【時代劇局長のズバリ感想文】

上杉の国替えが描かれる。今まで住んでいたところを強制的に出なければならない・・・。考えただけでも悲しいが、今話はどのように描かれるのか注目だ。

①謙信を超えた


今回の冒頭の言葉は『謙信を超えた』。ん?何かな?と思ったら、謙信の死から20年が経ち、兼続の行った国造りは謙信を超えるほどであったという話だった。確かに兼続の行ってきた事は凄い。それが後々まで繁栄させるきっかけになったもがいくつもあるからだ。でも、偉業をアナウンサーのナレーションだけで簡単に紹介するなんて・・・。もっとドラマ本編にも入れて欲しかったのが正直な気持ち。でも、なぜ今話が『謙信を超えた』という言葉になったかと言うと、越後が凄い国になった!でも、そんな越後から上杉も国替え・・・という流れにしたかったのだろう。


②越後(株)から天下(株)へ


秀吉はかなり病弱になっていた。これが現代のメイクのなせる技で、かつての面影がどんどんなくなっている様はお見事!そんな病弱な秀吉から、会津への国替えの話があった。戸惑う兼続。それもそうだろう。謙信から受け継いで自分が造った国から離れてしまうのだから・・・。『最後の頼み』と秀吉。それでもどうしたらいいのか分からない様子。景勝に報告するが、兼続の結論ははっきりしていた。かつて関東管領として”義”を貫いた謙信を手本に、さらなる”義”を貫く!つまり、国替えに応じるという事だ。このあっさり感には驚いたが、これこそまさに”義”。感服した。そうか・・・かつては越後株式会社だったが、今は天下株式会社なのだ。


③泉沢久秀が百姓?


上杉の家臣の多くが、国替えに不満をもらしていたが、泉沢久秀もそのひとり。しかし、そんな泉沢に、兼続は『再び国が乱れた場合、越後に戻る。その際に手引きするものがいる』と、先々を見据えた頼み事をした。越後に残るためには仏門に入るか百姓になるかしかないが、泉沢が下した決断は百姓になる事であった。おっと、待てよ。上杉が会津に移封された際、久秀は越後を去り、出羽荒砥城の城代となったのでは?む~!詳しい事は分からないが、これは果たして?一方、仙桃院は、謙信の遺骸とともに越後に残る事を決意したが、仙桃院は上杉移封の際に米沢へ行き、米沢で亡くなっている。これも理解に苦しむ。謙信の遺骸も米沢だ。関ヶ原後に動きがあるのかな?


④雪について


長男を連れて越後へ戻ったお船も国替えには悲しんでいた。でも、今回もお船はやってくれた。二度と越後に帰る事はないかもしれないと覚悟し、子供たちに、越後の雪の温かさを覚えておくように話したのだ。『この雪の温もり、覚えておくのですよ』。雪が温かい?と思われるだろうが、実は、かまくらの中は温かいのだ。これは経験したものにしか分からないだろう。筆者は雪国育ちで、これを身を持って感じている。越後の厳しい冬には必ず雪が舞っていた。ある意味象徴的な存在といえるだろう。だからこそ越後人には、厳しくもあり、温かいものであったのだ。


⑤お涼が初音を敗った日


兼続はお涼の前で、国替えの悔しさを初めて人前で表した。涙を流す兼続を、お涼は慰める・・・。この設定はどうなのかなぁ~?と思うが、これまでの兼続は自分を押し殺してきたのだ。お船の前ではなく、お涼の前で泣く兼続・・・。現代社会だとそのまま浮気に走るという事か。そこまで描く事はないが、いくら仲の良い夫婦でも、心を許せる存在が出来てしまうのは仕方のない事なのか?!それにしても、初音はどこに行った?ホント、彼女は中途半端な存在だ。原作では男女の関係になる兼続と初音だが、お涼においしいところを全て持っていかれた感じ。


⑥越後の大自然


国替えを間近に控えた景勝と兼続は八海山に登った。越後の景色を前に、景勝はとても悲しそう。この出来事を謙信はどのように見ていただろう。この越後で出会いがあった。景勝と兼続の関係も強化された。御舘の乱もあった。見ているこっちまでもが悲しくなってしまうシーンであった。そして、タイトルバックで使われている映像が登場!あの映像はオープニング用だけではなく、こういうところでも使われるなんて・・・。越後を去るにあたり、越後の大自然を少しでも感じられて嬉しかった。


【来週の展望】


来週はなにやら事件が起きそうだ。秀吉も相当弱ってきている。そして、家康が台頭・・・。今後も目が離せない。