「最近みんなオンダリフトを受けているけど、私も受けられるかな?」
「オンダリフトは痛みが少なくて効果も良いって聞いたけど…」

 

最近、オンダリフトが流行っています。

リフティングに興味がある方の中には、「流行っているから」と施術を検討される方も少なくありません。

 

しかし、すべての顔にオンダリフトが最適というわけではありません。

 

皮膚の厚さ、脂肪の分布、弾力層の状態によって、適合度は大きく異なります。

今回は、安易にオンダリフトを受けてはいけない理由を解説し、
自分の顔にオンダリフトが効果的かどうか判断できるようにします。

 

 

1. オンダリフト、原理を正しく理解すれば答えが見える

ONDA(オンダ)は、マイクロ波(Microwave)を用いた高周波リフティング機器です。

皮膚内の脂肪層と真皮層を同時に刺激し、
熱によって脂肪を収縮・減少させ、コラーゲン再生を促進する仕組みで動作します。

つまり、

  • 崩れたフェイスラインの整頓

  • 重めの頬の脂肪の減少

  • 皮膚の弾力回復

の3点に特化した施術です。

 

まとめると、ONDAは「リフティング」というよりも
「フェイスライン整形+スリミング」に特化した施術と言えます。

 

 

2. オンダが『合う顔』の条件

 

結論から言うと、以下の3つの条件を満たす場合、オンダの適合度は非常に高いです。

 

 

単に「頬の脂肪がある/皮膚が厚い」だけで判断するのではなく、
組織構造とエネルギー伝達特性を合わせて見るとより明確です。

 

以下、ONDAの効果を最大限に引き出せる3つのタイプを解説します。
自分がどのタイプに当てはまるかチェックしてみてください。

 

① 顔に脂肪層が十分にあり、皮下脂肪が下方にたるんでいる場合

< 適合ケースまとめ >

  • 頬の脂肪が多く、顔が重めにたるんでいる

  • 深頬脂肪パッド(submalar fat pad)が下に移動している

  • 顎下の脂肪が広がり、フェイスラインが崩れている

 

オンダはマイクロ波を通して、皮膚表面から約7〜12mmの皮下脂肪層まで熱を届けます。
脂肪細胞の水分と脂肪酸鎖が共鳴(resonance)して約45〜55℃の熱が発生し、
脂肪細胞膜の破壊および収縮(fat cell shrinkage)を誘導します。

同時に、脂肪層を支える繊維中隔(fibrous septa)が収縮し、

真皮下部のコラーゲン束が再配列されてフェイスラインが整います。

 

つまり、皮下脂肪が十分にあることが、エネルギーを均等に分布させ、
皮膚表面を刺激せずにフェイスライン改善を可能にします。

 

Reference: Nisticò et al., J Cosmet Laser Ther, 2021(皮下脂肪層が十分な被験者で脂肪収縮と輪郭改善効果有意味)

 

 

② 真皮の厚みが1.5mm以上で弾力線維が残っている場合

< 適合ケースまとめ >

  • 皮膚が厚くて弾力が残っている30〜40代

  • ヒアルロン酸注入や脂肪移植で真皮層が安定している顔

オンダは脂肪層だけでなく、真皮下層(dermal reticular layer)にも熱を拡散させ、
コラーゲンリモデリングを促します。

  • Coolwaves™技術は皮膚表面を冷却しつつ、真皮〜脂肪層の境界部に選択的熱蓄積(selective heating)を起こし、
    タイプI・IIIコラーゲンとエラスチンの再生を促進します。

  • 皮膚が薄すぎる場合(≤1.0mm)、または弾力線維が失われている場合、
    熱分布が不均一となり、効果が低下する可能性があります。

Reference: Bacci et al., J Cosmet Dermatol, 2020(皮膚厚1.5mm以上でコラーゲン再生効果が有意に高い)

 

③ フェイスラインが丸く、脂肪層が広く分布している場合

< 適合ケースまとめ >

  • 丸い顔で、脂肪が広く分布

  • 角ばらず曲線的なフェイスライン

オンダは熱拡散半径が約2〜3cmと広めです。
曲線的なフェイスラインではエネルギーが均等に分布し、頬骨〜頬〜顎ラインが自然につながる顔ほど、効果が安定します。

角ばった脂肪が薄い顔では、エネルギーが局所的に集中し、凹み(pitting)や非対称反応が生じることがあります。

 

Reference: Giardini et al., Skin Res Technol, 2021(曲線的フェイスラインで熱分布が均等、リフティングライン改善が高い)

 

 

3. オンダリフトが『合わない顔』 — 組織学的観点から見た3つのケース

 
 

