2022年2月24日、ロシアがウクライナに侵攻した。

 

この日以来「国家」というものを眼前に突き付けられた人々がいる。

 

世界中に住むロシア人達だ。

 

個人的に若い時からロシアと縁が深い。高校生の時にロシア人の母を持つハーフの女性歌手が好きであるという理由だけで、大学ではロシア語を専攻した。但し、早々に挫折したのでロシア語は、ほとんど話せない。それでも学生時代、好奇心に駆られロシアやウクライナを一人旅をしたりした。

 

そんな縁もあり現在、在日ロシア人YouTuberのチャンネルを多く登録している。

彼ら彼女らは、日本文化が好きで日本に移り住み、日本語を努力の末習得し、流暢な日本語で面白いコンテンツを配信してくれている。

 

しかし、ウクライナ侵攻以後、彼らの雰囲気は一変した。

 

突如として現れた自分たちの国家の正体に驚愕し、悲しみの表情を浮かべ困惑しながらウクライナ情勢について語るロシア人YouTuber達。

 

私の知る限りウクライナ侵攻に関して賛同の声をあげている人間は一人もいない。

 

しかし、それでも彼らのもとに多くの誹謗中傷が届くのであろう。無収益化したり、収益をウクライナ支援に回したりしてウクライナ情勢について語り続ける。

 

今まで自分の住みたい国で、普通に一外国人として暮らしていた彼らは、突然、自らの国家の凶悪な姿を目の当たりにし、世界中の人達から憎しみの感情を向けられたのである。

 

テレビやYouTubeでウクライナの惨状を見た後にロシア国内の一般の人々の生活が流されると、なんとも言えない感情が湧きおこってくる。国家と個人は別であり、その個人においても様々な考え方を持つ人々がいる事を頭では分かっているのだが、その理解を怒りの感情が打ち負かしてしまう。

 

それが国家という目に見えぬモノが持つ恐ろしさであり魔力なのだろうか。

 

 

少し前置きが長くなったが、ここからが本論だ。

 

さて、私達はどこで生を受けようと産まれながらにこの国家という目に見えぬ物に所属する事になる。

 

それは日常生活を大きく規定する物であるのだが、あまりにも当たり前の物であるのでその存在など普段は気にも留めない。

 

が、足を止め目を凝らせば徐々にその姿は見えてくる。

 

21世紀に入り、20年以上が過ぎた現在、私たちの住む「日本」という国は、いったいどんな姿をしているのだろうか。

 

2年ほど前にある事件が起きた。

 

この飽食の時代に日本列島で餓死者が出たのである。

それも、人生の最後の命綱である生活保護が届かなかった人達が、飢えて死んだのである。

 

【一所の在処 ~大阪餓死事件について~ レフトマンblog】

https://ameblo.jp/theleft1/entry-12662049055.html

 

江戸時代の様に大規模な飢饉が起こった訳でもない。

見渡せば食料が有り余るほどの世の中だ。

スーパー、コンビニ、飲食店、様々な場所に大量に食料がある。

それなのに現在のこの国では人が餓死する。

 

それほどまでにこの国の社会システムはゆがんでいる。

 

実際、生活保護にかけるこの国の予算割合や、与えられるべき人達に命綱が届いている捕捉率は、先進国で最下位レベルだ。

 

【生活保護費について 日弁連ホームページ】

https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/publication/booklet/data/seikatuhogo_qa.pdf

 

 

 

ところで最近、生活保護や貧困の話をすると「自己責任」という言葉が必ず付いてまわる。

 

どうなんだろう、これもやはり新自由主義とやらの影響なのだろうか。

 

新自由主義、要約するとこうなるだろうか。

 

~行政をスリム化する事(国家による福祉、公共サービスの縮小)により税金を少なくし、規制を出来るだけ廃止する事によって自由競争を刺激し、能力ある人々がより活躍できる世界をつくる。それによって国家全体の発展を目指す~

 

この新自由主義を体現したような政党が先の衆院選で大きく議席を伸ばしている。

大阪が本拠地でシンボルカラーは緑。

 

この党のHPの党代表メッセージの冒頭には、

 

~「自立する国家」「自立する地域」「自立する個人」の実現を理念に掲げております~とある。

 

「自立」・・・・要するに、どの立場においても「他者から助けられるな」という事だ。

 

なるほど、新自由主義らしいメッセージだ。

 

 

 

先日、大阪のクリニックの放火事件で大勢の人々がなくなった。

 

犯人の男は、生活保護の申請をしていたそうである。

しかし、条件がクリア出来ず自ら辞退したそうだ。

 

何の罪もない人々を巻き込み拡大自殺を図る人間などに同情の余地は欠片もない。

 

しかし生活保護のハードルが今より低ければ、果たして今回の事件は起きただろうか。

 

