最近仕事が多忙でギターいじりが殆ど出来ません(´;ω;`)
私は10年前から仕事で司書的なことをやっていたのですが、色々あって秘書的なポジションに
流れ着いてしまいました。
女性が強い小さい職場なので、毎日縮こまっています…。
ところで、仕事で古い洋書を修理するときに、例えばボロボロになった革をぶった切って
新しい革に付け替えるというような事はしません。
なるべくオリジナルなコンディションを保たなくてはならないので、背表紙とかが切れてしまって
もそのまま保管します。
詳しくは、古書の講座などに任せるとして、そこで使う薬品が私にビビッときました。
HPCという薬品です。
アルコールに溶けるセルロースの一種なのですが、セラックととても良く似ているように思います。
本に使うときには、風化して粉が飛び散る革に塗って、粉が飛び散らないように使います。
無水アルコールに溶かして、タンポや筆で塗っていくのですが、木材の吸い込み止めに使える
のではないかと思ったのです。
セラックはクラシックギターの表板やチョコボールのツヤツヤですが、HPCも化粧品などに使われています。
で、早速手持ちのアルダー1枚板のストラトボディに塗ってみました。
1,000番くらいまでやすり掛けしていたのであまり目立ちませんね…。
少しマットな感じになってます。ネックポケットには塗っていません。
砥の粉を混ぜて桐材にも塗って確かめてみたのですが、
吸い込み止め塗料としての性能は??でした。
塗る回数が少なすぎたのかもしれませんが…。
ちなみに、手についた塗料を水洗いで落とすときはべとべとになります。
セラックも水分に弱いので、そこら辺の改良をするためにはアクリルとかウレタンのような樹脂
を配合する必要があるのでしょうね。
又、本関連のお話の続きになりますと、面白いと思っているものが一つあります。
200~300年前くらいの古い洋書には、マーブリング紙という、カラフルな墨流しみたいな
模様の紙でできたページが表紙に配置されていることが多いです。
↑上図は、付き合いで行った講座で作ったマーブリング紙です。トルコのマーブリングだそうなのですが、水にゼラチンのようなものを入れて少し弾力が付いたところに、絵の具をポタポタと
垂らしていって、串やヘラのようなものでかき混ぜて模様を作ります。
伝統的な作り方では牛の胆汁をにじみ止めに入れるそうなのですが、凄まじい臭さでした。
膠も臭いですが、それ以上です。
で、いい塩梅になったら上から紙を押し付けて、模様を写し取るのです!
これをボディやピックガードでやったらおもしろそうだと思っているのですが、工程中に水分を
たっぷり含ませる事が不可避ですので、木材には向いてないのかなとも思っています。