彼と肌を合わせているだけで、ムートンに包まれているみたい。
ももの内側で彼の足を挟むと、それだけでいきそうになる。
我慢できなくなって彼のものがはいってきた瞬間に、中のから温かいものが流れだす。
その時、私にはまだ分からなかった。
自分はヒロキとそんな風に感じられるのだろうかと、
姉の話を聞きながら、ぼんやり思ったりしていた。
その、数日後。
軽いキス、夕方のデートを繰り返してはいたが、ヒロキは自分から要求してくることはなかった。
そのくせに、私が「もう少し一緒にいたい。」などと言うと、例え予定があっても必ず、いいよ、と言って笑顔を見せる。
その日も姉の話を聞いたあとで、もしかしたら、今日、自分にもと、どこか期待していた。
ヒロキの家は古い酒屋で店の隣に、母屋を改装した小さな小屋があって、
実質、一人暮らしだった。
いつまでもそこに入れてはくれないヒロキに「今日はまだ時間があるから、連れていってほしい」
と言うと、やっぱり、いいよ、と言った。
ふたりで部屋にいてもヒロキはいつもと何も変わらず、にこにこしているので、
私から抱いてほしいと呟くと、すっと真顔になって腕を掴まれた。
痛いよ、と言うとヒロキの口で自分の口をふさがれる。
舌を入れられると息をするタイミングもつかめなくなった。
常に穏やかなヒロキのどこにこんな力があったのかと思う。
長く深いキスは20分は続いたのではないだろうか。
頭が熱くなる。自分の口のなかで、自分以外の舌が動いていることに戸惑いながら、ヒロキに体を預けた。