1957年ソ連が人類初めての人工衛星「スプートニク」を打ち上げ国威発揚の実をあげ、今年で半世紀。これに因み先週来、宇宙開発回顧物語テレビ、新聞を賑わしている。短命に終わったケネディ大統領が月への一番乗りを果たし、大いにソ連を悔しがらせたが、その後は「宇宙ステーション建設と運営」で再度アメリカを引き離した。90年のソ連共産党瓦解と経済危機はしかし、これの維持を困難とし、ロシアの「ミール宇宙ステーション」はアメリカの金力に射落とされた。
爾来ロシアは、アメリカ主導の国際宇宙ステーション(ISS)計画に従属を余儀なくされ、宇宙船ソユーズで食料や水の補給を行ってきた。ソユーズによるステーションまでの往復経費はおよそ60億円かかる。これの捻出に苦慮したロシアに対して、ワシントン郊外に住むユダヤ人グループが「宇宙体験旅行」なる新事業を提案、毎回の飛行に一席を観光客用とし、20億円程度の旅費を徴収、宇宙計画維持の一助とした。弊紙刊行のギャラクシー旅行部門もこれを日本のマスメディアに売り込み、フジテレビが「宇宙ステーション訪問第一号記者」を送る仮契約までこぎ着けた経緯がある。
ロシアはその後、石油・ガス価格の高騰で経済的に息を吹き返した。アメリカがシャトル事故でステーションの維持が危機に瀕したおりには、宇宙飛行士交替要員の往復のみか、食料・水・薬品の搬入も一手に担当している。
今週12日、ロシアの宇宙管制センター当局は10日夜にバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた「ソユーズが国際宇宙ステーションに予定通り、ドッキングに成功」と発表した。長期滞在交代要員を運んだのだが、その構成メンバーが変わっている。アメリカののペギー・ウィットソン飛行士と、ロシアのユーリ・マレンチェンコ飛行士に加えて、無名のマレーシア人であるシェイク・ムザファ・シュコアが搭乗している。この3人が今後ステーションを運営すると思いきや、長期滞在に入るのは次期ステーション司令官となる米航空宇宙局(NASA)の初女性司令官となるウィットソン氏、ロシア人のマレンチェンコ、3人目マレーシアのシュコアではなく、現在滞在中の一人が居残る。マレーシア初の宇宙飛行士は、これまでの滞在者3人のうち2人と共に21日間も地上へ帰還予定。
経済復興を遂げたはずのロシアだが、現在もソユーズの3席目は資金稼ぎに当てる。シュコア飛行士の搭乗ではマレーシア政府がロシアに30億円を支払ったばかりか、ロシア製戦闘機18機の購入をも義務付けられている・
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