メイちゃんが生まれて1ヶ月。
私たちのもとに、海外での仕事の依頼がきました。
中国の美術館での展覧会です。
新人作家の私たちにとっては、またとないチャンス。
しかし、目の前には生後1ヶ月のメイちゃんがいます。
とても悩みましたが、覚悟を決めて、1週間おばあちゃんに預けて、中国へ旅立つことにしました。
この旅で、大変だった事、それは「おっぱい」です。
授乳できず、母乳が溜まり、カチコチに固まるおっぱい。
メイちゃんに会えない寂しさも重なり、心もおっぱいもズキズキ痛みます。
搾乳機で2時間おきにおっぱいを絞らなければならないのですが、通訳のウーさん(日本語が片言の中国人のおじさん)に、「搾乳してきます!」とは言えず、2時間おきに、コソコソどこかに行く私。
かなり不審な人でした。
なんとか展覧会を終え、日本へ帰る日がやってきました。
帰りの飛行機の中で、「子どもに早く会いたいです」とウーさんに言うと、
「ワタシ、子ども産まれてスグ預けて、半年間、世界一周したヨ〜。
子育ても大切。
そして自分の人生も大切ネ〜」
と言うではありませんか。
メイちゃんを置いて行くことに罪悪感があった私たちは、その言葉を聞いて、少しだけホッとしました。
日本に着いたのは真夜中。
家に帰る頃にはもうヘトヘトでしたが、玄関を開けると、それ以上に疲れ切ったおばあちゃんの顔がありました。
こっちはこっちで大変だったんだろうなぁ…。
おばあちゃん、メイちゃん、お疲れ様。
お留守番、本当にありがとう!