DEAD OR ALIVE
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ドラえもん最終回

ドラえもんの最終回




 


 

【時は、未来の話】

  司会者: では本日のゲストロボット工学の第一人者 野比博士です。


  のび太: よろしく

番組を見ながら
  出来杉: やあ野比君だ。今や日本が誇る最先端技術のトップ。
                         たいしたものだね。

  スネ夫: いえいえ出来杉総理こそ
ジャイアン: のび太外国から帰ってきてんだろ。呼んでやるか。
  スネ夫: いいね。久しぶりにみんなで集まろうか。

  出来杉: いや、それには及ばない。
        今日はね、是非二人とだけ話をしたかったんだよ。
        ドラえもんを覚えているかぃ? 

  スネ夫: ・・・・・・・。忘れるわけないじゃないですか。
ジャイアン: あのやろう・・・。突然用事とかで未来に帰りやがって!
        オレたちゃあ一緒に命をかけた仲間じゃなかったのかよ!!
        一言ことわってちゃんと見送らせろってんだ!! 

  出来杉: 黙って未来へ帰ったかはおいといて。
        突然居なくなった。これは事実。そして野比君の変化。
        「タイムパラドックス」という言葉がある。

【のび太少年時代へ】

いつものように青い空に雲が浮かんでいました。

  のび太: ドラえも~ん。
        あれ出してよ、ほら前に使ったやつ。
        今度という今度は我慢のげんかいだ。

ドラえもん: (ユラッ)

  のび太: ・・・おい。どうしたんだよドラえもん。ドラえもんってば!!
        何とか言えよ!ドラえもんまでぼくをバカにするのか!?

ドラえもん: (コテン)

  のび太: ・・・・・。 ドラえもん?

【タイムテレビでドラミちゃんに相談するのび太】

   ドラミ: う~~~~ん・・・。

  のび太: どうなの?ドラミちゃん。ドラえもん、この調子で
        ずっと動かないんだよ。
 
   ドラミ: たぶん・・・。電池切れだと思うわ。
 
  のび太: 電池切れ? なんだそうかっ。じゃあ早く電池換えてよ。
 
   ドラミ: それがそう簡単じゃないの。
        旧式ネコ型ロボットは電池入れ換え時の補助記憶回路を
        耳においてるのよ。
 
  のび太: ???
 
   ドラミ: でもお兄ちゃんは耳をなくしてるからバックアップがないの。
        このまま電池を入れ換えるとお兄ちゃんの記憶はなくなるわ。
        のび太さんとの思い出が消えちゃうの!!

  のび太: ドラえもんの記憶がなくなる!?
        そんなバカな! 電池が切れただけなんだろ!?
        入れ換えれば治るんだろ!?

   ドラミ: おちついてのび太さん。
        どんなロボットでもエネルギーが必要なの。
        特に精巧なロボットは重要な記憶だけを残し、
        他は忘れてより人間的な・・・。

  のび太: もういいよ。僕が未来の工場に連れて行く。

   ドラミ: のび太さん。

     バシュュ!!
 未来に行けない様になってしまった。。。

   ドラミ: ・・・だめなのよ。 今そちらの時代への干渉は禁止されてるの。
        あたしも虫の知らせを聞いて飛んできたんだけど
        タイムパトロールがこれ以上進ませてくれないのよ。
        話も聞いてくれない。 こんな事初めてだわ。 

  のび太: じゃあどうすればいいんだよ!!
        耳をつければ記憶は残るんだろ? ポケットから道具を出して・・・。

   ドラミ: お兄ちゃんが機能停止している間ポケットは使えないわ。
        それにそんな精密な改造はあたしたちの手におえない。

  のび太: だったら作った人を呼んでよ!!
 
   ドラミ: ・・・設計者の所在は超重要極秘事項なの。
        残念だけどあたしの記憶にも何重にもプロテクトがかかってる。
        のび太さん・・・。
        もしかしたらタイムテレビも回収されるかもしれません。
        選択肢は二つあります。
        一つは未来の工場で電池を入れ換えること。
        今ならまだタイムパトロールをごまかせるかもしれません。
        お兄ちゃんの記憶はなくなるけど、
        また一緒に生活できると思う。
        もう一つは・・・。 未来の技術に期待してこのまま・・・。

