弱っている人には毛布を

俺には大嫌いな言葉があります。

それは

やらかした

という言葉。

ほんと、この言葉大嫌い。

なに？「やらかした」って？

人間生きていれば時には失敗をおかしてしまうこともあると思います。

時にその失敗は周囲を巻き込んで多くの人に迷惑をかけてしまうことも。

そんな時、多くの人がその失敗をおかした人から距離をとることでしょう。

それは決しておかしなことではないと思うし、誰もが取りうる集合意識だと思います。

ただそこで考えて欲しいのは、その「失敗をおかした人」は大半がその時点で沢山責められ、反省し、深く傷つき、ひょっとすると自分を責めているかもしれないということ。

「やらかした」という言葉はそんなズダボロに弱った人を更に追い討ちをかけて攻撃する言葉だと思うんです。

ただ相手を見下し、傷つけることを目的とした下衆な言葉。

品が無い。

だから俺は大嫌いです。

昨年の10月に車を事故で廃車にしてしまって。

そのことを周囲に伝えた時に明らかに「引いている」人がいることが分かりました。

言葉にこそ出さないものの、俺を「やらかした人」認定しているのはその「引いている」態度から一目瞭然でした。

その一方で「ケガは無かった？」とか「大丈夫だよ！」とか言ってくれる人もいて。

俺はその時に失敗して弱っている人に対して後者のような態度で接することができる人間になりたいと強く思ったんです。

もし自分の周りでそういうことがあったなら、その人に対して毛布をかけてあげれるようになりたいと思ったんです。

奇しくも今日、俺はその場面に遭遇しました。

詳細はその方のプライベートに関わるので書かないけど。

俺はその時正直色々葛藤しました。

ここでそんな態度をとることはかえって偽善的なんじゃないだろうか？

俺は見せかけの体裁のためにそうしようとしているのではないか？

本当はドライに関わり合いにならない方が良いのではないか？

単細胞の俺にしては珍しく悩みました。

その時に昨年の車の事故のことを思い出したのです。

あの時「失敗」してしまった自分に、今の自分ならどういう声がけをする？

あの時言われて嬉しかったこと、とられて嬉しかった態度はどんなこと？

答えは明確でした。

色々考えて俺はその方に「大変でしたね」という旨の言葉をかけ、そっと肩に手を添えました。

無駄に励ましたりベラベラ話すのも違うと思ったし、自分の気持ちが伝わるにはそれが一番良いと思ったのです。

俺の気持ちが伝わったのかは分からないけど、その方は「ありがとう」と言いました。

自分がかけられたい言葉、とられたい態度があるならまずは自分からそれをしていけば良いだけ。

「やらかした」なんて言葉が無い紳士的な世界が俺の好み。

弱っている人には毛布をかけてあげる。

そんな紳士的な世界が俺の目指す自分の世界です。

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