みなさま、ご無沙汰しておりますビックリマーク

長きにわたって、ブログ更新が途絶えておりました。プライベートの状況変化、単なる怠慢などなど、途絶えた理由は様々です。ただブログに関しては今後も、「自分のため、ひいてはブログをご覧頂く皆さまのため」というスタンスを貫いてやってまいりたいと思います音譜



今日は「外貨準備高」とそれに中国経済を絡めながら書いていきます。

そもそも「外貨準備高」とは何か御存知でしょうか。おそらくワードは聞いたことがあっても、具体的に知らなかったり、考えたこともない方が多いと思います。「外貨準備高」とは自国通貨の為替レートの急変動を防ぎ、貿易などの国際取引を円滑にするために当局が保有するものです。日本では財務省と日本銀行が保有するものを指します。


自国通貨が暴落の危機に直面した際に、外貨を保有していれば暴落を回避するために自国通貨を買って支えることができます。が、それ以外に使い道はありません。

この外貨準備はどうやって増減するのかというと、例えば自国通貨を売った場合は外貨準備高が増えます。具体的には自国通貨が高騰するのを抑えるために為替介入をする(自国通貨を売る)と、売ったことによって手元に外貨が残ることになります。


貿易黒字であれば、輸出入の決済が常に「外貨が余り、自国通貨が足りない」状況に陥ることになるので、為替レートは「外貨が安く(余っているため)、自国通貨が切り上がる(足りない)」ために通貨高へ向かいます。

みなさまも御存知の通り、輸出に関しては通貨安の方が望ましいわけですが、貿易依存度*1が日本の約2倍程もある中国は、この為替介入を延々と繰り返してきました。

先進国の大半は相対的に外貨準備高が小さく、日本も中国よりはるかに少ないものです(とは言っても、日本は世界で2番目の保有額ですが)。一応示しておくと、2011年末時点の日本の外貨準備高が約99兆円であるのに対して、中国のそれは232兆円(いずれも1ドル=95円換算)です。中国に関しては、2000年に約15兆円だったものがわずか10年程で15倍に膨らんでしまいました。


巨額の外貨準備高は貿易黒字ばかりを優先させる偏った「外需依存」の経済構造の証なのです。そもそも外貨準備高は介入した政府の保有資産でしかないので、国全体の豊かさとは関係ありません。そして保有している外貨を使用するときは、すなわち経済崩壊のときです。

つまり、外貨が増えても喜んでいられないということです。




【用語の解説】


*1 貿易依存度

一国の国内総生産(GDP)または国民所得に対する輸出入額の比率(輸出依存度、輸入依存度)のこと。ちなみに、2011年時点の貿易依存度は日本が28.6%であるのに対し、中国49.9%、韓国96.7%となっています。

今年4月19日、インターネットを使用した選挙運動を解禁する法律が成立しました。さて、この内容について有権者の人たちはきちんと理解しておかなければなりませんが、実際どうでしょう?分かったような分からないような部分ってありませんか?


インターネットを使用した選挙運動は、欧米各国では既に認められている方法です。昭和25(1950)年に制定された公職選挙法で、インターネットのホームページにある画像や電子メールなどは、ポスターやチラシなどの文書と同じ扱いとされていたため、日本では認められていませんでした。しかし、昨今のインターネット等の普及に鑑み、選挙運動期間における候補者に関する情報の充実、有権者の政治参加の促進等を図るために今回議員立法でこの法案が成立しました。

この法律はあくまで”選挙運動”について改正したもので、”投票”については何らの改正もされていませんので、これは従来と変わりありません。”ネット選挙”っていうくらいだから、ネットで投票できるという印象を受けた人も多かったかもしれませんが、ご注意ください。



この法律の施行によって具体的には、政党や候補者はホームページや電子メールでの投票の呼びかけやSNS(フェイスブック、ツイッターなど)の使用、動画の配信などが可能となります。ただ、一方でなりすましや誹謗中傷など懸念する点もいくつかあります。こういった手法に長けている政治家もいれば、資金力ゆえに専門家を雇って情報発信をしてくる政党・議員もいるでしょうね。

なお、電子メールについては、送信先が①予めメールを送信することに同意した者、②政治活動用のメルマガ等を継続的に受信している者に限られています。



他方、有権者側もこういったツールを使って投票を呼び掛けることができます。ただ、電子メールの使用(候補者や政党から送られてきたメールを転送する行為を含む)は見送られていますし、未成年はそもそも選挙運動を行うこと自体が認められていない(公職選挙法第137条の2)という点にも注意しなければなりません。

例えば、ネットで受け取った文書を印刷して配ると、選挙違反になります。また、電子メールは禁止されているので、候補者から受け取ったメールを転送しても違反になってしまいます。このように、知らないうちに選挙違反になってしまうということが起きないように、この法律の内容についてきちんと把握しておかなくてはならないのです。

