ホアン・アイン・ザー・ライ(HAG) | ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

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ホーチミン市(旧サイゴン)在住の証券アナリスト・竹内浩一が、ベトナムを中心に世界の金融市場を見渡すブログです。

 ホアン・アイン・ザー・ライ(HAG)はベトナム最大の不動産会社です。同社はベトナム1の資産家とされるドアン・ングイェン・ドュク(Doan Nguyen Duc)氏がオーナー経営者(取締役会長)であることでも知られています。

 先日、同社は2010年の計画利益を2兆7000万ドン(2009年の計画利益1兆7000ドンだった)に設定すると発表しました。会社側では(既に)売約済みの不動産からの大幅な不動産売却益を見込んでいるようです。同社は、「仮に不動産市場が大幅に下落したとしても2010年の計画利益を達成できる」、「仮に景気が回復するなら、諸々の不動産プロジェクトからの利益で税引き前利益は3兆ドンを超えるだろう」と強気な構えです。

 一方、同社は、カンボジアやラオスの鉄鉱石鉱山、ラオスの100メガワット級水力発電所、ベトナムの2ヶ所の水力発電所等にも投資をしています。ベトナムの2つの水力発電所は合計42メガワットの発電能力を有し、2010年第2四半期から電力販売を開始する計画です。

 インドシナのベトナム、カンボジア、ラオスでは電力が不足しています。「水は高いところから低いところに流れる」ように、「投資」というものは自然に(見えない手によって)「不足している部分」に向かうものです。ホアン・アイン・ザー・ライ(HAG)はそういった投資をしたということでしょう。ベトナムはカンボジアやラオスの発電所建設プロジェクトにさまざまな形で参加しています。

 ベトナムは社会主義国であるため、現在の電力料金はコストをあまり考慮していない設定になっています。それに対して、ベトナム商工省のハオ副大臣は最近のインタービューのなかで、「将来懸念される電力不足解決のためには発電事業に投資する投資家を集めることが必要。そして発電事業への投資を魅力ある投資にするには現在の電力料金設定方法を見直して市場メカニズムを取り入れた価格設定方法にする必要がある」と述べています。