チグリス河沿いの城郭
アメリカ合衆国が運営する海外公館で抜きんでて巨大なのが、メソポタミア文明発祥地、チグリス河沿いにある「在イラクアメリカ合衆国大使館」だ。現在ここには3000人を超える館員が勤務しており、新館は建設中だが、イラク随一の華麗にして巨大な「サダムフセイン宮殿」他を占有している。
ここら一帯はバグダッドで最も警戒厳重な「グリーン・ゾーン」と呼称され、米軍1万弱に加え、現在マスコミ、議会が叩く「ブラックウォーターUSA」他、民間警備会社の武装職員、延べ3万人近く盤踞し警戒に当たっている。警戒厳重だが、ここ半年、ゲリラ側はロケット砲、迫撃砲をゾーン内部に打ち込んでおり、常時ヘリが上部を飛び回っているのだが、周辺住宅地のどこからでも発砲、ロケット砲は発射できるのだから、半径10キロ以内を更地にする以外には、防備の全きを期すことが不可能な、そしてゲリラの射撃対象(米国政府機関)が存在するかぎり、全国一の危険地帯という皮肉なことになる。
新館建設が暗礁に
今週、ブッシュ政府は連邦議会に、「イラク大使館建設予算が不足となった、あと1.44億ドルの追加支出を認めて欲しい」との要望を提出した。当初認められた予算は5.92億ドル、合計7.36億ドルとなる。土地は既に占領済みで、これは純粋に建築コストだけである。議会の精査・分析はこれからだが、マスコミは「典型的な軍需品調達におけるコストの予算オーバーであり、現地の建設屋、管理の杜撰さ、そして業者との贈収賄で、当初の予算の二倍を越すパターン」と解説する・・
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