「世界の終わり」と「High Time」
ミッシェルとの出会いがいつか?と思い出してみるとそれは今から27年前、僕が15歳の中学3年生の頃だったと記憶しています。
秋田県ののんびりとした町で育った僕は、当時野球部の最後の試合も終わり中学3年生の最後の期間をなんとなくぼんやりと過ごしていました。
その頃の僕の音楽のヒーローはミスター・チルドレンでした。(今も大好きです)
それから地元秋田のたった4チャンネルしかないテレビで深夜枠に放送される番組で紹介される、新旧の海外の音楽も好きだったかな。
それは例えばオアシス、ブラー、スウェード、クーラ・シェイカーといったブリット・ポップの音楽だったり、クリームやレッド・ツェペリン、ジミ・ヘンドリクス、ザ・フーといった60年代の伝説的バンドの音楽でした。
そういう番組を高校受験のテスト勉強の傍らチェックして楽しんでいたのです。
ミッシェルはそんな深夜の番組で知りました。
確かライブ情報紹介みたいなコーナーがあって、そこで彼らが取り上げられていたのです。
ミッシェルはご存知の通り当時もスーツを着て演奏していました。
最初に書いたように当時の僕はミスチルが大好きだったので、その映像を観た時ミスチルかな?と思いました。(当時ミスチルはスーツを着て演奏することが多かった)
けれどそれはまったく違いました。
疾走感あるストレートでロックン・ロールな曲と、土臭いボーカル、キレのある轟音のギター。
そのすべてが当時の僕にはとても新鮮で斬新に見えたのです。
バンドの名前は
thee michelle gun elephant
あまりにも長く、読みにくい名前だったのでその時はまったく覚えられませんでした(笑)(ちなみに僕は今もこの表記の方が好き)
ただ、その時演奏していた曲は覚えることができました。
曲の名前は
世界の終わり
彼らのデビュー曲にして代表曲。
それからしばらくした新聞の広告欄にミッシェルのニュー・アルバム発売の広告が載りました。
アルバム名は
High Time
あのオシャレでインパクトの強いセカンド・アルバムのジャケ写真が、長ったらしい英語表記のバンド名とともに広告に載っていたのです。
写真お借りしました。
「世界の終わり」のライブ映像を見て気になっていた僕はその時に初めてミッシェルのことを意識し始めた覚えがあります。
辞書で読み方を調べ「へぇ〜、ジー・ミッシェル・ガン・エレファントって読むんだ〜」と知りました。(「thee」の読み方については、当時の英語の先生に聞いた)
そしてバンド名を調べるだけではなく、僕はそのアルバムを聴いてみたくて聴いてみたくて仕方がなくなりました。
当時地元の町で唯一のCD屋さんに行ったけどCDは置いていなかったため、取り寄せてもらって購入することに。
その頃の僕はミスチルが好きだったしロックン・ロールというよりはポップスが好きだったので、「ミスチルの延長線上」「ポップスのちょっと激しい版」くらいを期待してCDをかけました。
そしてその期待は見事に裏切られました!
ゴリゴリのギター、投げつけるようなボーカル、どこがサビなのかよく分からない楽曲。
特にチバのボーカルが衝撃的で、それまでミスチルやスピッツのような「優しい」ボーカルに慣れ親しんでいた僕にとって、チバの「攻撃的」なボーカルは何かこう‥「イケナイものを聴いている‥」みたいな気持ちにさえなりました。(実際、ミッシェルを聴く際は親にバレないようにボリュームを下げて聴いていた)
正直な感想を書くと、「High Time」は衝撃的ではあったけれど「期待外れ」ではありました。
それは僕が「ミスチルの延長線のものを期待していたから」ということと、単に当時の僕の音楽的キャパが狭かったからなんですけどね。(歌詞もシュールすぎて当時の僕には理解できなかった)
今では「High Time」は何度も擦り切れるくらい聴いた大切なアルバムとなっています。
「イケナイものを聴いている(岡村靖幸みたいだね!)」「期待外れ」だったにも関わらず、僕はミッシェルをその後何度も何度も聴きました。
なぜか知らないけど聴いてしまう‥みたいな感覚です。
「クセになる」という言い方が近いのかも。
そんな感じで、僕とミッシェルとのファースト・コンタクトは終了しました。
それからミッシェルのCDは僕の数少ないCD棚に入れられ、たま〜に気分で聴くくらいのものでした。
この時はまだ僕の中でミッシェルは「数あるバンドの一つ」くらいの認識で、まさかその後こんなにも大好きで大切で超尊敬するバンドになるなんて思いもしませんでした。
そして少〜しだけ時は流れます。
チクタク、チクタク‥。
僕が地元の進学校(この「進学校」というのが結構重要な要素)に入学した高校一年生の冬。
今から26年前の1997年のことです。
③に続く
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