ギターを長年弾いてきたんだけど、やはりその都度その都度コピーしてきた曲・聴いていた曲は変化している。
そこで!
ギター人生を通しての「俺のギター名盤」を紹介していきたい。
僕はもともとギターを始めてから音楽を本格的に聴き始めたタイプなので、リスナー型というよりプレイヤー型の音楽の聴き方をしている。
音楽を聴く際、「曲が良い」というのはもちろんありきなんだけど、その次にくるのはやはり「ギターがカッコイイか」ということ。
そういった音楽の聴き方をしてきたからこそ、今の僕のギタースタイルが築かれたのではないか?と思ったりもする。
そういった僕の人生の中の「ギター名盤」を紹介していきたい。
さて、前置きが長くなったけど早速始めよう。
今日の「俺のギター名盤」
Led Zeppelin
「Remasters」
もはや言わずと知れた世界的超有名ロック・バンド、Led Zeppelin のベスト盤。ギタリストでプロデューサーのジミー・ペイジがリマスタリングした作品らしい。
Led Zeppelin はイギリス出身の4人組ロック・バンドでその音楽性は後世のロックやハード・ロックの礎を築いたとも言えるとても偉大なバンドだ。
ロバート・プラントの唯一無二のハイトーン・ボーカル、ジミー・ペイジの超カッコいいギター・リフ、ジョン・ポール・ジョーンズとジョン・ボーナムによるグルーヴィーなリズム隊からなる彼らの音楽は超革新的だった。
あまりに革新的だったからこそ、彼らのファースト・アルバムは様々な音楽評論家からこき下ろされたとか。
それまでの音楽的言語を用いていた人たちには、まったく新しい音楽的言語を用いるツェペリンは意味が分からないくらいクレイジーに聴こえたんだろうね。
服装とかもすごくセクシーで派手なものを意図的に着用していたみたいで、彼らの醸し出すロック・バンドの雰囲気も独特のカッコ良さがある。
バンドはドラマーのジョン・ボーナムの急死によって解散するけど、それまでに数々の名盤を世に送り出した。
僕もツェペリンの作品は色々持っているけどやはりオススメはこの「Remasters」。
なぜベスト盤かと言うと、単純に「ベスト盤」だから。(身も蓋もない)
どの曲を聴いてもカッコいいし、カッコいいギター、ドラム、ベースを楽しむことができるから。
僕が初めて買ったツェペリンの作品はこれ。
良く知らないアーティストの作品を買う時に変により好みして「失敗」するよりは、潔くベスト盤を買うのか一番良いと僕は思う。
ベスト盤にはそのアーティストの代表曲が入っているので、そのアーティストの雰囲気を掴むことができるから。
その雰囲気が気に入ったならそこから掘り下げて色々他のアルバムを聴いてみることをオススメする。
さてさてアルバムなんだけど。
本アルバムは2枚組だ。
Disc 1は「Communication Breakdown」の必殺リフから幕を開ける。
「Good Times Bad Times」、「Heartbreaker」、「Immigrant Song」、「Rock and Roll」など誰もが一度は耳にしたことのあるロック・ナンバーが満載だ。
対してDisc 2は「D’yer Mak’er」や「Kashmir」など「ロック」にとらわれないカラフルでバラエティ豊かな楽曲が並ぶ。
Disc 1がバンド・サウンドとエレキ・ギターのイメージだとしたらDisc 2はアコースティックなイメージだ。
ツェペリンはよくハード・ロックの元祖みたいに言われたりするけど実は全然違う。
ロバート・プラントのボーカルやジミー・ペイジのギターはいわゆるハード・ロックのそれとは確実に違っていて、その根底にはスモーキーなブルースのフィーリングがある。
またジョン・ポール・ジョーンズとジョン・ボーナムが作り出すリズムは、脳天筋肉のハード・ロックのリズムとは一線を画すグルーヴを持っている。
ジョーンズが弾く、音符の玉(♩)がみえるようなベースラインにボーナムのブレないドッシリとしたドラム。
ボーナムのドラムはこの時代にしては珍しく手数よりもノリを意識したドラムだ。