テイアクリニックでは、効果が確実に出せる施術のみを推奨するため、
来院される全ての方に顔分析を行っています。

 

オンダリフトを推奨しないケースは以下の通りです。

 

 

① 皮下脂肪が薄い、または脂肪層がほとんどない顔

< 注意ケース >

  • 頬の脂肪が少なく、頬骨・顎下がこけている顔

  • 体重減少後に顔のボリュームが減った場合

  • 40〜50代以上で脂肪層が萎縮している顔

オンダは皮下7〜12mmの脂肪層を直接刺激します。
しかし、脂肪層が薄い場合、エネルギーが吸収されず、真皮や筋膜層(SMAS)に過度に到達する可能性があります。
 
 

その結果、

  • 脂肪がさらに減り、ボリュームロスを引き起こす

  • 表面温度上昇で熱性紅斑・微小浮腫・皮膚感作のリスク

  • 重度の場合、皮膚表面の凹凸(pitting, contour depression)が生じる

つまり、オンダは「脂肪があるとき」に作用する機器のため、脂肪が少ない/顔が痩せている方には不要な損失を生む可能性があります。

 

Reference: Bacci et al., Lasers Med Sci, 2018(皮下脂肪が薄い被験者では脂肪収縮効果の代わりに真皮過熱・ボリュームロスが報告)

 

 

② 真皮層と筋膜(SMAS)のたるみが主な問題の顔

< 注意ケース >

  • ほうれい線、顎下のたるみが目立った顔

  • 皮膚は厚いが下垂が顕著な40代以上

  • 「弾力回復」を目的とするリフティング希望する場合

つまり、オンダの主要ターゲットは脂肪層であり、真皮下部まで熱は拡散しますが、
筋膜層(SMAS、約4.5mm以下)には十分に届きません。

 

そのため、以下のような顔ではONDA単独でのリフティングには限界があります。

  • 頬骨下や顎ラインの構造的下垂(SMAS laxity)

  • 口元・法令線・マリオネットラインなど真皮-筋膜複合下垂

 

この場合:

  • 超音波(Ulthera、リニアウルセラ、チタニウム)等の筋膜層リフティングを併用

  • ONDA単独ではフェイスライン整形は可能でも、皮膚の引き上げ効果は限定的

Reference: Grippaudo et al., Aesth Plast Surg, 2022(SMAS下垂型顔ではマイクロ波リフティングの限界、筋膜刺激併用でリフティング効果が維持)

 

③ フェイスラインが角ばり、脂肪層が不連続な顔

< 注意ケース >

  • 頬骨が突出、下顎角が発達した顔

  • 二重顎はあるが顎下脂肪層が狭い

  • 顔が角ばっており脂肪分布が不均一

オンダの熱拡散半径は約2〜3cmで、曲線的フェイスラインで均等に広がることが前提です。

しかし、

  • 頬骨が突出したタイプ

  • 下顎角が発達したタイプ

  • 顔が角ばっているタイプ

この場合は脂肪層が不連続で、エネルギーが不均一に蓄積されます。

結果、

  • 部分的に過熱 → 痛み・紅斑・微小浮腫

  • 他の部位は反応不足 → 非対称改善

  • 長期的には熱損傷後の脂肪再分布(irregular contour)の可能性

Reference: Giardini et al., Skin Res Technol, 2021(脂肪層連続性が低い顔ではONDA熱分布不均衡リスク2倍以上)

 

4. 結論まとめ

オンダは以下の方におすすめです。

  • 顔が丸く、頬の脂肪が多い

  • 脂肪で崩れたフェイスラインを整えたい

 

一方、以下に当てはまる場合は他の選択肢が望ましいこともあります。

  • 皮膚が薄くこけている

  • 弾力層自体が弱い場合

  • たるみが深くフェイスライン崩壊が顕著

つまり、

🔍 「顔のたるみの原因が脂肪なのか、筋膜なのかを見極めること」

これがオンダリフト適合のポイントです。

 

オンダリフトが適合する顔に正しい方法で施術を行えば、以下の効果が期待できます。

  • 施術直後:フェイスラインのタイトニング、肌質改善

  • 1〜3か月:脂肪収縮とコラーゲン再構築が本格化

  • 6か月:リフティングライン安定化

  • 平均持続期間:6〜9か月

通常、2〜3か月間隔で3回以上施術するとVラインが安定し、維持力も長くなります。

 

 

テイアクリニックに通う方ならご存知かと思いますが、
大事なのは「ただリフティングを受けること」ではなく、

自分に合ったリフティングを受けることです。

 

