こちらは官邸前抗議行動と比べて、ざっと見渡して、多くて数百人程度の小規模の抗議活動でしたが、その分スピーチをする人を間近で見られました。
その中で特に僕の心を惹き付けたのは、福島からの避難者や今も福島に住んでいる人たちの生の声でした。
抗議行動では、政治家を含めこれまで何人ものスピーチを聞いて来ましたが、福島第一原発事故の直接の被害者である方の心の叫びは、誰よりも切実感があるリアルなものでした。
その話の内容の中で、とりわけ気になったのが、原子力規制委員会の委員長候補である「田中俊一氏の福島での悪評」です。
何でも福島県の中でもとりわけ飯舘村の人たちは、田中俊一氏に対して怒り心頭で、「あいつ(田中俊一氏)だけは許さない。もう二度と福島には入らせない」と声をあげている、と言うのです。
この件は、インターネット上の情報で既に僕も目にしていたのですが、生の福島県民の口から聞かされると、当初僕が思った以上に「只事ではない」と感じました。
いつものように、大手メディアでは「田中俊一氏の福島での悪評」を大きく報じませんが、インターネット上を検索すると色々出て来ます……。
次にその幾つかをご紹介します。
田中俊一 原子力規制委員長候補の悪評 - ゲンダイネット
「そりゃあ、そうでしょう。田中氏は日本原子力研究開発機構副理事長、原子力学会長などを歴任したバリバリの原発“推進派”です。福島原発事故では、事故直後こそ、反省するそぶりを見せていたが、除染活動に携わった頃から態度が急変。『100ミリシーベルトは健康に大きな影響がない』と低線量被曝のリスクを過小評価したり、『福島の人間は福島に住むしかないんだ』と発言したりして県民の反感を買いました。食品の安全基準を500ベクレルから100ベクレルに引き下げる要望が出た時は『風評被害を広げる』と反対し、伊達市の住民が除染活動する際も、風評被害を理由にマスクをさせなかった――という疑惑が出ています」(福島県民)
田中氏は原子力損害賠償紛争審査会の委員も務め、「20ミリシーベルト未満の地域は除染する必要なし」と繰り返し、自主避難の賠償打ち切りを画策してきた。
規制委員長候補・田中俊一氏の「もうひとつの顔」 (東京新聞) | 「日々担々」資料ブログ
福島県除染アドバイザーを務めるが、田中氏が策定に加わった同県飯舘村の復興計画について「避難より除染ありき」と疑問視する声は多い。
田中氏は事故直後、高線量の同村長泥地区で民家の除染実験を行い、「(飯舘村は)これだけ広いんだから」と、除染土の仮置き場を村が提供するよう説得。「何もしなければ帰ってこられないんですよ」と被災者を追い込む姿がテレビで放映され、物議を醸した。
同地区は今月十七日、「帰還困難区域」に再編されたが、飯舘村の酪農家で、現在は同県伊達市に避難する長谷川健一さんは「除染はまったく進んでいない」と断じる。
「田中さんは『線量を下げることはできる』と言ってこられた。だが、除染がどれだけ困難な作業かは、住民たちも分かっている。村から避難する選択肢を排除する中途半端な除染や、場当たり的な仮置き場の設置案には同意はできない」
被ばく限度量に対しても、楽観的な発言がしばしば注目されてきた。
委員を務める政府の原子力損害賠償紛争審査会の議論では、自主避難者に賠償を認める方針に異を唱え、国が住民帰還の目安とする年二〇ミリシーベルトという基準への賛意を強調してきた。
昨年十二月六日の会合では「放射線被ばくの恐怖と不安は個人差も大きく(中略)、賠償という形で対応することが、克服する最も適切な方法であるとは考えていません」と発言している。
さらに三月八日の会合では、避難区域の見直しについて「それなりに放射線量のある場合でも、年二〇ミリシーベルトを切ると(避難の対象から)解除される」と懸念する能見善久会長に対し、「現実には半分以上、さらにもっと多くの人が住んでいる」などと、帰還を後押しする発言を繰り返した。
こうした主張が結果的に東京電力の賠償軽減につながることから、被災者たちの間では田中氏に対し、「東電を助けるために住民を切り捨てている」といった批判の声も上がっている。
原子力規制委員長になりそうな田中俊一氏は「除染マニア」で「自主避難者の敵」の件。‐おしどりマコ・ケンの「脱ってみる?」‐マガジン9
飯舘村Aさん「人事案、見た? 信じられない! なんで田中俊一なんだー!!」
--ん? ごめん、何の話?
