デジタル・ウェルビーイングをこの頃意識するようになった。
ふとSNSやゲーム、中身のない動画にどれほどの時間を費やしているか悟って、愕然としたからである。
SNSの投稿の99%は、さしたる洞察を与えてくれるものではない、一昔前だったらせいぜいチラシの裏止まりのものである。
また、ゲームにしても、仮想世界で簡単に富豪や英雄になれるが、
それに惹かれるのは現実世界での得体のしれない無力感の裏返しだと悟って、途端に虚しくなった。
(尤も、現実世界でどんなに力を得ようとも、それはそれでますます現実世界の巨大さの前に立ち尽くす羽目となるだけなのだが…)
動画コンテンツにしても、多くは中身が薄く、10分でまとめられることを30分かけているような代物ばかりで、
ダラダラと続きを見ることは時間の無駄であることが多い。
(プロのコンテンツでさえ過度に説明的な傾向が増していると言われるくらいであり、真に考えさせられるような作品は少ない)
幸か不幸か、世界はまだ、人間が義務としての労働から解放された世界ではない。
そうである以上、快楽物質漬けになっている訳にも行かない。
あるいは、快楽物質に漬かってもよいが、それは建設的な方法であるべきだ。
例えば、知的刺激を受けて脳内で様々なスパークが飛び交うあの瞬間のような。
そのようなことをふと思い立ち、スマホを通じたSNSへのアクセスを制限し、
不要なアプリはさっさとアンインストールして、浮いた時間を読書にでも当てることにしたのである。
もっと面白いことを探そう。