久しぶりの「俺とギターと人生と」。



間が空いてしまったけど、また書き始めよう。



ギターを長年弾いてきたんだけど、やはりその都度その都度コピーしてきた曲・聴いていた曲は変化している。



そこで!



ギター人生を通しての「俺のギター名盤」を紹介していきたい。



僕はもともとギターを始めてから音楽を本格的に聴き始めたタイプなので、リスナー型というよりプレイヤー型の音楽の聴き方をしている。



音楽を聴く際、「曲が良い」というのはもちろんありきなんだけど、その次にくるのはやはり「ギターがカッコイイか」ということ。



そういった音楽の聴き方をしてきたからこそ、今の僕のギタースタイルが築かれたのではないか?と思ったりもする。



そういった僕の人生の中の「ギター名盤」を紹介していきたい。



さて、前置きが長くなったけど早速始めよう。








今日の「俺のギター名盤」



ミッシェル・ガン・エレファント

「チキン・ゾンビーズ」






やはり記念すべき1番最初のギター名盤の記事はこれだろう。



僕の人生に大きな影響を与えたロックバンド、ミッシェル・ガン・エレファント。



そのサードアルバム「チキン・ゾンビーズ」。



ミッシェルは僕の永遠のロックヒーローだからその素晴らしさを書こうと思えば永遠に書くことができる。



ミッシェル・ガン・エレファントは90年代の邦楽ロックを塗り替えた確信的なロックバンドだ。



彼らの音楽は60年代・70年代のロックをベースにして、そこに90年代当時の「現代的な解釈」を加えて混ぜたようなロックだった。



それはまるで、使い古されたスリー・コードの曲がまったく古臭く聴こえないという驚きのマジックで、曲をコピーしてみたらスリー・コードしか出てこなかった!という驚きの発見が沢山あった。



スリー・コードの曲が、チャック・ベリーから通じる「コテコテのロックンロール」に仕上がらないのは、ボーカルのチバ・ユウスケのメロディ・メイクのセンスだろう。



ではでは、早速ギターを見ていこう。



ミッシェルのギタリストはアベ・フトシ。



惜しくも2009年に亡くなったしまったけど、そのギタープレイは後続のギタリストに数々の影響を与えた。



今なお彼からの影響を口にするギタリストは多い。(もちろん僕もそうだ。)




「ゲット・アップ・ルーシー」レコーディング時のアベ。(画像お借りしました。)






当時16歳の僕がアベ・フトシのギターに受けた衝撃というのは凄まじくて、それまでの僕の中のギタリスト像は一瞬で書き変えられてしまった!



アベといえば代名詞になっているのが切れ味鋭いカッティングだ。



カッティングはコードを弾く際等にギターの弦をグッと押さえずに、軽く触れた状態でピッキングすることで「チャッ」というパーカッシブな音を鳴らす演奏方法だ。



ファンクのギターでよく聴かれるもので、ギターをリズム楽器の一部として用いる場合に使用される。



アベのギターはこのカッティングを、リズムギターという「脇役」からソロギターという「主役」にまで格上げした。



「チキン・ゾンビーズ」はほぼ前編に渡って、16分のカッティングギターが叩きこまれている。



「ツツタツ、ツツタツ」の8分のリズムに、その倍の16分のリズムのカッティングギターが強引にぶち込まれているのだから、イカれているとしか言いようがない!



この常軌を逸したようなギターのアプローチが、ミッシェルの楽曲に独特の緊張感を与えている。



ただでさえテンポの早いミッシェルの楽曲なのだが、8分のリズムに倍の16分のリズムのギターを叩きこむのだから、右手のストロークはもはやスポーツみたいなものだ。



少しでもリズムがズレたりモタッたりしたら、あっという間に曲に置いていかれてしまう。



左手で正確なコードを押さえる&正確なミュートをする、右手で高速のストロークを繰り返す。



これを曲の始まりから終わりまで休むことなく繰り返す。



この一見ストイックとも見れるギターアプローチなんだけど、ところがどっこい!



この特殊なカッティング奏法は、速弾きのギターソロに匹敵するほどインパクトと存在感のあるもので、実際アベのギターソロはほとんどこのカッティングが主役だ。



そういう意味で、アベのギターはバッキングギターとソロギターの区別が無い。



ミッシェルの楽曲を弾いていると、最初から最後までギターの見せ場だらけで楽しく仕方ない。



特にこの「チキン・ゾンビーズ」は、どの曲をとってもカッティングギター祭りのオンパレード。



小刻みに刻まれるアベの切れ味鋭いカッティングは、リズム、そしてそのクセになる音色、どれをとっても最高だ。



ヘッドホンのジャックをコンポの挿し口に全て差し込まず少し緩い状態で差し込んでみると、なんとギターのみのチャンネルを聴くことができる。



そのギターチャンネルで聴くことのできるアベのカッティングギターはまさに鳥肌ものの快感に満ち溢れている。



ミッシェルの楽曲には当然のごとく、「楽譜的な決まり事」が無い。



つまり、すべてアドリブによって演奏されている!



もちろん細部にちょこちょこ決まっている箇所はあるんだろうけど、だいたいはアドリブ。



だからこのアルバムは、その場でその瞬間しか出ないフレーズを真空パックしたような奇跡的な内容になっている。



とにかくギターが頭おかしいリズム感で鳴り渡っている。



ほとんどがわずか3分くらいの尺の曲なんだけど、その中で聴くことのできるギターはどれも狂った気持ち良さを与えてくれる。



とにかくとにかく、アベのギターは当時かなり衝撃的なものだった!



だってテレキャスターから繰り出される分厚い音色のカッティングなんてそれまで誰もやっていなかったんだから。(Dr.FeelgoodやThe Piratesでさえ、アベのギターを聴いた後に聴くと音圧がかすんでしまう!)



そしてカッティングでギターソロを弾くなんて、誰もやっていなかったんだから!



それだけインパクトのある攻撃的なフレージングセンスがあったからこそできた技だよね、コレは。



アベ・フトシのギターについても書こうと思えば永遠に書けるのだけど、あまりにも長くなってしまうからここらで終わりにします。



最後に、アベフリークの僕がアベのギターのどういう部分が好きかと言うと‥



全部カッコよくて好きだからすっごく難しいんだけど‥



やっぱり、カッティングした時のミュート音かな。



あの乾き過ぎてもいない、歪み過ぎてもいない、絶妙な音色のミュート音。



当時16歳の僕は「バードメン」を聴いて、「一体これはどうやってやっているんだ??」とギターの音色を試行錯誤した覚えがある。



今聴いてもやっぱり特徴的で、唯一無二の音色だよね、あの音は。



そういった音色も含めて、アベの奏法は様々なものをコピーさせてもらいました!



思った通り、熱が入り過ぎてまとまりきらない文章になったけど、まいっか!






ミッシェル・ガン・エレファント

「チキン・ゾンビーズ」

ギタリストなら聴くしかない!






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