結局、リフティングの核心は「自分の顔がなぜたるんだのかを知ること」です。
脂肪が下がったのか、弾力が落ちたのか、ボリュームが減ったのか。

 

原因を区別しないリフティングは、最終的に「効果なし」で終わることが多いです。

 

オンダリフトがあなたの顔に合う最初の答えになるか、
テイアクリニックでの相談と診察で正確に確認してみてください。

 

テイアクリニックでは単に「流行のリフティング」を勧めることはありません。
顔の構造分析を通じて、自分に最適なリフティングの組み合わせを提案することが本当の始まりです。

 

 

こんにちは、TheiAクリニック院長のキム・ゴンヒョン院長です。
 

リフティングやアンチエイジングの相談の際に、最も多く話題になる部位のひとつが「ほうれい線(法令線、nasolabial fold)」です。


多くの患者様が「ほうれい線のせいで疲れて見える」とお悩みですが、
「施術を受けても改善しなかった」という声も少なくありません。

その理由は
ほうれい線は単なる「シワ」ではないからです。

 

1.「効果がない」と言われる理由(ほうれい線治療の失敗例)

 

今日は、なぜほうれい線が単なる皮膚のシワではないのかを具体的に見ていきましょう。
効果が目立たないケースは大きく次の2つに分けられます。

 



ケース1:たるみや筋肉構造を無視してフィラー(ヒアルロン酸)注入だけを行った場合


ほうれい線ができる原因は人によって異なります。
それを考慮せず、単に“シワを埋める”だけの施術を行うと、根本原因が解決されないため
時間の経過とともに再び線が目立ってしまう可能性が高いのです。


ケース2:フィラーなしでリフティングだけを行った場合
 

リフティングのみで改善できる方もいますが、
表情筋の動きや先天的な靭帯構造によってほうれい線が形成されるタイプでは、
リフティングだけでは不十分で、フィラーを併用しないと効果が出にくいことがあります。


つまり、原因分析のないまま行うフィラー治療は“その場しのぎ”であり、
結果として満足度の低下につながってしまいます。



2. ほうれい線は「単なるシワ」ではありません(ほうれい線の原因)

 

では、自分のほうれい線を改善するためにはどんな施術を選べばよいのでしょうか?
まずはその仕組みを理解することが大切です。


私たちが「ほうれい線」と呼んでいる部分は、
実は皮膚が折りたたまれてできたシワ(wrinkle)ではなく、
組織と靭帯構造によって形成される「折れ線(fold)」なのです。

 

 

ほうれい線が深く見える主な原因は3つあります。
 

ボリュームの下方移動
頬(アップルゾーン)や深部脂肪が重力と加齢により下がることで、
ほうれい線の下側が相対的にへこんで見えます。


靭帯構造の固定性
中顔面には動かない固定靭帯(retaining ligament)が存在します。
上から下がってくる組織がその固定点にぶつかることで、
境界線としてほうれい線が現れます。


脂肪パッドの再配置
顔の脂肪は層状に分布していますが、
ある部分は萎縮し、ある部分は下に集まることで影と陰影が生じ、
結果としてほうれい線が強調されます。


つまり、ほうれい線は“皮膚の老化”だけでなく、
顔の解剖学的な構造変化によって起こる現象なのです。

より詳しいメカニズムを知りたい方は、次の章をご覧ください。
(TheiAクリニックでは実際にこのような深い分析を基に施術を設計しています。)

 

 

3. TheiA AI分析:ほうれい線は「結果」でしかない(ほうれい線診断)

 

TheiAでは、ほうれい線を単なる「ライン」ではなく、
多層的な顔の構造変化の結果として捉えています。

 

Type 1. 上下ボリュームの不均衡タイプ

 

メカニズム
 - 上部(頬骨・前頬・深部脂肪:DMCF/SOOFなど)と下部(nasolabial fat・上唇周囲脂肪)の間には、
    異なる動きを持つ層と靭帯(zygomatic・nasolabial retaining ligament)が存在します。
 - 上部が下がる、または下部が相対的に膨らむことで段差が生じます
 - その段差がほうれい線の影を強めます。

 

視覚的特徴
 - 光が上部にハイライト、下部にシャドウを作るため、明暗差が強くなり、同じ深さでもより深く見えます。

 

治療ポイント
 - 上がへこみ、下が残っている場合は、ほうれい線だけ埋めると重たい印象になります。
 - 上部ボリュームの回復 → 必要に応じて少量のほうれい線補正、という順が安定的です。

 

Type 2. 前頬・深部脂肪の下垂タイプ

 

