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日弁連はもとより、外国人特派員協会など国内外から廃案を要求され、米紙『ニューヨーク・タイムズ』では異例とも思える社説の中で「反自由主義的で〝下品〟」と痛烈に批判されたことで、世界中に「悪名高き法律」として喧伝された「特定秘密保護法案」が衆議院を通過しようとしています。
◆ Japan's Illiberal Secrecy Law - NYTimes.com
11月11日、このような事態に至って「ようやく」TVジャーナリストたちがこの法案の反対記者会見を開きました。
この行動に対して、フリーランスのジャーナリスト「田中龍作」さんは「遅きに失した」のでは、と報じています。
❝お茶の間でもおなじみのTVキャスターたちが「特定秘密保護法案」に反対する記者会見をきょう都内で開いた。B層に世論形成力を持つTVキャスターたちだが、今となっては遅すぎではないだろうか。
記者会見を開いたのは鳥越俊太郎(テレビ朝日系に出演)、田勢康弘(テレビ東京系に出演)、金平茂紀(TBS)、田原総一朗(テレビ朝日系)、岸井成格(TBS系に出演)、川村晃司(テレビ朝日)、大谷昭宏(テレビ朝日系に出演)、青木理(テレビ朝日系に出演)の8氏。これに2氏を加えた10氏が「秘密保護法案反対」を呼びかけた。
呼びかけ人に加わりたいのだが、局の事情で加わることができないキャスターも相当数いるそうだ〔強調:引用者〕。
記者会見には、日本テレビ(系出演者を含む)、フジテレビ(系出演者を含む)、NHKのキャスターは顔を見せなかった。「なるほど」の不参加だ〔強調:引用者〕。
テレビがバッシングする山本太郎議員は9月頃から「秘密保護法」の危険性を訴えて全国行脚していた。時代に敏感であらねばならないTVキャスターたちが同法に「反対」の声をあげたのは山本議員に遅れること2ヵ月だ。それも審議入りしてから。何とも締まらない話だ。フンドシのヒモが締まらないのは笑って済まされるが、秘密保護法への対応の遅れはシャレにもならない。
「テレビ局がこの期に及んで」の反発もある。新聞社、テレビ局の幹部はこぞって安倍晋三首相と会食している。国民の多くは「マスコミと安倍政権が何か取引をしているのではないか?」と疑っているはずだ。
そんなテレビ局の顔である彼らが、安倍政権が最重要法案と意気込む「秘密保護法」に異を唱えても、「ホントに反対しているんだろうか?」と眉にツバをつけたくなる。
筆者は以上をかいつまんで次のように質問した。「遅きに失したのではないか?」「メディア自身が襟を正すべきではないか?」と。8氏皆に回答を求めたのだが、彼らの口は重かった。特に安倍首相との会食については。
岸井氏は「こんなズサンな法律が通るはずはないと思っていた」と出遅れの理由を説明した。
「(秘密保護法を)使わせないようにすることが大事」と口元を引き締めるのは大谷氏だ。
「メディア不信を利用して(安倍政権は秘密保護法案を)仕掛けてきている。“アンタたち(マスコミ)が悪い”などと言ってる場合じゃない」〔強調:引用者〕。自らもTBS幹部の金平氏は開き直った。
対照的なのは田勢氏だった。「政権とメディアの距離感がおかしくなっている。NYタイムズは“大統領の(単独)インタビューなんてそんな下品なものできるか!”という気風がある。こんな文化を日本も作らなくてはならない」〔強調:引用者〕。
消費税などでは政権の尻馬に乗りながら、自分たちの手足がしばられる危険性がある時だけ反対の声をあげる。マスコミの身勝手な姿がここにあった。
この記者会見の動画が直ぐにアップされたので僕も拝見しましたが、田中龍作さんが指摘した意外にも大変興味深いテレビ局の内部事情が「それとなく」吐露されています。
「別件で官邸から局の方へ大きな圧力がかかっているので、今は特定秘密保護法案どころではない」とか……。
現在の日本のマス・メディアの報道環境が「透けて見えて来る」ような会見なので、皆さんに是非観てもらいたいと思います。