おはようございます。



ここ近畿地方は、今日は雨。



甲子園球場で行われているセンバツもお休みです。



以前に比べ日程的に余裕を持たせる運びになったとはいえ、こういう雨はまた選手のリフレッシュにもつながるかもしれませんね。



また明日以降の活躍を期待します。




さて、わたしは先日、じつはこの春のセンバツを見に甲子園球場に行ってまいりました。






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平日だったんですが、ここんとこ休み無しだったのと、その休み無しの素になった案件の仕事が一段落したので、その翌日を午後からオフにして観戦してきました。



以前に記事にも 「甲子園で心の洗濯」 的な事を書きましたが、今回確かにそれができました。



というのは、とある、とても見応えのある勝負が見られたからです。


「やっぱこれが高校野球やん!!」 


と改めて思わせる正々堂々勝負のお話です。



これはあまりどこにも取り上げられていないお話ですが、それは、3月29日に行われた関東一高と智弁学園の試合の事でした。



この試合は、一時智弁の守備が乱れたもののその後の修正が素晴らしく、また、両軍投手の要所の抑え方が良く、展開の割には 2-1 と締まった内容の試合をしていました。



そして迎えた九回、智弁の最後の攻撃ですが、先頭バッターがクリーンヒットで出塁し送りバントでスコアリングポジションにランナーを進めるなどで、一打同点の場面。


アウトカウントは2死まで行ったものの、迎えるバッターは4番でした。

(まとめると、2死ランナー二塁でバッター4番という事です)



投げる投手は関東一高のエース・中村君。


実際の球速は130キロ台後半とあまり大したスピードではありませんでしたが、それでも、わたしが見て、近年の高校生投手では素晴らしいストレートの球の走り・球筋を見せるピッチャーだと思います。



勝負が始まり、この投手の手から第1球が投げ込まれます。


初球ストレート。


その球をバッターが振り、ファウル。


やはり自信がある球なんでしょう。


2球目、これもストレート。 


これもファウル。


バッター、追い込まれました。


3球目、高めの外にストレートを外して、ツー・エンド・ワン。


ここ3球力のあるストレートで、3球目を速い球を高めに外していますので、組み立てとしてはここで低めに落とす球で決める、とかになるのですが。


次の球も、高めでやや外側に外れるストレートでした。

(ボールで、ツー・エンド・ツー)



ここからが面白かった!!


「まだ落としてこないなぁ・・・」 と思いつつ見ますが、次の球も渾身のストレート。


これをバッターも渾身の振りでファウル。


球場がどよめきます。



そしてわたしもふと、


「これはひょっとして、落とす球で勝負を決める気は無いのでは?

 全球ストレート勝負で行こうとしているのでは?」

 

と思い始めました。



案の定、次の球もストレート。


これもバッターが打って、ファウル。


次の球も伸びのあるストレート。


これもファウル。



途中で1球ボールがあり、ツースリーまで行きましたが、それでも中村投手は魂のストレートを投げ続けました。



改めて言っておきますが、ここは2塁にランナーがいて、ヒット1本で同点になる場面です。


どこかで落とす球を入れれば、同点にならないどことか、それで試合が終わるはずの場面です。


それでも、全球ストレートでした。



7~8球目ぐらいからは、1球ごとに球場全体がどよめくんですよね。


この投球に対してのどよめきと、それに返す智弁の4番の小野君の振りに対するどよめきです。



結果、中村君の12球目のストレートを、小野君の力いっぱいの一振りがボールの下をたたき、キャッチャーフライでゲームセット。




いやー、しかし、これはじつに

見応えのある12球でした。



甲子園の高校野球は、毎大会1回は観に行くようにしていますが、それでも最近あまり見たことがない勝負でした。



場面の紹介の中でも書きましたように、速いストレートばかりを投げていると、どこかで緩急を付けるためにカーブを投げたり、あるいはフォークのような落とす球を投げたりするのが、もう半ば “常識" なんですが、この中村投手、12球・全球がストレートでした。


そして、それに必死に食らいついて、おそらくは 「何としても2塁ランナーを返す」 と決めていたであろう智弁の4番の小野君の粘り。



“勝ち・負け" が全てではない、 “力と力のぶつけ合い" というニュアンスがビシビシ伝わってくる、本当にいい勝負を見せてもらいました。



最近の高校野球も、大阪・兵庫や東京・神奈川・埼玉などの中学出身の選手を集めて弱小地方県で “外人常勝軍団" を作り甲子園に乗り込んでくるような 「どこの県の代表校なんやろ?」 的な高校があったり、“勝つ"ためだったら何でもやってくる高校があったり、と、もともとの 「野球を通した人間教育」 のコンセプトから外れてるんじゃないの?と思わせる流れが “一般化" していました。



でも、これは本当に良かった!!



そういった、ちょっと恥ずかしい “流れ" とはほど遠い、本当に清々しい、じつに “美しい" 勝負でした。



今回も、少しばかりは、このよどんだ心が洗われました。



選手たちに感謝の一日でした。




以上、高校野球のとある勝負のお話でした。



それでは雨の一日ですが、あなたにとって良い一日を!!!