メカニズム
 

 - 加齢により中顔面の支持構造(靭帯・隔膜)がゆるむと、深部頬脂肪(ディープチークファット)や前頬の脂肪パッドが
   重力ベクトルの方向へと滑るように下方移動します。

 - 一方で、nasolabial crease(ほうれい線部)は、靭帯や骨膜への付着(特にピリフォーム付近)によって比較的動きの少ない
   固定点として残ります。

 - その結果、可動性のある上部組織固定された下部境界部に流れ落ち、境界に「巻き込まれたボリュームの段差(ロール)」が
   形成され、その直下には相対的な影のくぼみが生じます。

なぜ深く見えるのか(視覚効果)

 - 上から流れ落ちたボリュームが境界部に小さな丘を作り、そのすぐ下がへこみとして見えるためです。

   この明暗の差がカメラや肉眼で“エッジ(輪郭線)”として強調され、ほうれい線が実際よりも太く・深く見える要因となります。


治療ポイント
 - このタイプはリフティングが必須です。リフティングなしでフィラーを足すと、下重心の鈍い印象になります。
 - まずリフティング → その後に必要最小限のフィラー補正が理想的です。

 

Type 3. 皮膚弾力低下+表情シワ複合タイプ

 

メカニズム
 

 - 皮膚の弾力(エラスチン/コラーゲン)の低下は、皮膚の復元力を減少させ、クリープ現象(伸びたまま戻りにくい状態)
 
引き起こします。その結果、笑ったり話したりする時にできる動的シが、次第に静的シワ(常に残るシワ)として固定され
  やすくなります。

 

 - 中顔面の軟部組織が下方へたるむ下垂ベクトルは、ほうれい線の走行方向(剪断方向)と一致し、
   シワの「固定化」をさらに助長します。

 

 - 表情筋(大頬骨筋・上唇挙筋・鼻筋・口輪筋など)の反復収縮は、ほうれい線の境界部分に応力集中を生み、
   弾力の低下した皮膚ではその「記憶効果」を強める原因となります。

なぜ深く見えるのか(視覚効果)

 - 無表情でも残る折れ線(動的→静的への移行)に、下垂ベクトル方向の持続的な圧痕が重なることで、

   微細な明暗が常に残ります。そのため、写真でも実際の顔でも常にくっきりとしたラインとして認識されやすくなります。

臨床的示唆

 - リフティング(張力の再分配)再生治療(PRP/コラーゲンブースター/フラクショナルなど)による弾力回復が基本です。
   表情による影響が大きい場合は、スキンボトックス
スキンブースター
を併用して、「動的→静的」への移行を防ぐことが

   効果的です。

 

 - 弾力低下を無視してフィラーのみを注入すると、時間の経過とともに
   移動・拡散によって不均一な輪郭やテカリ(光の乱反射)が生じる恐れがあります。

 

 

4. 分析後の治療選択(フィラー vs リフティング)

上で説明した3つのタイプのうち、どのタイプに近いかによって施術方法はまったく異なります。

施術方法の違いを簡単にまとめると、次のようになります。

 

Type 1の場合は、部位ごとのフィラーの容量設計が重要です。リフティングや再生治療は不要なケースが多いです。

Type 2の場合は、リフティング機器で頬の前方部分を引き上げることが優先です。

リフティングとフィラーの併用をおすすめします。または、リフティングを先に行い、その結果を確認したうえで

フィラーを追加する方法もあります。

Type 3の場合は、再生治療やRFリフティング(サーマジ、デンシティなど)によって肌全体のハリを改善することが必要です。
中にはフィラーを使用せず、肌の弾力改善だけで効果を得られる方もいます。

 
 
本日のまとめ
 

ほうれい線治療は、単なる“埋める施術”ではなく、分析に基づくオーダーメイド設計が重要です。

  • ほうれい線は単なる皮膚のシワではなく、顔のボリューム構造と靭帯構造の問題です。

  • 効果的なほうれい線改善のためには、まず解剖学的な原因分析が必要です。

  • 原因を正確に診断した上で、フィラー・リフティング・再生治療の中から本当に必要な施術だけを選択することで、
    満足のいく結果を得ることができます。



 

こんにちは、TheiAクリニック院長のキム・ゴンヒョン院長です。

今回は多くの方が「シミレーザー」でしか知らないBBLについてお話ししたいと思います。
 

 

▶ BBLの原理

BBLは単なる「シミレーザー」として知られていますが、実際には肌全体をケアする精密な光学プラットフォームです。

皮膚科のレーザー治療は大きく分けて4種類あります。
 

  • 皮膚表面を削る アブレイティブ(Ablative)レーザー(CO₂、エルビウム)

