ホーチミン証券取引所(HOSE)の取引時間拡大 | ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

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ホーチミン市(旧サイゴン)在住の証券アナリスト・竹内浩一が、ベトナムを中心に世界の金融市場を見渡すブログです。

 ベトナム各誌によると、ベトナム最大の証券取引所・ホーチミン証券取引所(HOSE)が取引時間を拡大予定です。取引時間帯の拡大は投資家数の増加、流動性の増加を狙うもの。

 新取引時間帯は、前場が8時45分から11時30分まで(現在は9時から11時まで)、後場は13時00分から14時30分まで(現在、後場取引は無し)となります。値幅制限には変更はなく前日比上下5%は継続します。6月、7月は取引時間拡大の試験期間とし、その後、関係当局が正式に新取引時間帯による取引開始日を決定する予定です。

 タンベト証券は、「取引時間帯の拡大は投資家の注文を呼び込むチャンスが広がること。時差のある国々、特に欧州、米国の大口投資家をベトナム市場に呼び込むのに有利に働く」と歓迎ムードです。

 一方、SME証券では「取引時間拡大によって市場流動性が向上し、上場企業にとってHOSEでの資金調達がやりやすくなる。しかし、証券会社にとっては取引システム技術の強弱で差がつくことになる」と分析しています。

 ベトナムの2009年末証券既存口座数は前年末比50%増の79万3000口座となりました。また、海外機関投資家、海外個人投資家の既存証券口座数はそれぞれ1149口座、1万2439口座です。取引時間帯の拡大は急増中の国内外投資家の利便を図り、国際標準に合致させるという意味もあります。

 HOSEは昨年6月にも取引時間帯拡大を提案しましたが、中小証券会社の一部に取引システムの技術的問題が生じる懸念があったために(取引時間拡大の)スタート時期が遅れた経緯があります。ベトナム証券保管振替機構(VSD)は取引時間拡大について、「VSDの(現在の)取引システムで対応可能。昨年10月に売買出来高が1億株のピークを記録したときも取引システムに問題は生じなかった」としています。