病気の末期の患者さんで、延命を望まず家で看取ると決めた家族に対して、医師から言われることがあります。
それは・・・・・
「救急車を呼ばないこと」
なぜなら、救急車を呼ぶということは「命を救ってください」「延命処置をしてください」の意志表示とみなされるのです。救急車で運ばれてきた人に救命治療をしなかった場合、「不法行為」にあたり、最悪の場合は医師免許がはく奪される可能性もあるのが、日本の法律の現状だからです。
「苦しそうだったから何とかして欲しくて救急車を呼んだ」
家族はなにかしてあげたい一心でそう思うかもしれない。
もし救急車を呼んでしまったら、延命処置をされ大切な臨終のときに家族は部屋から追い出され、一緒に臨終のときを迎えられないという結果になりうる。
末期の人を病院は受け入れたがらないので、受け入れ先がなかなか見つからず、隣町や隣の県まで連れて行かれることも大いにある。
だから主治医は言うんです。
「なにか困ったことがあったら、電話してください」
困った症状がでたときは、必ず主治医(かかりつけ医)に連絡しましょう。
もしくは、お世話になっている訪問看護ステーションでもかまいません。
人生の終末には、予想のつかないことがたくさんおこりやす。
だからこそ、助けてくれる医療者や相談にのってくれる仲間を探しておきましょう。
あなたが、大切な人の穏やかな最期を笑顔で看取れることを祈ります。