  • 真皮を刺激する ノンアブレイティブ(Non-Ablative )レーザー(Fraxel)

  • メラニン・血管色素を直接ターゲットにする 血管・色素レーザー(V-beam、Qスイッチ、ピコ)

  • 複数波長を同時に使える IPL系機器

この中でIPLはさまざまな肌トラブルに対応できますが、精密さに限界がありました。
それを改善したのが BBL(BroadBand Light) です。
 
  • 目的(メラニン、血管、コラーゲンなど)に合わせて波長を細かく調整

  • 出力の安定性が高く、安全性と効果の予測が可能

  • 様々なモードで色素・赤み・ハリ・アンチエイジングをお客様に合わせて管理

 
つまり、BBLは単なる美白レーザーではなく、肌老化や色素を根本からケアする技術です。

※実際のお客様の画像です。事前の同意を得て使用しています。
 
▶ ピコトーニングとの違い
 

最近、色素治療で最も知られているのは ピコトーニング です。
多くの方が経験済みで、「色素治療=ピコトーニング」と思っていることが多いです。

 

しかし、すべての色素がピコトーニングで解決できるわけではありません。

  • ピコトーニング:超短パルスでメラニンを細かく砕き排出する原理。
    深い色素(太田母斑、タトゥーなど)には強みがありますが、赤み・血管・ハリの問題には限界があります。

  • BBL:多様な波長で色素+赤み+血管+ハリを同時に改善。韓国人に多い複合色素や赤み、トーンのムラにも適しています。

原理も効果も全く異なるレーザーです。
 
※実際の患者様の画像です。事前の同意を得て使用しています。
 
「ピコトーニングの代わりにBBLをやる」というより、自分の色素タイプに合った機器を選ぶことが重要です。
 
 BBLのモード組み合わせ ― なぜ重要か? 
 
自分の肌にBBLが適しているかを判断するために重要なのは、色素沈着のタイプ分析です。
美白に関心がある方ならご存知かと思いますが、色素異常には原因とパターンが多様です。
 
  • ホルモン・紫外線による 肝斑型

  • 遺伝的傾向の強い そばかす型

  • ニキビや傷跡による 色素沈着型

  • 赤み・血管拡張を伴う 赤ら顔型

  • 肝斑・シミに加えてハリ低下もある 老化

※実際の患者様の画像です。事前の同意を得て使用しています。
  (色素・赤み・血管)
 
上記のように様々なタイプの色素沈着が存在するため、
ピコトーニングだけを受けるのではなく、診断と分析が先行することが大切です。
 
BBLはIPLやエルビウムグラスを使ったレーザー機器ですが、すべての色素疾患を解決できるわけではありません。
しかし、年齢やタイプに応じて治療が可能という利点があります。
 
BBLには大きく4つのモードがあります。
 
 
 
BBLは機器そのものよりも、医師がどのモードをどのように組み合わせるかで結果が大きく変わります。
 
ケース別の例
 
 
 
 
まとめ
 
自分の顔の色素沈着がどのタイプかの診断や分析なしに治療を受けていた場合、
これまで色素治療を誤って受けていた可能性が高いです。
 
  • 自分の色素沈着タイプを把握する

  • タイプ別に治療プランを立てる

 

BBLは単なる「美白レーザー」ではありません。
肌トーン・赤み・ハリ・老化まで同時に管理できるプラットフォームであるため、
正しく理解して、適切に受けることが効果を最大化するポイントです。

 

ケース別の治療プランの立て方については、次回のコラムでより具体的にご紹介します。

 

Footnotes

1. Chang, A. L. S., Bitter, P. H., Qu, K., & Lin, K. (2013). Rejuvenation of gene expression pattern of aged human skin by broadband light treatment: A pilot study. Journal of Investigative Dermatology, 133(2), 394–402.

https://doi.org/10.1038/jid.2012.295

2. Lee, S. J., & Cho, S. B. (2017). Constant motion delivery of broadband light energy for skin tightening in Korean patients: A case report. Journal of Cosmetic and Laser Therapy, 19(1), 55–58.

https://doi.org/10.1080/14764172.2016.1229679

3. Wu, D. C., Goldman, M. P., Sadick, N. S., Weiss, R. A., Kilmer, S. L., & Pozner, J. N. (2023). Combination of broadband light and a novel fractional 1927 nm thulium laser for the treatment of photoaging and pigmentary disorders. Lasers in Surgery and Medicine, 55(1), 52–61.