国民の理想を「自立した個人」とする政治家があまりに増えるならば、政府の役割は必然と小さくなり、ますます「自己責任」という言葉が幅を利かす世の中になるだろう。

 

そして元々自立や競争等の価値観と相性の悪い人々や、様々な理由で「自立」出来ない状況に追い込まれた人々は、経済的にも社会的にもますます居場所を無くす事になる。

 

果たして新自由主義は、本当に私たちの国が目指すべき姿なのだろうか。

 

 

 

さて、この文脈において「自立」に相対する言葉は何だろうか。

 

やはり「福祉」になるのだろうか。

 

この福祉という言葉には公的扶助、すなわち「政府の援助による生活の安定や充足」という意味が含まれている。

 

【幸福度国別ランキング】

https://www.wel-knowledge.com/article/worklife/a220

 

上位は福祉国家と言われる北欧の国々だ。

 

将来への経済的な不安は「今」を不幸にする。

逆に、将来への経済的な安心は「今」を幸福にもする。

 

とは言いながらも北欧の福祉国家の税率が高いのは有名な話だ。

 

手厚い福祉にはそれなりの財源が必要だという事だ。

 

消費税など20%は軽く超えている。

 

この消費税を廃止し、尚且つ福祉国家的な社会を目指している人々が日本にいる。

元俳優が立ち上げた政党でシンボルカラーはピンク。

 

ピンクのこの消費税廃止の政策は、よくパフォーマンスと誤解される。

 

消費税を廃止すれば約20兆円税収は下がる。

どうするのか?

 

法人税の累進課税だ。

現在法人税の税率は一律課税だ。全商連によると、もし法人税を累進課税にすると約19兆円ほど税収が増えるそうである。

 

ちなみに法人税は一律だが、企業の現行実質負担税率をみるとどうなっているか。

【現行実質負担税率:法人税以外の全ての企業が納めるべき税を含むもの】

 

【資本金:現行実質負担税率(%)】

【100万円以下:15.9】

【100万円超:17.4】

【200万円超:17.7】

【500万円超:18.8】

【1000万円超:19.7】

【2000万円超:19.9】

【5000万円超:19.0】

【1億円超:21.1】

【5億円超:19.4】

【10億円超:18.6】

【50億円超:16.7】

【100億円超:11.7】

 

【全商連HP】

https://www.zenshoren.or.jp/2018/10/15/post-896

 

【弱い者たちが夕暮れ ~消費税・法人税率について~ レフトマンblog】

https://ameblo.jp/theleft1/entry-12571454176.html

 

何故か資本金が巨大な企業ほど税率が低い。

 

結局のところ国民は高い消費税をとられ、所得は累進課税、そして中小企業の実質的な税負担割合は大企業よりはるかに高い。

 

なぜ、資本金の多い企業のみ税制で優遇されているのだろうか。

富は、上から下へと流れるので上に位置する大企業は保護すべきとでもいうのだろうか。

しかし、その富は下へと流れず結局は内部留保となる。

 

日本の大企業の利益団体である経団連。

彼らが政権与党と長年蜜月であるからこそ、これほどまでに利益を得る事が出来るのである。

 

そして、そのツケは結局国民に回ってくる。

 

ピンクの政策には、当然法人税の累進課税化も入っている。

 

 

 

法人の現行実質負担税率や、福島原発事故で国民が負担する事になった11兆819億円【朝日新聞 2014年6月27日】、目を凝らせばその他にもこの国の社会システムの不条理は見えてくる。

 

ピンクはそれらを「社会なんてそんなもんだろ」

 

と放置する事は決してない。

 

それらの社会的問題を具体的な数字を上げて可視化し、正面から戦いを挑む。

 

彼らの発するいわゆる弱者救済的なメッセージは、何のために国家が存在しているのかを考えさせれられる。

 

私たち人間の文化や科学技術、社会システムは何のために進化したのか。

 

何の為に人類は、法という秩序の中で生活し、税を払い、人権という概念を用いる事を選んだのか。

 

国家というものが個人に過剰な自立を促し、福祉と距離を置くのであればその存在意義は何のか。

 

それらの事は個人の価値観に委ねられるものであるし、それこそ個人個人が選挙でそれを表明すべきものなのだろう。

 

彼らピンクの目指す理想は、現在は空文となっている憲法25条の生存権、

 

~すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する~

 

これを具現化した誰一人経済的に困る事のない福祉国家の実現だ。

 

そういった社会を実現するのは、現実的には険しい道のりだ。

 

少子高齢化が進むこの国で財源をどうするか等、色々と超えるべきハードルはある。

 

しかし、この国が置かれている現状で、それを本気で目指している政党がある事が何よりも価値がある事だ。

 