選挙違反となれば、1年以下の禁固又は30万円以下の罰金等が課され、選挙権及び被選挙権が停止されます。


また、ネットを使った情報の入手にあたっては、誤った情報を正しいと誤認してしまうことや、日頃からネットを使用していない高齢者の方々にとっては情報の入手が容易ではないということも注意しなければなりません。それが表れたのがNHKの世論調査です。ネット選挙を参考にすると答えた人は全体の37%で、参考にしないと答えた人の方が多いという結果が出ました。ただ、これを年代別にみると、年代が上にいくほど「参考にしない」と答えた人の割合が多かったのです。



より細かい内容は総務省のHP(http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/naruhodo/naruhodo10.html )を御参照下さい。

いち有権者としてはきちんとした知識を身に付けた上で選挙に臨みたいですね。

東日本大震災から2年以上が経過しましたが、復興工事を担う建設業者や資材の不足が深刻になっています。


自治体や国が復興のための道路や港などの公共工事の入札を行っても建設業者がどこも参加せずに成立しないこともあり、そのせいで工事自体が10年も先送りされるケースが事実としてあります。例えば宮城県の有効求人倍率(建設躯体工事の技術労働者)をみると、16.4人分の仕事に対して、僅か1人しか宛がわれていません。全国から働き手が応援にきていますが、それでも追い付いていないという現状です。

こちらの調査結果も併せてどうぞ。

国土交通省HP 建設労働需給調査結果(平成25年4月調査) http://www.mlit.go.jp/toukeijouhou/chojou/rodo.htm


また、資材不足について一番の課題はコンクリートです。コンクリートは工場で作ってから90分以内に現場に運ばない(固まってしまうので)といけないため遠くまで運んだり、造り置きしたりすることができません。地域の工場が減っているうえ砂や砕石などの材料も不足し、供給が追いついていないのです。


なぜ、これらの”不足”が生じているのか。その原因はやはり公共事業の削減です。

1998年以降(橋本政権から小渕政権に代わった頃です)、「公共事業は悪」という印象論が国内に蔓延し、どんどん公共事業が削減されていきました。その証拠に公共事業を行う際に政府が発行する国債である「建設国債」発行残高の推移をみると、下のグラフ(出典:財務省)のように全く増えていません。

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また、政府が行う社会資本整備などの投資額を示し、GDPの構成要素でもある「公的固定資本形成」という指標がありますが、これもまたGDPに対する割合がどんどん下がってきています。自然災害大国である日本にとってこの下がり方は異常ともいえます。

(参照先:内閣府HP 公共事業/公共事業関係費の推移 http://www.cao.go.jp/sasshin/seisaku-shiwake/common/pdf/handout/322876ac-0d37-c83e-7693-4ec90985b9c2.pdf#search='%E5%85%AC%E5%85%B1%E4%BA%8B%E6%A5%AD+%E4%BB%B6%E6%95%B0+%E6%8E%A8%E7%A7%BB'



建設業で働く人の数はピーク時の7割に減り、その3分の1が55歳以上とほかの産業に較べても著しく高齢化が進んでいます。技能労働者の賃金は30%もダウンして、若い人が入らなくなりました。技能労働者が独り立ちするまでには10年かかると言われ、すぐに増やすことは困難です。技能労働者不足は震災以降、被災地だけでなく首都圏など大都市部にも広がっています。


皆さんも御存知の伊勢神宮の式年遷宮が今年の10月に行われます。式年遷宮とは、20年ごとに伊勢神宮の内宮と外宮の2つの正宮の正殿などを造り替え、神座を遷すことです。これは西暦690年以降、延々と繰り返され今回で62回目となります。

伊勢神宮の御宮は弥生建築ですが、この式年遷宮の大きな理由の1つはその技術を伝承することにあるといわれています。(参照先:伊勢神宮HP 神宮・遷宮Q&A http://www.sengu.info/qanda02.html

今回の式年遷宮の費用は、少なくとも500億円以上です。これを「無駄だ!」といってやらないとどうなるでしょうか。100年もしないうちに、弥生建築は我が国から失われてしまうでしょう。ちなみに、この費用自体は国費ではなく、任意の個人会員による「伊勢神宮式年遷宮奉賛会(現・伊勢神宮崇敬会。)」の善意の募金及び全国神社のトップとしての管理機関「神宮司社」の積立金で賄われています。



インフラは、メンテナンスを継続しなければ、いずれ使えなくなります。そして、技術も伝承されなければ、建設業が衰退するだけです。

現在の日本のようにデフレが深刻化し、建設企業がリストラを繰り返し、若い世代に技術が伝承されないような状況が続けば、いずれ道路や橋をつくれなくなったり、高層ビルを建てられなくなったりするわけです。しつこいようですが、日本のような自然災害大国でこの状況は絶対に回避されなければなりません。その意味で政府が掲げる国土強靭化は、未来の日本を考える上で最も重要な政策であり、その足枷である建設業の不足、資材不足を解消することが喫緊の課題となっているのです。