先日亡くなった患者さん。
亡くなる5日前に、お孫さんが成人式の着物を着て見せに来てくれていました。
一週間前に末梢点滴から皮下点滴に変えたところでした。
がんの末期で、身体はやせ細り皮膚のはりはなく血管も脆くなっていました。
全身が衰弱し、末梢血管の確保が厳しくなり毎日針を刺すことになり、本人にラクな方を選択することになりました。
皮下点滴は、意図的に点滴が漏れた状態にして、ゆっくり吸収させていくことです。
栄養も水分もほとんど入りません。
だから生命を生存させるには不十分ですが、緩やかに死に向かって衰弱させていくことができます。
だから私は、皮下点滴になった日に患者さんの娘さんに言いました。
「皮下点滴にしたら、眠っている時間がながくなっていきます。もし会わせたい人がいたり、話したいことははやめにしておいてください」
「孫の来年の成人式を楽しみにしていたんですが、今週末に連れてきます」
そう言っていたのですが、まさか着物を着てきてくれるなんて思っていませんでした。
患者さんはとても喜んでいたそうです。
患者さんは、その5日後に亡くなりました。
間に合ってよかった。タイミングを逃さなかったな~なんて思いました。
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