世界の最高権力者ともいうべき二人の男のハートをつかんだクレオパトラって、なんだかすごくないですか??本当にどんな女性だったんでしょうか。いろいろと想像してしまいます。宮尾登美子さんは小説の中で、「クレオパトラは、どういう風にすれば自分が最も美しく魅力的に見えるのかを知っていた」と書いています。クレオパトラは、自分自身を離れたところから見つめる、つまり客観的に冷静に自分を見つめることができるひとであったのでしょう。それもやはり、彼女の広い見識と知性がもたらしたものであったに違いありません。
魅力のある人間になるためには外見だけでなく、知性を身につけなくてはならないってことですかね≧(´▽`)≦