バイオディーゼルを生産し販売するには、軽油引取税を考慮しなければならない。バイオディーゼル燃料を軽油等と混和して販売したり、自動車の使用者自らがバイオディーゼル燃料を購入又は製造して軽油等と混和して使用する場合、軽油引取税 の課税対象となる。


軽油引取税は地方税であり、総務省の管轄から各地の県税事務所での管轄と判断によって課税基準が決められる。そして、一般公道を走行する車に使用することになれば軽油引取税が課税される。


諸外国がバイオ燃料を優遇税制で保護して使用を推進しようとしているが、日本は、まだ、その段階ではない。


平成14年度、16年度、18年度、19年度税制改正において、バイオディーゼル燃料に対する軽油引取税の非課税措置の創設を農林水産省が要望しているが、実現していない。


そして来年度においても、見送られる公算が強い。


これは痛い! せっかく運輸会社などがバイオディーゼルを作っても、軽油と同等の税金を地方におさめなければ、公道を走れないのである。 原油が高騰し運輸業界が危機に瀕しているときに、これは痛い!


日本においては、従前、バイオディーゼル燃料についての規格が存在していなかった。 しかしながら、近年これを一般自動車用の燃料として使用する動きがあることから、経済産業省の審議会である 合資源エネルギー調査会において、上記欧州規格を参考としつつ規格化が検討されてきた。


この審議会での検討結果を受けて、BDF混合軽油を一般のディーゼル車に用いた場合における必要な燃料性状に係る項目を規定するため、揮発油等の品質の確保等に関する法律 施行規則 の改正がなされた。(平成19年経済産業省令 第3号。改正省令公布 日:平成19年1月15日、同施行日:平成19年3月31日)


上記品質確保法においては、FAME混合軽油について満たすべき基準が設けられており、軽油販売業者はこの基準を満たさないものを自動車の燃料用として消費者に販売してはならない。(揮発油等の品質の確保等に関する法律第17条の7及び同法施行規則第22条)


軽油生産業者及び輸入業者は、自動車の燃料として販売又は消費しようとするときは、この軽油規格に適合することを確認しなければならない。(同法第17条の8)


なお、品質確保法はあくまで炭化水素油を対象とした規制であるため、炭化水素成分を含まないニートFAME(含酸素燃料)は同法の規制の対象とはならない。 軽油と混合される前のニートFAMEについては、ニートFAMEやFAME混合軽油を製造するにあたっての品質の目安として、軽油と一定割合(5%)で混合することを前提とした標準化が任意規格によりなされている。


また、品質確保法による規制は、石油製品は消費者が見た目で品質の適否を判断することができないために設けられたものであることから、例えば消費者が自ら法に定められた基準以上のバイオディーゼル燃料を軽油に混和したとしても、それは自己責任でなされたものであり、同法による規制の対象とはならない。


しかし、販売してはならないのである。


バイオディーゼルを生産し販売するには、軽油引取税を考慮しなければならないのである。