飯舘村Aさん「規制委員会の委員長が田中俊一になりそうなんだよ!」
--田中俊一? ごめん、あまりわからないわー
飯舘村Aさん「去年5月に飯舘にきて、行政区長さんの家の除染をやって、土ほじくりかえして、木を伐りまくって、でもあんまり線量が下がらなくて、好き勝手して、ムチャクチャ言って帰ったヤツだよ!」
--え? あの「飯舘は谷がいっぱいあるから、1つつぶして廃棄物置き場にしろ」って言った人?
飯舘村Aさん「そう! その人! NHKのETVでその場面が流れて、俺たちの村に何勝手なこと言ってんだ、とTVで知って激怒したよ! 原子力委員長代理や原子力学会会長やら歴任してた人が、俺たちの知らないところで『谷を1つつぶして…』なんて行政区長にささやいてるなんて、たまったもんじゃないよ!」
--その人が原子力規制委員長になるの!?
というわけで、7月26日の参議院議員会館に行ってきました。
「原子力規制委員会の人事に異議あり!」の集会が行われたのです。その中の登壇者の一人に、飯舘村の後方支援をされている小澤祥司さんがいらして、「来て来てー」と連絡を頂いたのです。
そこで登壇された小澤さんのお話。
「田中俊一氏が原子力規制委員会の人事案にあがったとき、まさか、と思いました。同姓同名の別人かと思って、ネットで何度も確かめました」
そしてあのNHKでも流れた、行政区長さんの家を田中氏が除染されたときのお話をされました。
結局、庭土を掘り返し、木を伐採しても、住めるレベルにまでは線量が下がらなかったのですって。で、大量に出た廃棄物。区長さんが、これはどう処分するのか尋ねると、田中氏、「飯舘村は谷がいっぱいあるから1つつぶして処分場にしたらでどうですか」。
区長さん憤然として、しかしその処分費用はどうするのか重ねて聞きますと、「東京電力にでも処分費用を請求してください」。
というわけで、その区長さんのところの除染したあとの大量の廃棄物は、まだ庭にそのまま、ブルーシートをかけて放置してあるんですってよ…。何とかしてほしい、と言っても、田中俊一氏は去年の5月以降、一度もそこを訪ねておらず、放置状態…。
そりゃちょっと無責任すぎません?******
郡山から静岡に自主避難された、5歳の息子さんがおられる長谷川さんも登壇されお話しされました。
「肩を震わせて泣いている自主避難者の前で、田中俊一氏がマイクを握り、『20mSVは安全、自主避難することに賠償するのはいかがなものか』とおっしゃいました。5歳の息子に年間20mSVは無理です。私は田中氏ははっきり敵だと、そのとき思いました」
——とまあ、福島での悪評が出て来る出て来る……((>д<))。
僕は昨年田中俊一氏が出演している動画を観たことがあるのですが(このブログでも紹介したかもしれない)、抑揚のない話し方で心ここにあらずって感じで、この人の本心(真意)は何なんだろう?、と感じたことがありました。
端的に言うと、今回の原発事故については表面上反省はしているものの、福島の人たちを助けたいという「情熱」は少しも感じなかったのです。
科学者ですから、感情的にならず冷静、沈着であるのは好ましくない態度ではないので、その時はそれほど彼の人間性を疑いはしなかったのですが……。
そしてつい最近、遂に田中俊一氏は東京地検に刑事告発されましたが、この件もこれまで通り大手メディアは報じないので、知らない方が多いのではないでしょうか。
広瀬隆氏が、規制委員長候補の田中俊一氏を告発
福島第一原発事故に関連し、作家の広瀬隆さんとルポライターの明石昇二郎さんは8月6日、原子力規制委員会の委員長候補とされている田中俊一氏を東京地検に告発した。
「東京電力が2006年に、福島第一原発が津波によって電源喪失が起こる可能性を認識していたにも関わらず、大事故を起こしてしまった」と指摘。
原子力委員会にも事故を起こし国民を被曝させた責任があるとして、告発の理由を説明した。
「東京電力が2006年に、福島第一原発が津波によって電源喪失が起こる可能性を認識していたにも関わらず、大事故を起こしてしまった」と指摘。
原子力委員会にも事故を起こし国民を被曝させた責任があるとして、告発の理由を説明した。
田中俊一氏は「原子力ムラ出身」とメディアでは批判していますが、それ以前の問題として、福島県民から全く信頼されていないという点において、既に原子力規制委員長としての適格性を著しく欠いている、と言えるのではないでしょうか。
しかも、田中氏以外の規制委員の選定も問題になっております。
更に加えて、原子力規制庁自体の「性質」も問題視されております。
この一見複雑に見える「原子力規制庁を巡る問題点」をまとめた動画を、最後にご紹介します。
こういう報道は、本来国民の受信料で成り立っている NHK が放送すべきものなんですが……(>_<)。
原子力規制委員会の委員長の人事は今のまま進んでいいのだろうか?