Every Little Thing

Dear My Friend」(1997

シングル「Dear My Friend」より

作詞・作曲・編曲:五十嵐充

 

Every Little Thing「Dear My Friend」

 

 

 

【いつも 居心地のよかった

あの場所へ戻ろうよ

Best Of My Friends

 

≪サウンド≫

●曲展開:

Aメロ・Bメロ・サビ

Aメロ・Bメロ・サビ

・大サビ・サビ・サビ(転調)

 

●ジャンル:デジタルロック

 

ヴァン・ヘイレン「JUMP」風の、

シンセブラスによる

循環コードで始まる一曲。

後、この曲からベースが

シンセではなく、ギターになる。

 

最も特徴的なのが、

オーケストラヒットの連続使用。

特にフレーズとフレーズの合間に

配置されている、

「チャチャチャチャチャン」と

駆け上がるようなオケヒットは

とてつもなくキャッチー。

 

サビからメロなどの

パートとパートをつなぐ

スクラッチや、

ドラムのスラップといったギミックも

無理やりなようでいて、

聴いていて楽しく、

盛り上がれる。

 

二番目のサビの直後、

大サビに入る直前に、

ギター・キーボード・ベース、

全てのオケパートが

同じリズムと

ほぼ同じメロディーで

急降下していき、

再び上昇するアレンジは圧巻である。

 

大サビのキーの高さも、もちろんだが、

最後のサビの転調後のキーのあげ方は

「さぁ、このラストサビを

カラオケで歌って挑戦してみてね」

とリスナーに誘いかけているかのよう。

 

 

 

 

≪歌詞の意味私案≫

歌詞はコチラ

 

はっきり言って、

この曲の歌詞は、

ちぐはぐで、ヒロインも

ぶっ飛んでいる。

 

歌詞を要約すると、

「いつも同じグループで一緒に

遊んでいた男の子から

急に好意を向けられ始めたけど、

私は別にそういう目で見てないし

愛だの恋だの、そんなめんどくさいことは

言わないであの頃に戻ろうよ☆

Best Of My Friend

となる。いかがだろうか。

 

今は無き「姐さんのDIVAレビュー」

というサイトでも述べられていたが、

ドリカムであればこれをテーマに一枚の

コンセプト・アルバムでも作れそうな

「男女の友情と恋愛の狭間」なんていう

古典的かつ深遠な問題

取り上げておきながら、

 

「無邪気に笑っていた

あの頃の二人にはもう戻れないね……。」

と、感傷に浸ってみせることもなく、

 

「あなたの恋人に

なれないということは、

もうあなたの友達でも

いられないということ。」

と、やるせない・仕様のない

喪失感を抱えることもなく、

 

「そんなめんどくさいことはいわないで

あの頃へ戻ろうよ

君は今までも、これからも

私のBest Of My Friend

なんだから☆」

相手の思い・気持ちを無視して、

明るくぶった切るのである。

 

 

 

……君はそれでいいのかも

しれないけど、相手の気持ちってものを

ちょっとでも考えた?

ねぇ?そこんとこどうなの?

と軽く詰問してしまいそうになる。

 

 

このような「相手の気持ち、丸無視ガール」

な歌詞は狙って作られたのか、ただ単に

推敲する時間がなかったのか、それは

作者本人にしか分からないが、

ここだけの話、

五十嵐さんが作詞した初期ELTの

歌詞には、突っ込みたくなる

仕上がりのものが

まれに見受けられる。

 

あと、エステのCMで使われた

二番目のサビの

【いつか 最高の自分に

生まれ変われる日が来るよ】

なる歌詞は

タイアップ先の

エステサロンからの

「何か、『エステで綺麗に

生まれ変わる!』的な

歌詞をお願いします!」という

オーダーを受けたものであろう。

これも前後の脈略というものを

ぶった切っていて

いっそのこと清々しい。