おはようございます。
今日は、本当に久しぶりの 『東急ハンズレポート、略して「ハンレポ」』 です。
調べてみると、前回は2010年3月1日。
半年ほどブログ自体をお休みしていたこともあるけど、約1年ぶりぐらいの 「ハンレポ」 になります。
(すいません、当方の勝手な内輪の話ですが・・・)
と言っても、今日の記事は、 「東急ハンズの売り場だから」 という視点じゃなく、純粋に全体的なマーケティング的視点に立って 「たまたま東急ハンズに教科書的な売り場が作られていた」 という切り口からのご紹介です。
今日お伝えしたい結論は
『「テーマを設定した売り場」を作ってみましょう』
という事です。
先日、大阪・心斎橋の東急ハンズに行った時に2階の特設コーナーでやっていたのが、これでした。
すいません、わかりづらいですよね。
ハイ、ではアップ!
そう、 「花粉症対策コーナー」 です。
花粉症対策に役立つものを総結集させた特設催事です。
一番わかりやすいのは マスク
そして、グラス
予防的見地から見て、お茶
この他、サプリメントや鼻腔の洗浄グッズなど。
まあ、このようにして、 「花粉症」 をテーマにいろんな切り口の商品が集まっている訳です。
このようにすると 「目的」 が明確に絞られますから、 「あ、自分のことだ」 とロック・オンされた消費者は自然と引き寄せられるように集まってくるのです。
この方法で成功した好例が 「伊勢丹」 の売り場戦略の転換です。
従来の百貨店というと、各ブランドとの取引の関係から、売り場の設定は 「ブランドごと」 という切り口で作られるのが “常識中の常識” でした。
これを、伊勢丹新宿本店のメンズ館改装の際に、従来の常識を破り 「カテゴリー別」 という切り口で売り場を作ったのです。
これが大当たりし、売上げが前年対比20%増。 しかもこのメンズ館の年間売上高は東京地区の百貨店の紳士服売り上げの23%を占めるまでに至りました。
客が商品を選びやすくなった、という結果です。
「どうしてもダンヒルじゃなきゃダメなんだ」 という “ブランド切り口” のニーズよりも、 「別にブランドはどこでもいいから、トラッドな感じのバッグが欲しい」 という “生活シーン・スタイル切り口” のニーズの方が、より消費者感覚に響いた、という証明ですね。
このように、
「生活者のシーン・スタイル」 に焦点を絞って、
それを満たす売り場を作ってあげればお客が反応しやすい
という事が判断できます。
その 『「生活者のシーン・スタイル」に焦点を絞って』 を、より深く詰めていくと、さらに客の反応は良くなります。
先ほどの東急ハンズなんかは、その点の “プロ” です。
こんなボードで情報を提示したり、
こういう情報を提示し、より “臨場感” を高めています。
客は、より 「花粉症対策“ワールド”」 に浸れるのです。
この辺は、本当にいつも東急ハンズさんは上手です。
まあ、一般的な店舗の売り場ではこんな東急ハンズのような大々的なスペースや品揃えもムリですが、例えば店の一角を 「テーマ特化のコーナー」 にするだけでも客の目を引けます。
「あの店のあのコーナー、いつも何かやってる。 今月は何をやってるんだろう。」
「今日やってるコーナーって面白いかなー?」
など、お客側の楽しみも出てきます。
(じつは、これ、わたしが東急ハンズの特設祭事を
見に行く前の気持ちと一緒なんです。)
オールラウンドでフラットなPRの方がよいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、“何でもある” 的な切り口ではもう大型店にかないません。
中小のお店にとっては 「何でもある」 は 「何も特長がない」 のとイコールです。
それよりは、 「思いっきり突き抜けた“何か”」 が際立つほうが消費者からは目に付きやすいのです。
いかがですか?
あなたの売り場の一角で、思いっきりこだわりを追求した “特設コーナー” にお客さんが来て、面白がってあーだこーだと言いながら商品を見ている姿がイメージできましたか?
それこそが、大型店もマネできない、競合店も追いつけない、あなたのお店独自の “勝ちパターン” なのです。