    ママ: のび太 ドラちゃんごはんよー。
    パパ: どうしたんだ?
    ママ: 返事もしないのよ。 またケンカでもしたのかしら。


DEAD OR ALIVE

   のび太: ・・・。ドラえもん。 はじめて会ったときの事覚えてる?
         お正月だったよね。 
         とつぜんろくなことないなんていうんだもん驚いたよ。
         二人でいろんな所へいったっけな。 未来、過去、ふしぎな所。
         命からがら逃げたりさ。 
         ドラえもん、慌てるとてんでだめだからなぁ。
         僕がいじめられてた時自分の事のように思ってくれて・・・。
         ちゃんとお礼言ってなかったけど、本当にうれしかったんだよ。

ドラえもん: (シーーーン)
  のび太: 本気でとっくみあいのケンカしたっけ。
        でもその数だけ仲直りしたんだよね。 
        よぉ、なんとか言えよドラえもん(笑)
        ドラえもんてば・・・。

        ドラえもん・・・・・・。 うっうっうっ・・・・・・。




 
   ドラミ: ・・・・そう。 わかったわ。 
        きっとお兄ちゃんものび太さんとの思い出
        消されたくないと思ってるはずよ。
        ありがとう。 のび太さんと出会えてよかった。
        きっと未来、お兄ちゃんを治す手立てが見つかる。
        そんな予感がするの。

  のび太: ぼくが・・・。(ボソっ) 
 
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【数年後】


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  しずか: のび太さーん。 すごいわ。 また一番よ。
 
  出来杉: のび太くんおめでとう。 もう君にはかなわなぁ。
 
  のび太: ありがとう。 
        でも僕がほしいのは点数じゃない。知識なんだ。
        まだまだがんばらなくっちゃ。

  しずか: 根をつめすぎると身体に悪いわ
        久しぶりにうら山にピクニックに行かない?

  のび太: ありがとうしずちゃん。 
        でも調べたいことがあるからまた今度。

  出来杉: のび太くん・・・。 変わったね。

  しずか: 変わってないわ!!
        のび太さんっておっちょこちょいで不真面目で
        すぐにお風呂覗くエッチだけど。
        いつも一生懸命だった! 周りに気を使ってびんぼうクジ引いて、
        それでも笑っていられる強い人だったわ!
        ドラちゃんが居なくなってから何も言わないけど・・・
                               ずっと無理してる。
        私には分かるの。 のび太さんは・・・。

        のび太さんは・・・。

  出来杉: しずかさん・・・・・?

  しずか: やっぱりピクニックに誘うわ。 いいえ、首にナワつけてもつれてく!
        のび太さーーーん!!

【未来】
 
  スネ夫: タイムパラドックス? たしか・・・。
        時間旅行のさい、歴史に影響を与えることになる矛盾だったかな?

  出来杉: そう! さすが骨川くんだ。 今、われわれの文明は袋小路に
        迷い込んでるといってもいいだろう。
        君たちは知っているはずだ ゛ドラえもんが来た゛
        未来の時間に繋がるにしては進化のスピードがあまりにも緩やかだと。

ジャイアン: そういやぁガキの頃よく想像してたよな。 大人になる頃には、
        宇宙旅行があたりまえにできるって。

  スネ夫: 言ってたね。 
        チューブに乗って移動したり、ボタン一つで料理、メイドロボ。

  出来杉: うん。 ぼくもそれに気がついた。
        それからは観察者として、慎重に、注意深く、
                          行動するように勤めたんだ。
        君たちが夏休みのたびにしていた、冒険にも参加せずにね。

ジャイアン: 出来杉?

  出来杉: 今夜・・・。 文明を一足飛びに進化させる発明が、
       ある技術者によって完成する。
        この事実は歴史が狂うほどの危険性を持っているため、
        全世界のトップに「彼ノ者ヘノ干渉ヲ禁ズ」と、
       未来から通達されたほどの超重要極秘事項だ。

ジャイアン: おい、おれたちにそんな事話していいのか?

  スネ夫: その技術者ってまさか・・・。

  出来杉: 少年の頃の、たった一つの誓い。
        ぼくにもやっとわかった。 彼は何一つ変わってはいなかったのだと。 
        まさしくパラドックスだが、35年前、世界の夢と未来は
        彼にたくされていたんだ。

【その後】 

  しずか: あなたー。

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次の瞬間、のび太はドラえもんに手を触れ

静かに・・・

丁寧に・・・

スイッチを入れました。

そして・・・。 ほんの少しの静寂の後・・・。

長い長い時間が繋がりだした瞬間でした・・・


ドラえもん: ・・・のび太くん。 宿題は済んだのかい?


ドラえもんの設計者が誰であったのか、それが解明された瞬間でもありました


                 その日・・・

   あの日と同じように、青い空には雲が浮かんでいました・・・




                  Fin