20年9月28日 ジミン

入院してから何日経ったのか、数えるのをやめてしまった。 数える、というのは、退院できる望みがある場合にすることだから。 窓の外から見える景色から、そんなに時間は経っていないことがうかがえた。1ヵ月くらいだろうか。 薬のせいなのか、何もかもが面倒でぼんやりしていた。
 今日は特別な日だった。日記を書いているなら、絶対に書かなきゃいけないような日。でも、僕は日記には書かない。 あとから問題になったら嫌だからだ。 今日、僕は初めて嘘をついたのだ。 医者の目を見つめながら、憂鬱なふりをして。
「何も思い出せないんです」