学名ジェトロファカーカス(和名南洋アブラギリ)


日本ではナンヨウアブラギリ、タイワンアブラギリと呼ばれ西日本に自生しているそうです。実には毒性があり、タイでも最近実を食べた小学生48人が病院へ運ばれるといった事件もありました。

タイでは陸軍が大切に育てていました。地域住民とのコラボレーションも盛んで、陸軍が管理運営、農民が育成・収穫といったパターンで事業が展開されています。

調べてみると、他にもミャンマー・ラオス・タイでは盛んに育てられています。

この木の特徴は、油の採取以外は殆ど利用価値のない点です。また、実や樹液に毒があることから、動物よけの柵として使われるのは多いのですが、盛んに育成するだけのメリットがありませんでした。

毒性がありますから、食用油や医薬品には使えません。

実はこれがバイオマス原料としての最大のメリットとなります。

1.トウモロコシやサトウキビを原料としたバイオエタノール。
2.パーム油やココナツオイルを原料としたバイオディーゼル。
3.ひまわり油や菜種油を原料とした同じくバイオディーゼル。
4.廃食用油を原料としたバイオディーゼル。

今、世界で実用化が進められているバイオ燃料ですが、すべて食料から作られていることに大きな欠点があります。食糧危機を助長することを世界中の科学者が指摘しています。

廃食用油は捨てるのだから・・・とお考えかもしれませんが、発展途上国にとっては貴重なエネルギー源となるのです。

コンビニ弁当の賞味期限が切れたら廃棄処分と同じ考えです。コンビニ弁当は腐るから発展途上国には送れませんが、廃食用油は加工して再利用できるのです。

パーム油やココナツオイルはどうなのでしょう?あなたたちは生産現場をみられたことがありますか?
そこには過酷な重労働と、広大な自然破壊が起きているのです。

すでに、アメリカではトウモロコシの危機を多くの人が訴えています。車を持った裕福な人たちのために、自分たちの食料が失われていく・・・世界中の飢えた人々はどう考えるのでしょう?


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