Every Little Thing

Face the change」(1998

シングル「Face the change」より

作詞・作曲・編曲:五十嵐充

 

Every Little Thing「Face the change」

 

 

 

 

【二度と戻らない記憶(みち)

サヨナラをするから】

 

 

 

≪サウンド≫

●曲展開:

Aメロ・A´メロ・Bメロ・サビ

Aメロ・Bメロ・サビ

Bメロ・サビ

 

●ジャンル:デジタルロック

 

 

細かい動きでうねるシンセと

ビブラートするエレキギターで

始まったこの曲は

ピックスクラッチで

爆発するように一気に加速する。

 

前奏の

「チャン、チャラン、

チャラン、チャーラーン」

というまたもや

ヴァン・ヘイレン風の

シンセの和音がキャッチーである。

 

Bメロと落ちサビでは、

「ッーーーー、ダンッ」と

リハーブするスネアが

三拍目に強調されている。

カッコいいです。

 

サビ前、Bメロラストの

「ごめんね!」や

「するから!」の部分は、

サビへと勢いづける

ジャンプ台の役目を

効果的に果たしている。

 

歌メロとシンクロする

グロッケンやクリスタルシンセの音が

ところどころに挿入されているのが、

可愛いアクセント。

 

要所要所で

ギュイーーンとぶっ放たれる、

「いっくん」こと伊藤一朗さんの

ピックスクラッチが最高にロック。

カッコいいです。

 

 

 

 

 

≪歌詞の意味私案≫

歌詞はコチラ

 

タイトルの和訳は

「変化に向き合う」

「変化を受け止める」

ぐらいの意味だろう。

 

もう愛しい彼は側にいない

という現実の変化を受け止めようと

独り、思い出の海で

傷を癒しに来た

ヒロインの心情を

歌った一曲。

せつなさを感じさせつつも

ところどころに挿入される

前向きなフレーズが

明るさを感じさせる失恋ソング。

 

 

【胸に懐かしく響くよ

二人で行った浜辺だから

だけどさみしさ誘うのは

季節のせいじゃない】

この曲は1月にリリースされたので、

ヒロインは季節外れの海に

思い出を辿りにやってきたのだろう。

 

【さみし】い【浜辺】

【セピア色した空】

【澄んだ色した風】

【波の音】

と夕暮れの人気のない

静かな海辺の描写が

鮮やかである。

自分や過去と向き合うには

最高のロケーションだろう。

 

【波の音】が

【昔のように

心を癒してくれる】

のを期待しながら独り

【揺れる風景を

ずっと眺めている】

ヒロイン。

 

【景色】が【揺れる】のは

波のせいだろうか。

それとも

涙で目が潤んで

景色が滲んでしまうことを

表現しているのだろうか。

 

 

【黒いベロアのワンピース

欲しくておねだりよくしたね

「お前が着ても似合わない」と

ひやかすばかりで…】

服の具体的な生地と種類に、

五十嵐さんの

女子観察眼が光るフレーズ。

結局買ってもらえなかったことが

今となっては寂しく思い出される。

 

【ブーツを脱ぎ捨てたまま

砂の上歩いて

二度と戻らない記憶(みち)

サヨナラをするから】

海に来ると、砂浜や波を

感じたくなって裸足になってしまう

のは「海あるある」だと思う。

わざわざ海まで来てしまうのは

一見、意味がないように見えても

自分の気持ちにけりをつける

大事な「失恋の儀式」なのだろう。