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 ブラックウォーターの怪


 今年正月以来、イラク・ゲリラ戦争を巡る最大話題はブッシュ肝いりの「3万人増派の功罪」だ。年末までの正規軍兵士数は13万8千であり、さらに治安安定をはかるとて3万を増派、「バグダッドを中心とした治安を安定させ、イラク政府が諸派を収めて自治を推進、米軍の撤退を可能ならしめる」との説明が国民に与えられた。


 9月16日、首都バグダッドで異様な車列が交通信号、警官を無視して突っ走る。というか、警官は市民を抑えてこの車列走行を優先させる。4台の車は連邦国務省が巨額を払い外交官警備に雇っている民間警備会社「ホワイトウォーターUSA」職員の乗りこんだものであった。この時現場で交通整理にあたっていたイラクの警官サルハンはのちにCNNインタービューに登場し、「車列は自分が整理にあたっていたヌスール広場に入って来るや、いきなり自分に水のボトルを投げつけた。自分はこれをよけながら、車列が優先走行できるよう、交通を遮断していたところに、いきなり車列から発砲があり、自分の身辺に少なくとも6発ぐらいが向けられ、それが停止していた市民の車を直撃、母親を乗せていた若い男を射殺した」と述懐する。


 サルハンはしかし、「同僚とさらに後続してくる民間車を停めようとしたが及ばず、車列からはほぼ全員が乗り出すように四方八方への射撃が始まり、対向車や通行人全てが倒れて動かなくなるまで撃ち続けた。その時間は約20分」と証言する。15台の車が破壊され死者17人負傷者数は未だ明確ではない。サルハンは一部始終を目撃した結果「ブラックウォーター車列への発砲はただの一発もなかった」と断言する。


 もう一人のCNN登場証言がある。バグダッド在住ビジネスマンのアブドゥル・ラザクで、その時刻にヌスール広場にさしかかり、無差別銃撃を受け後部座席の子息を射殺されている「車内から脱出しても、現場から遠ざかっても、車中に止まっていても射殺されると思った」と話す。ブラックウォーターとは連邦政府、国務省からアメリカ人外交官の警備契約を取り付けた企業だ。この事件を調査する連邦下院の調査に証人となった同社創立会長エリク・プリンスは、極めて醒めた表情で「事実無根」とすべての疑惑、質問に即答している・・・



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