先般からアップしてきた長崎旅行の話もいよいよ締めです。
今日は、2日目を締めくくる、長崎名物 「卓袱料理(しっぽくりょうり)」 を食した話です。
前に書いたように、1日目の夜に長崎に着いてから、ホテルで教えてもらった「一人前の卓袱料理」を食べさせてくれる店に行ったところ、既にオーダーストップで “この旅一番の楽しみ” にありつけることができませんでした。
しかし、その時に店の場所・営業時間をしっかりチェックし、 「明日はずぇーーーったい来ちゃる」 の決意を持って、その店をあとにしました。
で、
やってきました、2日目の夕刻。
坂本龍馬ゆかりの地を市内くまなく巡り、坂もかなりこなしたことで、腹の減り具合はとてもいい感じです。
で、訪れたのが、市内でただ一軒、予約なしで一人前から卓袱料理を出してくれるという 「浜勝」 というお店です。
卓袱料理というものは卓一杯に並べられた各種料理を大勢でつつくのが本来の姿であることを考えれば、このお店が出している “一人前の卓袱” はひょっとして邪道といわれるかも知れませんが、これまでまったく卓袱に対して何の知識も無い私にとっては、もう文字通り “かじった” だけでもとても嬉しい体験です。
小洒落た店構えの中に入っていくと、上品だけど愛想の良いお姉さんがさっそく席へ案内してくれます。
卓袱料理の一つの特徴は、赤い朱塗りの丸い卓に料理が並べられることですが、私が座ったのがテーブル席だったため、赤く丸いテーブルに案内されました。
どこか中華料理店的な感じもします。
さっそく件の “一人前の卓袱” である 「ぶらぶら卓袱」 というメニューとビールを注文します。
で、最初にやってきたのが、これです。
お吸い物。
これは 「おひれ」 といって、宴会の席では挨拶の前・料理の先に出す風習のものだそうです。
中身は、山のものや海のもの、野のもの、里のもの、という感じで、奇数になるように具を入れているそうです。
すっきりとした味わいで、すーっと体にしみていきます。
ここからがいよいよ本番ですが、この一人前の膳はこのようなスタイルで運ばれてきました。
左は 「十六寸豆」 。
その右はお造り。
お造りの上は、長崎名物の 「豚の角煮」 。
丸い桶の上は
「口取り盛り合わせ」 とよばれるもので、山のもの・海のもの・里のものがバランスよく並べてありました。
そして、この写真の奥が揚げ物です。
この料理のもっとも大きな特長である、和・蘭・唐のバランスが見事に表現されていて、いかにも長崎らしいなぁと思いました。
一つ一つがそれぞれ特徴ある味で、それぞれ楽しめました。
最後にはこんなものが。
おしるこです。
とても満足のいくひとときでした・・・・。
本当に、思い切って長崎まで足を伸ばして、しかも2日目をフルに使えるように夜行バスで京都に帰る選択をして良かったと、心から思いながら味を噛みしめてました。
で、この店のこの味をもう一段高めたのは、この店の従業員の方々の接客でした。
着かず離れず、嫌味なくこちらの様子を見て、適切なタイミングで料理を運んでくる。
他の席の接客を見ていても、気配りも抜群です。
どの方も、しゃべるトーンがはっきりしながらも柔らかく、とても心地よく感じさせる応対でした。
(これは多分けっこうしっかり教育している感じ)
気持ちよく食事をさせてもらいました。
帰りの会計の際にレジ横を見ると、 おっ! ニュースレター!!
商売柄、気になって一部持って帰りましたが、とてもレベルの高い仕上がりのものでした。
これがお客さんのところに届くと、やっぱりファンは多くなると思います。
つくづくお客さん向けのマーケティングがしっかりされている店なんだなーと思いました。
(後で知りましたが、この店はとある全国的な飲食店チェーンがやっている店でした。 でも、それでも私にとっては素晴らしい店でした。)
このあと、長崎駅で土産を買って、20時36分発・大阪 東梅田行きの夜行バスに乗り込み、2日間のコッテリ凝縮した長崎をあとにしました。