さて、先般の記事で、私が小倉から長崎に着いたところまでご紹介しました。
今日からいよいよ、その長崎紀行の本番です。
この旅は、小倉を土曜の17時ぐらいに出発して長崎に20時半ぐらいに着く、そして、翌日曜は市内をできる限り回り尽くし20時半ぐらいの夜行バスで大阪に帰る、という体的にはハードな旅ですが、それぐらいでちょうど長崎を目一杯満喫できると考えての予定で行きました。
まず着いての感想ですが、街の夜景がとてもきれいだというのが第一印象です。
というのは、駅を出て右を見て左を見ると、両方とも山に向かって夜景が伸びていっているという光景が目に入ってきたのです。
この街は湾の入り江にあって、しかもそこから陸地の川へとつながっていく地形にできていて、その海~川の両端に、平地から山手へと伸びるように街ができている造りになっています。
ですから、街の中心の平地に立てば、後を見ると山手に伸びる夜景があり、目の前にも入り江を隔てて山手に伸びる夜景が見える、という何かノスタルジックなものを感じさせるシーンがありました。
同じ港町でも、我が近所の神戸は一方的に山手に向かっての光景ですので、その神戸とはまた違った良さの夜景が見られます。
以前に香港に行ったことがありますが、香港は海を隔てて九龍半島と香港島の町並みがそれぞれ山手に向かって伸びています。
長崎にはそれに近い印象を受けました。
さて、長崎駅に着いた私は、路面電車に乗ってホテルに向かいチェックイン。
部屋に荷物を置いてすぐにフロントで
「すいません、卓袱料理(しっぽくりょうり)を一人前で食べさせてもらえる店ってありますか?」
と尋ね、
フロントの方: 「予約無しですぐに一人前で用意してもらえる店はここ一軒だけですねぇー」
と、その店を教えてもらいました。
途中、こんなところも通り、
目的の店に着き、
「すいませーん、一人ですがお願いできますか?」
と言うと、
店の方: 「あー、すいません。8時半までなんですよー。申し訳ありません。」
そう、長崎駅に降り立ったのが8時半ですから、もうとうに閉店時間をオーバーしていたんです。
しかたなしに、また
の辺りをブラブラし、
「長崎郷土料理」
の看板のある店を見つけて入りました。
そこで注文したのが、
一部県外産の魚もありましたが、五島列島で獲れた新鮮な魚の造りです。
身がプリプリで、脂もほどよくジュワー。
良かです。
次は、
「きびなのから揚げ」
“きびな”とは、どうも長崎弁でいう「きびなご」のことのようです。
わずかな苦味と身の風味、そして衣の香ばしさのバランスが抜群です。
お酒が進みます。
そして、もっとも長崎らしいなぁと思ったのは、
「ハトシ」 という料理です。
エビのすり身をパンで挟んで揚げたものです。
一口食べると、エビのすり身の揚げ天状になった風味が一番に出てくるんですが、その後を周りのパンの小麦の風味が追いかけてくる。
食感も、やわらかでありながら、ほどよい弾力が感じられる、とても美味しい料理でした。
卓袱料理なんかは最たるものですが、長崎は和・中華・オランダが交差する味覚の文化があり、この 「ハトシ」 なんかが名物料理になるところなんかはいかにも長崎らしいなーと思いました。
結局、この日は卓袱にありつけませんでしたが、翌日の夕食にリベンジすると決め、ホテルに帰りました。
それでも、一日目にして、さっそく 「夜景」 を見せられ 「目」 で魅了され、 地場の味覚で 「舌」 を楽しませてもらい、この街に感謝でした。
翌日は、坂本龍馬のたどった道を歩きつぶす旅です。
体力を温存するため、さっさと眠りにつきました。
(つづく・・・・)