https://doi.org/10.1002/lsm.23552

こんにちは。 AIを活用した施術を研究しているキム・ゴンヒョン院長です。

今回のコラムでは、「サーマクールを600ショット受けたのに、あまり効果を感じませんでした」という口コミを中心に、
サーマクールの施術は単品で十分なのか、それとも他の施術との併用が必要なのか、というテーマについて深く掘り下げていきたいと思います。


 

▶ サーマクールの原理:真皮コラーゲンのリモデリング


サーマクールは高周波(RF)エネルギーを皮膚の深部まで届け、真皮層のコラーゲンを刺激・収縮・再生させる機器です。

熱エネルギーは約3.0〜4.3mmの深さまで浸透し、真皮内のコラーゲン線維に直接的な収縮効果をもたらします。
その後、数週間〜数か月にわたり新しいコラーゲンの再合成が行われます。


このメカニズムにより、皮膚は徐々に「ハリ」を取り戻し、肌質改善・毛穴の引き締め・小ジワの軽減などの効果が期待できます。

ポイント:皮膚を上から引き締める点
つまり、構造的なリフティングというよりは、真皮の密度回復や肌質改善に近い施術です。


▶サーマクールの適応対象は?

サーマクールは「リフティング機器」として知られていますが、実際には真皮層の弾力低下、肌質低下、表面のたるみなど、比較的浅い層の悩みの解決に強みを持っています。

  • 皮膚が薄く、たるんでおり、密度が低下している場合

  • 皮脂腺や角質構造のバランスが崩れ、毛穴が目立つ場合

  • 軽度のたるみや小ジワが広範囲に分布している場合

このような肌には、「コラーゲン再配列」を中心としたサーマジが非常に適しています。
(実際にサーマクール施術を受けられた患者様の症例で、事前の同意を得て使用しております。)



一方で、ボリュームが大きく、重力による下方向への移動が顕著な顔型
(例:頬の前側がふっくらしてたるんでいる場合、あごのたるみ)には、構造的リフティング(HIFU、糸リフトなど)を併用することで、より効果を補うことができます。

つまり、サーマクールは弾力や肌質の改善を中心とした悩みに適していますが、フェイスラインや中顔面の下垂を主とする顔には限界があります。

これは、すでに症例研究によって実証されている事実です。
[Cf. Alster & Tanzi, 2005; Jung et al., 2018(サーマクール適応群分類の研究)]

▶ サーマクール施術レビュー分析

他院のレビューを見ると、「あまり変化を感じなかった」「効果が一時的だった」といったフィードバックが繰り返し見られます。
その理由の多くは、適応群の未選別、出力設計の誤り、併用施術不足によるものです。

① 適応群の未選別
サーマジは真皮層のコラーゲン密度や肌質改善に効果的な機器ですが、構造的リフティングが必要な顔型には限界があります。
 

  •  皮膚が過度に薄い場合:エネルギーが均一に伝わらず、痛みが過度に発生したり、効果が不十分になる可能性があります。
  • 脂肪が厚く弾力が低下している場合:RFが表層真皮にのみ留まり、SMASや脂肪層のたるみが主原因の患者には効果が低くなります。
  • 頬骨が広く、前頬がくぼんでいる顔型:顔の上下のボリュームバランスを整える構造的調整が必要な場合、サーマジ単独の効果は限定的です。

② 出力設計の誤り

単純に「ショット数が多ければ良い」という考えは誤解です。
高出力設計なしに広範囲に分散されたRFでは、密度のある反応を作ることは難しいです。

  • 同じ600ショットでも、高出力(レベル4.3以上)で集中照射した場合と、低出力で広く分散した場合では、皮膚反応やコラーゲン生成に大きな差があります。

  • 皮膚の厚さに応じた出力調整をせずに一律照射すると、薄い部位は過剰刺激、厚い部位は無反応という結果になることがあります。

  • 既存の多数の研究でも、単一パス高出力より、複数パス中出力の方がより効果的であることが示されており、このようにプロトコル設計の精密さが施術効果を左右します。
     

③ 併用施術の不足
サーマクール単独で改善できる範囲には限界があります。
特にフェイスラインの崩れや中顔面の下垂を伴う場合、併用施術なしでは次のような制約があります。

 

 

  • 顎のたるみ:高周波だけでは靭帯層のリフティングは困難 → ウルセラ/糸リフトとの併用が必要

  • ほうれい線:真皮のテンションだけではほうれい線の影は改善されない → ボリューム補強の併用を検討

  • 前頬・深部頬のたるみ:サーマクールは皮膚を「引き締める」ことに重点 → 「引き上げる」施術の併用が効果的

実際、いくつかの研究でも、1回治療群では効果が限定的であったものの、2回治療または併用治療群では、顎ラインや頬骨下方のリフティング効果が統計的に有意に向上した結果が報告されています。


