高2くらいの時のやつ
雨
雨は嘘をつかない
嘘は嘘をよくつく
「君は嘘をつかない」
と僕は嘘をよくつく
君のほんとの気持ちは?
テレビを見てわかることなんてもういらない。
そうでなきゃ
あの夕暮れの日に
僕が蛞蝓を殺した理由なんて
君は
解ろうともしないでいるんだろう
「目が濁っているよ」
雨の音に遮られて欲しかった。
「お互い様ね」
本当の君はもういない。そして真人間でさえも。
「君は大人になってしまった」
僕はもう君を救えはしないんだ。
「あら、貴方と同い年よ」
僕は悪戯っぽく笑う悪魔の声を聴いた。
出かけたくもない外に出ようと思えたあの日、
プラットホームには沢山の肉の塊が。
合羽を見送る橋の袂。
ざあざあと滲む酸性の真。
傘と傘の戯れ合い。
そこに嘘なんて一つもなかったと信じよう。