いまこの船の高さは海抜4kmです。地上と比べてマイナス24℃の気温差があります。

月への到着まであと 384,396km となっております。


~航海日誌・3~


こうして飛んでいると、たったひとりがさみしくなる

こうして駆けていると、だれかとはなしをしたくなる


船の中にはただひとり

船の中には自分だけ


目を覚ますとその現実に目を背けたくなる


なぜだろう

どうしてだろう


宇宙に出るとその暗さに目を瞑りたくなる


なぜだろう

どうしてだろう


となりにあなたがいないから


空を飛び

宇宙を駆け


いまあなたに会いに行く


あなたの待つ

その場所まで

夏も終盤に入り、青空もいっそう色濃くなってきた。


空の青と雲の白のコントラストも強くなる。


あぁ、もうすぐ秋なんだなあ。


そういえば。


セミの鳴く声が聞こえない。


ふと気付くそのときに、いつのまにか夏は終わっている。


今年も夏を教えてくれてありがとう、セミ。


こうして季節はめぐっていく。



    スピッツの「空も飛べるはず」「君が思い出になる前に」を聴きながら。

はじめまして。初ブログです。


ブログ『星屑着陸船』を始めるにあたって、どんなブログにしようかと悩みに悩んだ。


このブログを始めた理由は『ふと思ったことを書き留めておきたい』と思ったから。

それならただの日記を書けばいいだけの話なんだけど。

でも、顔も知らない誰かに伝えたい何かがこれから出てくるかもしれない。

ということでいま何かと話題なブログに手を出す。


最初は日記(整備日記)だけにしようかと思っていた。

でも。日記だけじゃそのときの自分の気持ちや考え方が表現できない。

そう思ったから小説(航海日誌)をつくった。


航海日誌はかなり自己満足の小説になってしまった。いやむしろ小説ですらない。

拙い文章をただただ並べて満足に浸る自分。

ディスプレイの前で満足気ににやける自分。


めっちゃ気持ち悪。


小説っていうよりも詩のような。

知り合いが見たら「アイツ、あんなの書いてるよ。きもっ」なんて言われること間違いない。


少し後悔。


でも、いつも何かしら中途半端になってしまう自分を変えたいから、続けたい。

中途半端にはしたくない。


だから、もっと気持ち悪くなるでしょう。ごめんなさい。


多分、日記・詩(?)・小説の3カテゴリで月へと進んでいくことになっていくと思います。

だから、ここを見てくれた人を楽しませることの出来るようなものを作れるように。


頑張ります。


    スピッツの「P」を聴きながら。

海抜1kmの高さへゆっくりと上昇していきます。

月への到着まであと 384,399km となっております。


~航海日誌・2~


いま、苦しいのは

あなたが遠くに居るから

いま、哀しいのは

あなたが傍にいないから


遠くにいってしまったあなたを想い

もう逢えないあなたへの想い


穴の開いた心へとしまう


僕はひとり

たったひとり

窓から見える景色にあなたを見る


君はいつも

ただいつも

僕ではない誰かを見ていた


いったい誰を見ていたのだろう

いったい誰を想っていたのだろう


あなたへ伸ばしたその手は

なにもない空を掻く


穴の開いた心は埋まらない


いま、泣いているのは

あなたにもう触れられないから

いま、生きているのは

あなたの事が忘れられないから


穴の開いた心は涙を流す

当船にご乗船のみなさま、当船は無事地球を離陸致しました。

月への到着まであと 384,400km となっております。



~航海日誌・1~


今日、夢を見た

いつも隣に居たあの人の瞳は、少し哀しげに見えた

どうしたの、と言おうとしたけれど、どうしても声が出なかった


あの人は、泣いていた

うつむいているあの人の身体は、少し震えていた

大丈夫かい、と訊こうとしたけれど、どうしても声が出なかった


いまあなたは何しているのだろう

いまあなたは誰の傍に居るのだろう

そうして僕は目が覚めた


隣には誰も居ない

あなたの姿はそこにない


ひとりで僕は、生きている