また、コラーゲン再形成が完了するまでに最低でも4〜12週間の待機期間が必要なため、即時リフティングを期待して施術後1〜2週間で結果を判断すると、失望する可能性が高いです。


整理すると以下の通りです。

  • 皮膚の厚さが過度に薄い、または脂肪層が厚い場合 → エネルギー伝達の深さに不均衡が発生

  • 顎やほうれい線を中心に構造的に崩れた顔 → 真皮刺激だけでは輪郭変化を誘導できない

  • ショット数は十分であったが、高エネルギー集中設計がなく分散照射 → 密度不足
     

▶ Theia Insightによる併用施術の設計方法



テイアのAI分析システムは、サーマクール単独施術の効果の限界を克服するため、以下のような定量的分析に基づき併用施術を設計します。

 

  • 皮膚の厚さ/真皮の弾力/表皮構造 → サーマクール適合性の判断

  • 脂肪層の厚さおよびボリューム下垂パターン → ウルセラ・糸リフトの併用の可否決定

  • 輪郭線の曲率、顎ラインの歪み → 併用施術の優先順位設定
     

 例

前頬の弾力低下 + 顎ラインの構造的下垂 → サーマクール + ウルセラ併用

肌質低下 + 毛穴目立ち → サーマクール + ニードルRF または PRP併用

さらに、AIは既存の施術履歴と反応データに基づき、個別にショット数・出力・治療周期の推奨も可能です。

* これは顔の特性や希望する効果によって変わるため、個別のカウンセリングと診断が必須です。

 

結論まとめ

  1. サーマクールは真皮中心の弾力改善と肌質改善に効果的で、薄い肌や小ジワ中心の顔に適しています。

  2. ボリューム下垂、輪郭線の崩れなど構造的リフティングが必要な場合は、併用設計が必須です。


こんにちは。 AIを活用した施術を研究しているキム・ゴンヒョン院長です。

本日から、皮膚科に通っている方や、これから行こうか悩んでいる方が 最も気になる質問について、順に取り上げていこうと思います。

施術を検討する際、まず価格が気になるとは思いますが、 結局のところ 「この施術が自分に合っているのか」「望む効果が得られるのか」が重要です。

 

患者様と1:1でカウンセリングをしていると、 本質的な質問は結局
「この施術、私に本当に効果ありますか?」
にたどり着きます。

 

クリニック側としては、当然「効果がある」と言うでしょう。

 皮膚科に通った経験がある方は、今まで 「これは効果が良い」「最近はこれが流行」 といった話を聞いて施術を受けてきたと思います。
 

多数の患者様とカウンセリング・施術をしてきた中で、 私は疑問を抱くようになりました。

「なぜ私たちは、生活習慣や肌状態が異なるお客様に、いつも同じ施術を提案してきたのか?」
 

今回の最初の施術テーマは、 リフティングで最も有名な「ウルセラ」です。

 

「ウルセラにお金をかける価値はあるのか?」

この質問について、実際のカウンセリング経験を基に整理してお伝えします。

気軽に読んでいただいて構いませんが、 長い説明が苦手な方は「4. 結論」だけ読んでも十分です。

 


1.ウルセラの原理と効果

 江南駅を歩いていると、ウルセラの広告を一度は見たことがあるでしょう。 

なぜ皆が「ウルセラ!ウルセラ!」と言っているのかは、以下の図で説明できます。
 

ウルセラの効果は次のようにまとめられます。

 

"ウルセラは皮膚の下を引き締める"

「リフティングって、こうやって引っ張ってくれるものでしょう?」 実は、それは半分正しく、半分間違っています。

リフティングとは、目に見える効果を指す言葉に過ぎません。

ウルセラはHIFU(高強度集束超音波)技術を使用し、 皮膚の4.5mmの深さにあるSMAS層までエネルギーを届けます。

この層に熱凝固点を正確に作り出し、 コラーゲンリモデリングと同時に収縮作用を誘導します。

その結果、肌が"キュッと引き締まったような"リフティング効果が現れます。

簡単に言えば、 顔の皮膚を支えている構造物(SMAS層)に刺激を与えて、これを収縮させるのです。

 

2.ウルセラに適した顔の特徴

ここからが重要な質問です。
「ウルセラは誰にでも合う施術なのでしょうか?」

答えは…
「いいえ、そうではありません」
 

ウルセラの効果は、個人の顔の構造によって異なります。

項目  説明        適合度
皮膚の厚さ 薄すぎたり厚すぎたりすると、エネルギーが適切に届かない場合がある

脂肪量
    
   脂肪が多いと熱による引き締めよりもボリューム減少に作用しやすい。適切な設計が必要

たるみ具合

  たるみがひどすぎると、ウルセラだけではリフティングに限界あり。軽度〜中等度が適応

年齢帯

30〜50代前半が適応範囲。それ以降は他の施術との併用を検討

輪郭構造

顔の輪郭がなめらかでバランスの取れた場合に効果が際立つ

 

 

(診断プログラム画面)

 

 

3.口コミの分類:効果がなかった理由は?