例えば彼はスネアやタムなどを派手に回すようなドラミングをあまりせず、ひたすら同じキックを刻み、ひたすら同じリズムを繰り返すことで独特のノリを生み出している。
彼のドラムで聴くべきは手数よりも明らかにキックのリズムで、ブレることなく一定のリズムで16分のバスドラを踏み続けるその驚異的なテクニックはドラマーなら聴くべきなんじゃないだろうかと僕は思う。
さあではギターを見ていこう。
ツェペリンのギタリストはジミー・ペイジ。
この人のギターに影響を受けた人はきっと数えきれないくらいいるだろう。
そしてロック・ギターの発明を沢山した人でもある。
もちろん僕も大好きだ。
彼の発明は
・印象的なロックなギター・リフ
・レスポールとマーシャルのアンプの組み合わせ
・ギターのストラップの長さ
などなど、現在のロックの「基本」となったものだと僕は思う。
ペイジのギターは正直そこまで上手い訳ではない。
同時代のクラプトンやベックに比べるとそこまで「弾けていない」。
ただ彼はそういったテクニックの点をカバーして余りあるほどの、独特のフレージング・センスを持っている。
ギター・リフはもちろん、ギター・ソロにおける速弾きのフレーズでさえペイジのギターは耳に残る。
彼のギターはブルースをベースにしている。
ブルースのギターって同じフレーズの繰り返しが定番で、ともすれば退屈なものになりがちなんだけどペイジのギターはとてもポップだ。
ポップとブルージーな感じってなかなか一緒にならないもんなんだけど、彼のギターはポップになりすぎず、かつブルージーになりすぎないギリギリの線のフレージングで展開される。
僕がこのアルバムを買ったのは確か高校生の頃。
ギター少年だった僕はギターの速弾きを聴いてみたかったんだけど、当時テレビから流れるいかにも「アメリカン」な感じの速弾きギターはどうにもしっくりこなくて。
なんか違うんだよな〜って思ってたある日、ツェペリンの「強熱のライブ」っていう映画をBSで観た。
ライブの中でジミー・ペイジが弾いている速弾き?のギターを聴いた瞬間
こ、これだ!こういう速弾きを聴きたかったんだ!
とビビッときたのを覚えてる。(表現が古い‥)
僕はツェペリンも一生懸命コピーしたけど速弾きはあまりできない。
ツェペリンをコピーすればするほど身につくのはギター・リフと「なんちゃって」速弾きだったからだ‥。
それでもやはりツェペリンのギターを弾くのはとても楽しかった。
やはりギターが主役のバンドだからギターは間違いないね。
ところで。
ツェペリンと言えばギターの他にもさっき書いたジョン・ボーナムのドラムが有名だ。
ボーナムのドラムの特徴として独特の「モたり」によるタイム感がある。
ドラムが他の楽器の演奏よりも分かるか分からないかぐらいの感じで遅れていて、それがバンドに独特のグルーヴ感を与えていると言われている。
これを「モたる」と言うんだけど。
僕の見解ではこの「モたる」グルーヴはボーナムと言うより、ペイジのギターのおかげだと思う。
と言うのも、ペイジのギターは「走る」傾向があるからだ。
「モたる」の逆が「走る」で、バンドの他の楽器の演奏よりも前のめりに演奏してしまうことを言う。
実はボーナムのドラムはそこまでモたっていない。
ドラム単体のパートを聴いてみるとむしろジャストで正確なタイム感で演奏されているのが分かる。
ペイジのギターが「走り」気味だからこそ、リズムがモたっているように聴こえるのだ。
なぜそこまで確信的に言えるかと言うと、昔バンドで音源を別撮りした際同じ現象を体験したからだ。
ジャストなドラムを聴いて演奏した僕のギターが走ってしまったせいで、リズム全体がモたって聴こえたのだ。
そんな訳で、ジミー・ペイジは優れたギタリストであると同時に優れた?リズム・メイカーでもあったと僕は思っている。
ギターとリズムの混ざったバンド・グルーヴの発明者 Led Zeppelin !
Led Zeppelin
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