か「お見事だな!」 ボムの首を抱え、 立ち去ろうとしたそのときだった。 屋根の上から声が聞こえてきた。 ジェ ハ は顔を上げて、 声の主に目をやった。 逆光で黒い人影しか見えなかったが、 体格はかなりよさそうだ。


(俺よりデカそうだな·····一体誰だ?)

 男は屋根からひょいと飛び降りた。 

大きな体格の割にはすらりとしている。 

ようやく男の顔がはっきりと見えた。 

ブラウンの髪に黒々と思慮深い瞳、 太く凛々しい眉毛に、 彫刻のように高い鼻をした端正な顔立ちの男だった。 首と胸 元に入った華やかなタトゥーとコートが印象的だった。  歳はジェハと変わらないようだった。

「あんたは誰だ?」 
「こんな状況で自己紹介ってのも変な感じだけど······俺は ド グォン だ」

ド グォンの言葉にはソンジンたちのような強引さはなく、 不思 議と彼に対して嫌な気はしなかった。 初対面とは思えない、 古くからの知り合いのような感覚があったのだ。
 ド グォンに言われたとおり、 ボムの胴体を見ると、 二ヵ所に銃 傷があった。 腰辺りの銃傷が致命傷になったようだ。 「な、 俺の言ったとおりだろ? まさか、 さっきの奴らみた いに俺ともやりあう気か?」 「いや······」

ジェハはド グォンを仲間に
なってくれと誘うが
「いくら頼まれても····」
 「連絡先だけでも教えてくれ。 この先、 どうなるか分からな いだろ? あんただって、 俺たちの助けが必要になるかもし れないし」 
「そうだな·····」 ド グォン
ジェハ が再び背を向けると、ジェハは慌てて駆け寄り、 彼の腕 を掴んだ。 グォン 跳健が眉をひそめた。