国境なき医師団(MSF)が、「2006年、10の最も報じられなかった人道的危機」を発表しました。
http://www.msf.or.jp/2007/01/11/5709/msf200610.php
メディアではイラクの惨状ばかり報道されていますが、世界各地で現在進行形でおこっている他の人道的危機にも同等の目を向ける必要があります。
以下の文章を読んだあとでは、自分自身の仕事を反省せざるを得ません。2007年はもっとこういうニュースを伝えたいと思います。
MSFアメリカ支部の事務局長、ニコラス・デ・トレンテは述べる。
「世界各地で起きている多くの紛争は数百万の人びとに大きな影響を与えていますが、これらの人びとはほとんど公にされていません。例えば、ハイチはアメリカからわずか80kmあまりの距離ですが、不安定な状態にある首都ポルトープランスで過酷な暴力に耐えている人びとの苦境は、アメリカのテレビ局で1年間のうちわずか30秒間放送されただけです。」
アメリカのテレビニュースを分析するオンラインジャーナル、The Tyndall Reportを発行するアンドリュー・ティンドル氏によると、MSFがこのリストで浮き彫りにする10の国や状況は、アメリカの3大テレビネットワークが2006年に放送した夜のニュースの合計時間1万4千5百12分のうち、わずか7.2分しか占めなかった。栄養失調と結核の治療、そしてチェチェンの情勢は取り上げられたものの、他の項目において短く触れられただけであった。MSFがリストに上げた他の5つの国が報じられることは一度もなかった。