今回お届けするNKGミュージックステーションは、どうしてもこの曲をお届けしなければいけません。
その曲とは、 「ドゥ・ゼィ・ノウ・イッツ・クリスマス?」 という曲です。

毎年この時期に、それなりにはかかる曲なのでご存じの方も多いと思いますが、もうすでにリリースから24年も経っているので、その趣旨を知らない人や忘れてしまった人たちも多いと思います。
このブログを読んでいただいている方に20代の前半の方たちもちょこちょこいらっしゃるので、その人たちにもこの歌の意味が解っていただければいいなぁーと思います。

この歌、イギリスのある一人のミュージシャンの呼びかけから生まれました。その人の名はボブ・ゲルドフ。ブーム・タウン・ラッツという、まあ言えば”一発屋”っぽいバンドのリーダーだったんですが、ある日見たテレビ番組で、エチオピアで飢餓に苦しむ人たちの映像を見てショックを受け、イギリス中のメジャーなミュージシャンを集めチャリティーの曲を作りその収益金を寄付する、というムーブメントを起こしました。

しかしこの企画、かなり即興的側面があり、ボブ自身で声をかけきれないミュージシャンたちもかなりいたようですが、それでも仲間のつてなどをたどって、当時のブリティッシュミュージックシーンの第一線を一堂に集め、サッと一日で収録を終えたとの事です。
そこに参加したミュージシャンは、ミッジ・ユーロ(ウルトラ・ボックス)、バナナラマ、フィル・コリンズ、ボーイ・ジョージとジョン・モス(カルチャー・クラブ)、ロバート・ベルとジェームス・テイラー、デニス・トーマス(クール&ザ・ギャング)、デュラン・デュラン、グレン・グレゴリーとマーティン・ウェア(ヘブン17)、ジョージ・マイケル、スパンダー・バレエ、ステイタス・クォー、スティング、ボノとアダム・クレイトン(U2)、ジョディー・ワトリー、ポール・ウェラー、ポール・ヤング。
以上、蒼々たる面々です。
その他にも、当日参加できなかったミュージシャンたちも、同曲を収録したアルバムの中で声のメッセージで参加しています。その面々とは、デヴィッド・ボウイやポール・マッカートニーなど、これも圧巻です。

これだけのスターたちが一つのチャリティーを目的に集まった訳ですから、当然この曲はブリティッシュチャートNO,1を獲得。大成功を収めます。

やがて、このチャリティーの動きは大西洋を越え、アメリカでUSA・フォー・アフリカの「ウィー・アー・ザ・ワールド」を引き起こし、さらに、その「ウィー・アー・ザ・ワールド」と合体した壮大なライブ企画「ライブ・エイド」へと発展していきます。
「ライブ・エイド」は、イギリス側はロンドンのウェンブリー・スタジアム、アメリカ側はフィラデルフィアのJFKスタジアム、の2つの会場を中心にして、1985年7月13日のグリニッジ時間の正午(日本時間午後21時、アメリカ時間午前9時)に開始され、日本・ドイツ・オーストラリア・ソ連(現・ロシア)など世界各地で開催。足かけ2日・16時間に渡って行われ、約170ヶ国に衛星生中継、約15億人が観たといわれる、伝説的なライブとなりました。


では、20世紀を代表するこの一大ムーブメントの第一歩となった「ドゥ・ゼィ・ノウ・イッツ・クリスマス?」、どうぞ。