「会って礼を言いたいのだ」
「れい?」
「うむ、実は遺跡で助けられたが自分は意識を失ったせいでろくに礼も言えずにいて…オランに来た時に似ている人物を見つけあとを付けてきたんだ」
御礼を言うのはいいことだ、だが、なぜ後を付ける必要があったのだろうとルーは不思議に思いつつ、ジャックの方を見上げた。
ジャックもまた眉をしかめて考え込んでいた。
「…ジャック…顔がへん」
「考え事してるだけなのに変とか言わない!?」
ジャックが怒るとルーは素直に謝りつつ、こっそりと聞いてみた。
『ジャックさ、これどうしたらいいのかな?』
『あぁ…面倒っすけどこのままだと毎日張り付きそうな気がする分…依頼にしようかと思ってるんっすよ』
ルーはジャックの言葉に首をかしげつつ、ジャックはどこか得意げな顔で不審者の男性に声をかけた。
「まぁ、もしその人が同業者ならそう簡単には見つからなそうなんで…いっそ依頼にしてみたらどおっすか?」
「依頼…か?」
「まぁ、似てる人物がいたら知らせるという依頼っす。きちんとした依頼なら、ごまかす馬鹿もいないでしょうし?うちの受付さんかねにがめつい分その辺はしっかりしてますからね」
がめついってなんだと、ルーは真面目に考えながら今度受付さんに聞いてみようと一人納得した。
不審者の男性はしばし考えた後頷いた。
「そうしよう、頼むのは君経由でいいのかい?」
「いいっすよ、じゃあ、詳しい話を詰めていくッす」
ジャックと不審者の男性が話を詰める間、ルーはいる必要がないのでこのまま帰ろうかどうしようか真面目に考え悩んでいた。
「おちび、ギルマスが呼んでたぞ?なんか、悪さでもしたのか?」
「ん?んー…うん、石投げた」
「あーそりゃ怒られて来い、俺はこれから一杯飲んで寝るんでな」
顔見知りのギルドのおっさんに、ギルマスより呼ばれていることを聞き、ルーはそのままジャックたちと別れてギルマスのいる部屋へと向かった。