ちなみにピンクは、積極的に支出を行い経済拡大を目指す経済政策、即ち積極財政を掲げている。

 

そして、それが出来る根拠として現代貨幣理論(MMT)を提示している

 

これは、正直賛否両論ある理論で私自身は評価する能力を持ち合わせていない。

興味のある方は下記HPを。

 

【現代貨幣理論 メリット・デメリット】

https://say-g.com/modern-monetary-theory-738

 

 

 

ピンクの党首は、2011年の福島原発事故を契機に政治の世界に足を踏み入れた。

 

当時の政府の対応や原発再稼働という大きな大きな社会矛盾、それに対する怒りが彼を政治へと駆り立てた。

 

【カナリアはもう鳴いていない ~原発再稼働の危険性について~ レフトマンblog】

https://ameblo.jp/theleft1/entry-12694852434.html

 

彼や彼らの主張を聞く限り、彼らのエネルギーの全ての源泉は不完全で不平等な社会に対しての怒りにある。

そして、それに気づく気配のない政権与党への強く激しい怒りだ。

 

ピンクは、2019年国会議員を2名誕生させたが、党首自身は議席を失った。

 

その後、議席を失った彼はコロナ禍の町へ出て、ホームレスなどの貧困にあえぐ人達の声を聞き続け、必要とあれば行政の担当に繋いでいったそうである。

 

わざわざこんな地味な仕事をする政治家がいるだろうか。

 

父親が政治家だったから

東大出の官僚出身だから

大先生の従順な秘書であったから

 

そんな人種が政治家となり、国を動かすのにはもう飽き飽きした。

つまらない事この上ない。

 

少なくともピンクは、先の参院選で障がいを持った国会議員を2人も国会に送り込んだ。

いわゆる当事者の国会議員だ。

なんらかの社会的問題の渦中にいる人間が国会議員となり、制度を変えていく。

 

なんと効果的な民主主義の使い方だろうか。

 

2022年7月参議院選挙。

 

テレビでロシアの有名な反政府系のジャーナリストがこう言っていた。

「あの時が、ロシアの現在の運命を決定づけた。」

「あの時」がいつで、どんな事が起こったのかは覚えてはいない。

 

この先3年間衆議院が解散しなければ国政選挙はない。

ウクライナ侵攻に乗じて政権与党のタカ派の人間達が好き勝手な事を言っている。

 

この夏の電力不足に乗じて原発を動かそうとしている政治家もいる。今年3月の地震で東京電力管内の火力発電所が大きなダメージを受けて数か月停止した。直近の地震で火力発電所がダメージを受けたのに原発を動かす?

 

正気の沙汰ではない。

 

休止している火力発電が多くあるのだから、それらを動かすのがまともな判断ではないのか。

 

この選挙で与党が大勝すれば、今後3年間彼らのやりたい放題だ。

 

この先振り返った時に2022年の7月10日が「何か」の「あの時」でなけば良いと思う。

 

 

 

ところで、こんなにめんどくさいblogを読んでくれているあなたが、どこのどなたかは存じ上げない。

 

見知らぬ人だろうか?

 

それとも私から直接SNS等でblogを送り付けられた気の毒な人なのだろうか?

 

どちらにせよ感謝したい。

 

長々とお付き合い頂きありがとうございました。

 

そして、ついでに図々しいお願いが一つある。

 

もしあなたがピンクこと山本太郎率いる「れいわ新選組」の以下の主張に少しでも共感して頂けるなら、選挙区でれいわ新選組の候補者に票を入れて頂き、比例区の選挙用紙に「れいわ」と書いて頂きたい。

 

【以下HP、YouTubeチャンネル】

(1) 政治は変えられる_山本太郎(れいわ新選組代表・衆院選2021 比例東京)街頭演説集 - YouTube

 

TOP - れいわ新選組 参議院議員選挙 2022 (reiwa-shinsengumi.com)

 

そして、更に更に大事なお願いがもう一つある。

 

東京選挙区で出馬している党首山本太郎が当落線上にいてピンチらしい。

 

おニャン子クラブの勢いがすごいらしい。

 

だから私もこんなblogを書き、こんなお願いをしている。

 

なんとか東京に住んでいるあなたの友人や知人に、このblogやれいわのHPやYouTubeを拡散して頂き、山本太郎とれいわ新選組への投票を呼び掛けて頂けないだろうか。

 

このままでは、怒れる市民政党の小さな小さな灯が消えてしまう。

 

 

 

あなたの力が必要だ。

 

 

 

2019年参院選挙 【れいわ新選組】 | レフトマンのブログ (ameblo.jp)

 

「はじまり」の始まり【れいわ新選組】 | レフトマンのブログ (ameblo.jp)

 

山本太郎論 | レフトマンのブログ (ameblo.jp)