「破水した!?」
それは、森の奥深く、廃校になった小学校でのできごと。
私は、学校の先生でも、廃校の管理人でもありません。
出来立てほやほやの新人絵本作家です。
なぜ、そんな所で破水しているのかといいますと、廃校をアトリエにしており、日夜、そこで絵を描いて暮らしているからです。
そのとき描いていたのは『3匹のヤギ』の挿絵でした。
3匹の中で1番大きなヤギを描いてた時、突然、破水したのです。
山を下り、1時間かけて病院につき、すぐさま入院。
はじめての出産の幕開けです。
間も無くして猛烈な陣痛が襲ってきました。
陣痛の痛さとは、人それぞれ表現が違います。
キックボクサーにお腹を蹴られ続けた。
ナイフでえぐられた。
はたまた鼻からスイカ!
…いえいえ、直前まで『3匹のヤギ』を描いていた私は、お腹をヤギのツノで、どしんどしんと突かれ続けたかのような気分でした。
そんな痛みをこらえ、約20時間の壮絶な出産の末、メイちゃんが誕生しました。
これまで沢山の絵本のキャラクターを生み出してきた私達ですが、今回は、ものすごいキャラクターを生んでしまったなぁと、元気いっぱい泣き叫ぶメイちゃんを見ながら、頭をかいたわけです。
第2回へ続く