 多くの方がこうおっしゃいます。

「他のクリニックでウルセラを何ショットも受けて、痛みも我慢したのに、全然効果がなかったです」

このような口コミが出る理由は、主に2つあります。
 

1)顔の特徴的に適さなかった場合
  
皮膚の厚さ、脂肪量、たるみ具合を見たときに、

 実はウルセラ600ショットよりも「オンダリフト120kj」の方が効果的なこともありますし、 ウルセラ900ショットだけよりも、ウルセラ600+サーマクール300の方が効果的なこともあります。

これらを考慮せずに、ただ「ウルセラがおすすめ」とだけ言われて施術を受けると、 上記のような残念な結果になります。
 

2)施術デザイン(プラン)が間違っていた場合
多くのクリニックで「オーダーメイドです」「デザインしてます」と謳っていますが、 実際には適切な施術が行われていないケースもあります。

ウルセラに関しては、以下のプロセスを経ているか確認すれば、 「本当にカスタムメイドかどうか」が分かります。

ウルセラなどのHIFU機器による施術は、 3段階に分けてプランを立てる必要があります。

これはウルセラ製造元であるMerz社が提唱している公式プロトコルでもあります。
これを無視して施術が行われると、 同じ費用を払っても効果が出にくい結果になります。

 

[出典:Merz Aesthetics Korea]

 

効果が出る部位別の平均ショット数は以下の通りです。
 

STEP1. 顔の部位ごとのシワ・たるみ測定と集中部位の設定

全体の改善を望む場合、どの部位の改善が重要か判断する必要があります。

例えば、「ほうれい線を改善したい」という場合でも、 単にほうれい線にエネルギーを当てるのではなく、 それに関係する頬の部位や深部の部位にショット数を割り当てることが重要です。

STEP2. 顔の部位ごとのショット数の配分

 

集中部位が決まったら、 各部位ごとの必要ショット数を算出し、 それらを合計して必要な総ショット数を導き出します。

 

STEP3. 顔の部位ごとのターゲット深度の設定

 

皮膚の厚さに応じて、1.5mm、3.0mm、4.5mmのチップを使って施術を行います。

これは部位によっても異なりますが、 個人の先天的・後天的な皮膚の厚さや脂肪量によっても決まります。

このプロセスを経てこそ、本当のオーダーメイドと言えるでしょう。
 

「数ヶ月経ったら元に戻りました」

1回で永遠に若返る施術は、 残念ながらまだ存在しません(技術的に可能なら私が最初に開発したいくらいです)。

現実的に言えば、 皮膚科施術は「定期的なケア」です。
 

ウルセラは皮膚科施術の中でも持続期間が長い方で、 通常、6ヶ月〜1年に1回のペースが推奨されます。

ですが、これは誤解です。

6ヶ月〜1年というのは、研究上の「平均的な持続期間」です。

関連論文を見てみると



 

施術を受ける人や施術者によって、持続期間は異なります。

つまり、自分にとっては持続期間が短い場合も長い場合もあるのです。

現在、ウルセラが自分に適しているかは「Theia Insightプログラム」で判断可能ですが、 持続期間の正確な予測は難しいのが現状です。
 

1:1カウンセリングで直接お会いできれば、 これまでの施術歴や顔の状態を見て、 大まかなウルセラの施術サイクルについてご相談可能です。

ですが、それを統計的に有意な予測アルゴリズムにするのはまた別の話です。


【結論】

  1. カウンセリングを受けてすぐウルセラを決めるのではなく、自分に適しているかを確認する!

  2. 適しているなら、自分の顔に合った施術デザインで受ける。適していないなら、他の施術との併用や代替施術を検討する。

  3. 1週間後・1ヶ月後・3ヶ月後の変化を観察する。

  4. リフティングされた顔が、あなたの新しい顔になる。

    ぜひ、TheiAクリニックでAi肌診断を体験し、自分に合った施術を「必要な分だけ」ご体験ください。
    TheiAはお客様に「最適な美」をお届けできるよう今後も努めてまいります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

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