The black world

The black world -ある人物の生きた証-


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大阪に引っ越してきたタカヒロ一行は、


3LDKの小さなマンションで暮らし始めた。


父親は照明器具を製造する下請け会社の社長を20代にして営んでいた。


毎日徹夜続きで、ほとんど家には帰ってきた記憶がタカヒロには無い。


父親代わりの母親は男3人兄弟を1人で育てていたと言っても過言ではない。


父親の頑張りのおかげで、その時代には裕福な方の生活を送る事が出来ていた。



時は、1981年。


タカヒロは幼稚園に入園した。


その幼稚園はお寺が経営している大きい幼稚園だった。


その幼稚園で初めてタカヒロは集団生活を体験することとなる。


1番記憶に残っているのは、運動会。


現在でもそうだが、必ずと言っていいほど親が出場する出し物がある。


しかし、タカヒロの父親は仕事で来る事が出来ない。


代わりに母親が出場する。


みんなは父親。


子供ながらにうらやましくも思っていたが、


それでも、母親が来てくれたときの喜びも今でも覚えている。


中々着てくれなく、泣きじゃくるタカヒロ。


母親は一目散にタカヒロにかけより


「大丈夫!お母さんが来たからもう泣かないの!タカヒロ」


その母親の額には大粒の汗がたくさん流れていた。


少しでも悲しい想いをさせないために母親も必死だったに違いない。


特に、次男のタカヒロは「愛情」というものを特に欲した。


次男特有のものである。


長男は初めての子なので親は特に可愛がる。


そして次男。


最後に三男。末っ子は特に甘やかされて育つ。


しかも年子になると、それはもっときつきものとなる。


その環境がタカヒロの人格形成に強い影響を及ぼす事となる。


親の苦労とは反発して。

父親の仕事の都合で大阪に引越し。


タカヒロの人生は大阪という独特の個性ある土地で培われる。



タカヒロの父親は変わった人である。


一言で言うと、奇人。


昔から、天才と変人は紙一重というが、


まさにその典型的な人だ。


九州の炭鉱町のド田舎で育った父親は、絵に描いたような貧乏。


しかし、極貧でも勤勉でスポーツ万能で容姿端麗。


女の子からの人気は抜群でお昼ご飯には困らなかった。


頭が良いが少々やんちゃが酷かったらしく、


高校入学当日に停学になるような父親であった。


入学式が始まる前に、高校の先輩に囲まれたらしく、仕方なく校舎裏まで連れて行かれた。


普通なら、袋叩きになるのだが、履いていた下駄で先輩を逆にボコボコにしてしまったのが悪かった。


即効停学。


しかし、その先輩とやらも馬鹿ではないのか、父親はその時代には珍しく身長が180cmもあるのに・・・。



そんな、怖いもの知らずの父親は第2の人生を大阪という独特というか、鎖国というか、


なにわの国で暴れる事となる。


その破天荒な性格の父親を持つ家族はどうなるのか・・・。


タカヒロの人生は大きく「普通」とはかけ離れていく。

1975年11月。


タカヒロは佐賀県小城市で産声を上げた。


その小さな命の誕生を1番に喜んだのは母親であった。




本当は生まれてくることが出来なかった子。




タカヒロの母親は長男を生んだ後、病気で卵巣を1つ摘出していた。


医者には、


「もう子供は諦めてください。」


と、言われていた。


しかし、長男を出産してから5年後、


タカヒロは奇跡的にこの世に誕生することができたのであった。


その1年後、なんと




弟誕生。




3人兄弟。


しかも、タカヒロと弟はそっくり。


写真に写った2人を見ると、両親でさえ、どちらがどちらか解らない始末。


そんな家族5人での生活が始まった。

プロローグ

この物語は、ある男性の「人生」を振り返ったものです。


拙い文章ではありますが、私は誰かに読んでもらおうとか思って書いていくわけではないので


気にしないで下さい。


いわゆる、「自己満足」です。



その男性とは、


どこにでもいそうな人。


そう、貴方のそばや、もしかして貴方自身かもしれません。


どこにでもいそうな人でも、その人生には物語があるのです。



孤独


葛藤


歓喜


落胆



様々な心模様


それが「人生」を大きく変化させるのです。


きっと人生の幕が閉じるとき、


貴方も、振り返る「人生」という1つの「世界」が残されるでしょう。