《続報》福島第一原発の停電が復旧……しかし、原発の〝致命的欠陥〟が改めて露わに | Down to the river......

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前回速報した、突発的な停電による福島第一原発の冷却装置の停止が、現在復旧しました。




30時間ぶり復旧・・・福島第一原発冷却施設などの停電(13/03/20)






冷却装置の復旧そのものは、何はともあれ「良かった」ことです。

しかし……。

武田邦彦」中部大学教授が今回の停電からの復旧に関してコメントした次の文章・音声動画を聴くと、忘れかけていた「原発の致命的欠陥」を再認識させられ、唖然としました。

それは何か?

一度原発が事故を起こすと、放射能被曝の影響で「誰も原子炉に近づけなくなる」ことです。

これが、他の一般の工場の事故とは「大きく異なる」点です。

このことは、些細な事故でも「取り返しのつかない事態」を引き起こす可能性を原発自体が有している——ことに他ありません。

つまり、原発の安全性を考える場合重要なことは、事故(不具合)が起きて「もしも人が近づけなくなった場合でも対処(復旧)出来る」科学的な根拠を今後見出さない限り、原発の再稼働は〝あり得ない〟ということなのです!





福島原発の事故は2013年3月19日午後2時頃、一部復旧し、午後8時頃には戻る予定です。ポンプが停止してから19時間から25時間ほどの時間を要しました。事実は次のように進んだようです。


1)3月18日午後7時頃、瞬間的に停電した(東電は瞬時停電と発表している。マスコミは停電と言っている)、

2)停電はすぐ復旧したが、冷却ポンプ、チッソ循環系などが動かなかった、

3)4号機の使用済み核燃料プールは1時間に0.5℃、温度が上がり続けた、

4)通常の停電や復旧と異なり、被曝しながらの作業で原因解明や追求が遅れた(東電は電気専門の会社だが、それでも停電と復旧ができなかった)。


従って、一応、一段落しましたので、ご心配は要りません。ただ、今度のことで明らかになったことがあります。


1)まだ原子炉へのチッソパージをしている、

2)固有安全性が失われている、

3)政府の説明は不親切だった、

4)東電は今でも「何が悪い」という態度で、多くの人が心配していることについて「心配する方が悪い」という考えである。


このうち、「固有安全性が失われている」ということは原子力安全性についての専門家から言えば、大変なことで、一切の原発の再開はできないほどの大きなことです。時間ができたらこのことをまた書きたいと思いますが、今日は時間がないので音声で概念を言います。もっとも大切なことです。

(平成25年3月19日)






【694】 緊急発信 : その後、冷却復旧 / 武田 邦彦