おはようございます。



最近、夜の酒場で、テレビを見ながら意気消沈する阪神ファンの姿に心を痛めるNAKA-Gです。



今日は、そんな “酒場” の話を一席。

(って、落語ちゃうねんからっ!)



昨日、大阪・心斎橋でとても面白い空間に行ってきました。



「リズール」 という1軒のバーなんですが、そのお店のコンセプトとは


読書バー


「えっ? 読書しながら酒を飲むバー?・・・」


いや、答えは、そう、「イエス!」 です。




「心」を届けるメッセンジャー・NAKA-Gの「絆ブログ」



これが店の入口ですが、




「心」を届けるメッセンジャー・NAKA-Gの「絆ブログ」



ここから店内を覗くと、“ちょっとキャリアのあるカフェの夜” といった風情です。



店内に入っても、全般的にそんな感じなんですが、少し様子が違って感じるのは、「本」 の存在ですね。




「心」を届けるメッセンジャー・NAKA-Gの「絆ブログ」




「心」を届けるメッセンジャー・NAKA-Gの「絆ブログ」
         古いものでは明治時代の本なんかも置いてある



バーカウンターのある側と逆の方の壁面が本棚になっており、そこにいろんな本が並べてあります。



その壁面だけでなく、カウンターの上にもさりげなく、そしてバーカウンターの背の壁面の、通常酒のボトルがずらーっと並ぶ中にもところどころ本が。




「心」を届けるメッセンジャー・NAKA-Gの「絆ブログ」



そして、こんなソファー席もあったりして、ここならかなりゆっくり本を読めるやーなー、なんて思いながら。




「心」を届けるメッセンジャー・NAKA-Gの「絆ブログ」



どうやら、本当に “読書するためのバー” のようです。



蔵書は 「まだまだ少なく(バーテンさん談)」現在約2,000冊とのことで、将来的には1万冊を目指す、とか。



「本当に、客はみんな読書しに来るの?」 とバーテンさんに訊くと、案外そんな事はなく、「読書するお客さん」と「ふつうに飲みに来て話ししに来るお客さん」との比率はだいたい半々とのこと。



それでも、「文学」というジャンルまでいかなくても、やはり “本好き” の人は多いらしいです。



読書をしなくても、このような 「本のある空間」 に安心感を感じる人が多いとおっしゃられていました。



そうこう話しをしているうちに、常連さんらしき人が入ってきました。



学校の先生か図書館の係員風の、40を挟んだぐらいの女性の方です。(すいません、女性の年齢を表現するなどの無粋なマネをして・・・)



それまでカウンターに我々しか客がいなかった(ソファー席では3枚目の写真に写っている大正ロマン風の女性1人)ため私たちの相手をしてくれていたバーテンさんが一時離れ、その常連さんらしき人のところに行き接客を始めます。



聞き耳を立てていると、その風貌通り・・・というか、やはりどうやら “小説家のタマゴ” のようでした。



何かのコンテストへの出典を狙っているようです。



それまで “らしくない”客(我ら)が空気を支配していた店内が、ようやく “この店らしく” なってきたところで、私たちは退散したのですが、やはりどことなく普通のバーとは違った空気感がありました。



それは、イヤな感覚ではなく、どことなく居心地のいい感覚ではありました。



と、まあ、ただの “酒飲み日記” という訳ではなく、やはりマーケティング的に見てみたいのですが(そのつもりでこの店を見に行ったというのもありますが)、


わたしがこのブログで常々申し上げている 

「ターゲットを絞り込みましょう」 

という点で言えば、この店のコンセプトは

見事に絞りこまれています。



そして、“絞り込み” が行われているにもかかわらず、想定ターゲット以外にもヒットしている(ふつうにお酒を飲みに来る人もいる)。



以前、当ブログでもご紹介した、ソニーの 「ウォークマン」 が 「外で音楽を自由に聴こう」 という“絞り込んだ”コンセプトで開発されたにもかかわらず、「外で英会話を勉強する」 というニーズも引き出したエピソードのように、想定客以外の層の客層を獲得できた例はマーケティング的にも様々ありますが、ここもその一例ですね。



そういった点でも、今回はなかなか面白いマーケティング見学でした。