1992年に日本テレビで放送された『風林火山』をビデオ鑑賞。主人公の山本勘助を里見浩太朗、武田晴信(信玄)を舘ひろし、由布姫を古手川祐子、上杉政虎(謙信)を高嶋政宏が演じていた。今年の大河と同じ井上靖原作だが、原作に忠実に作られていた無駄のない作品である。

時代劇ファンにとってこのような玄人好みの作品は嬉しいが、全体的に内容が暗いのが難点である。主演が60歳を超えた勘助であり、そこにある花は由布姫の古手川祐子のみ。三条夫人は公家から来た姫でメイクは不気味だった。原作通りで嬉しいが、これでは一般大衆化されないだろう。せめてひたむきな若者像や希望に満ち溢れたシーンがあれば別だが・・・。しかし、これは決して物語が悪いせいではない

『忠臣蔵』『白虎隊』などに続く、年末時代劇スペシャルの第8弾として放送されたが、人気に陰りが見られた中での放送だっただけに視聴率はぱっとしなかった。むしろ、『また里見浩太朗?』と思わせた点が失敗だったのでは?第5弾から松平健、田村正和、野村宏伸と主役を変えてきたが、第4弾まで主役を務めた里見浩太朗の存在は大きすぎる!思い切って別の役者を主人公に据えても良かったのでは?

視聴率の低迷によって年末時代劇スペシャルは1993年を持って終了したが、2007年になっても時代劇人気が衰えていないのだから、日本テレビには『年末は時代劇でいく!』という姿勢を変えて欲しくはなかった。大晦日は日本テレビの時代劇!これを是非復活させて欲しい。