俺とギターと人生と　その57 ありがとう、さようなら、レスポール・カスタム。

今日、レスポール・カスタムの嫁ぎ先が決まりました。

大切に弾いてくれるであろう方のようで、とても安心しています。

これから梱包をして発送しようと思う。

このギターを売ったお金を資金に新しいギターを買おう。

ずっと欲しかった、マーチンのアコギ。

良かった良かった。

でも、本当はこれは半分嘘だ。

本当は、ギターを売りたくなんかなかった。

新しいギターは確かに欲しかったけど、それとは別に生活費のために大切なギターを売ったのは本当に情けない。

自分を少し呪う。

あんなに大切にしていたギターを、金のためにいとも容易く売り払った自分を。

オレにもっと経済的余裕があれば、ギターを売らずに済んだのに、とも思う。

でもその一方で、これで良かったんだと思う自分もいる。

おそらくレスポール・カスタムは、この先オレが持っていても弾くことは無いだろうから。

それだったら、弾いてくれる人のもとに嫁いだ方が、ギターにとって幸せなはずだ。

それは間違い無いのに。

何だろう、この喪失感は。

嫁ぎ先が決まってとても嬉しい反面、とても悲しい気持ちがある。

このギターの存在が自分にとってすごく大きかったって、今になって気づいた。

今になってそれが分かるなんて、オレは何てバカなんだろう。

でも、これでいいんだ。

レスポール・カスタムは、きっと次のオーナーのもとで最高の音を奏でてくれるだろう。

それでも、もうこんな経験はしたくない。

ギターを売りたく無いっていう自分の気持ちに応えられなかった自分も、今は嫌いだ。

それでもオレは前を向いて生きていこう。

ありがとう、レスポール・カスタム！

君のルックス、サウンド、存在感、そのすべてをこの先もオレは忘れない。

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the nontarou records

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