人間は不思議な生き物。
見たくないものは見ないように。
気づきたくないものは気づかないように。
知らない間に自己防衛本能が守ってくれる、傷つかないように。
ちょこっとだけ、自己防衛本能に感謝。
SUが他の女の子と仲良くすることは決してカエラには気持ちのいいものではなかったの。
でもね、SUには「カエラは物分かりのいい、寛大な女」って思われていたかった。
最初はそう演じることは簡単だった。
絶対的自信があった、SUがカエラを愛してるって。
でもね、SUとカエラの間に割って入ってくる、女が出現。
そう、あのSUを奪った女。
あの泥棒猫にはいつも用心してた。
だって、カエラの目の前でどうみたってSUを誘ってた。
だから、いつも接触を避けてた。
カエラの知らないとこで、接触してるのはカエラは全部知ってた。
気持ちはどんどん焦っていく、自信消失していく。
でも、それを察知されてはいけなかった。
だって、あの泥棒猫を見下したかったから。。。
でも、時々不安になってた。
「SUはもしかして、この薄汚い泥棒猫に奪われてしまうかも」って。
だからこそ、、SUにも、泥棒猫にもココロが弱ってるカエラを見せてはいけないと思ってた。
いっつも微笑みながら、ココロの中では
『SUはカエラにベタ惚れだから大丈夫』って魔法の呪文を唱えてた。
ほら、見えない、気にならない。
ある時、言われたんだよね
「あなたのダンナさんが他の女と遊んでてもいいの?」って
あ。。。魔法が解けてしまう。。。
「うん、SUはカエラにベタ惚れだから大丈夫なんだよ」
そういって、また魔法の呪文を唱える。
自己防衛過剰。。。
いつの間にか、いろんなものに鈍感になってた。
気が付いたら、カエラはSUを失っていた。