長年に渡ってギターと付き合ってきた経験から、ついにギターレッスンを始めました。
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mikke版はこちらから。
というわけで、ギターの上達法…というか、楽しみ方を人生にからめて書いていきたいと思う。
さて。
あと何日かで12月。
早いもんだね、まったく。
今朝、自転車で駅まで行く途中、昔バンドをやっていた時のことを思い出した。
それに関係したことを書こう。
ギターを弾き続けていたら、そのうちきっとバンドを組む機会があるだろう。
バンドを組む時に俺は絶対、
リーダーを決めておいた方が良い
と思う。
リーダーというと少し大袈裟だけど、
要は
バンドの中で「この人が言うことは絶対」みたいな人
をきちんと決めておいた方が良いってことだ。
バンドを「健全に」「正常に」機能させたければ、これは絶対必要なことだと思うのよ。
で、バンドでオリジナル曲をやる場合、だいたいギターを弾ける人が曲を書くじゃん?(もしくはピアノとかね)
だからそういう人がリーダーになるべきだと思う。
曲を書く人がリーダー。
でね。
リーダーが「こうする」って決めたことに関して、メンバーは口出ししちゃいけない。
「この曲はこういう雰囲気で、こんな感じのノリでやるから!」
ってリーダーが決めたなら、他のメンバーはそのリーダーのイメージを共有し、実現するために動かなきゃならない。
間違っても、「いやいや、ここのメロディはこうしよう」とか「もう少し違った雰囲気にしよう」等と意見するべきじゃないんだ。
なぜなら、それは単純に「楽曲を良くしたいから」という意見ではなく、
単に自分の我を通したいがための力比べ
だから。
こういう力比べは、バンドをダメにする。
バンドの中でエネルギーの奪い合いを生む。
それさバンドを「健全に」「正常に」機能しなくする。
バンドのメンバーがそれぞれ個性を出して演奏し、それが楽曲の中で化学反応を起こす。
それこそが正しいバンドのあり方だと思う。
「個性を出すこと」と「我を通すこと」は似ているようで違う。
前者は一つの目標を達成するために自分の個性をもって貢献することであるのに対して、後者は目標の達成を目指すものではなくただ子どもじみたワガママを通そうとするだけの行為だ。
で、メンバーの「我を通す」という行為が発生してしまうのはバンドにリーダーがいないからだ。
もしくはリーダーの絶対的権力が弱いからだ。
バンドは共同体であるという点において、会社と同じだ。
会社が起業目標を達成するために従業員それぞれが業務を行うのと同じように、バンドも楽曲を完成させるためにそれぞれが与えられた役割をこなさなければならない。
そのためにメンバーを統率して、目標に向けて舵をきる役がいなければならないのだ。
それがバンドのリーダーだ。
バンドで一つの楽曲を表現する時、「我を通す」ことはまったく必要ないのだ。
だからリーダーは決めておかなければならない。
そして。
おそらくリーダーになるだろうギタリストは、心を決めて置かなければならない。
自分が書いた楽曲を、自分の世界を、自分のイメージを表現するために必要の無いものは徹底的に切り捨てなければならない、と。
そして、自分の世界を構築することを邪魔するものが介入するスキを与えてはならない、と。
「自分がバンドをコントロールする」
それくらいの意志を明確に持って、バンドに携らなければならない。
今から十数年前。
当時俺がやっていたバンドはリーダーがいなかった。
楽曲ほぼすべての作曲を担当していたのは俺だった。
俺には明確に表現したい世界があって、そのための演奏をみんなでしているはずだった。
しかし、俺は介入を許した。
俺が表現したい世界に対して、他者からの介入を許してしまっていた。
俺は決意ができていなかった。
どんなことがあってもバンドを「正常に」「健全に」機能させ、自分の世界観を表現するんだ
という決意が。
争いを防ぐために、なるべく他者の意見を取り入れ、そしてそれによって自分の世界観が変わろうとも、そちらの方を選択していた。
バンド解散の直接の原因がこれとは言わないけど、こうした自分の中のフラストレーションもその引き金になっていたと思う。
当時のバンドでそういったものに起因するエネルギーの奪い合いが起こっていたのは間違いないから。
リーダーは決めておけ!
これが、これからバンドを組むであろうギタリストたちに向けて俺が伝えたいことだ。
今日はどんよりとした天気で、気分が憂鬱だ。
髪型のセットもうまくできなかった。
だから、通勤途中に昔の「悲しい思い出」を思い出したのかもしれない。
俺にとって過去のバンドの思い出は、どれも素晴らしいものだけど、ごく稀にその思い出の中から「悲しい部分」をピックアップして思い出すことがある。
今日はそういう日だったのかもしれない。
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